招かれて 4
「あいも変わらず、おかしなキャラ付けなのだな」
「うおっと!?」
閉めて早々、腕を組んだ舞夜が立っていた。
「なんだ、いたのか」
「いないとマオがうるさくてな。主に過保護すぎなところは考えものなのだ」
今日が運良く新月で、舞夜は夕方には全開していた。
どうもよくわからないが、新月だと舞夜が活性化し、満月だと麻央が活性化する。イディオでは月に似た役割をした星があり、その時は三倍早く満ち欠けするから今見たく弱体はしなかった。ちなみに優華にはそれは適応しないようだ。
「主は『偽善ですらない』と言うが、我から見れば『悪でもない』と言えるのだ」
「…うっせ」
俺は廊下を歩く。それを舞夜はトコトコついてくる。
「まあ、今更主の行動にとやかく言うのはマオだけだ。マオさえ納得させれば主は自由だろうに」
「あいつ何でもかんでも納得しねーだろ」
「まー、そだけど……」
自身のことでもあるはずだが、やはりあまり似ていないのだろう。舞夜はため息を吐く。
「…とにかく、早く面倒ごとは終わらせて欲しいのじゃ。……ただでさえ今面倒ごとが増えているのに」
「ん? それってなんだ?」
「あ、しまった……」
と急に舞夜は口を閉ざした。
なんか怪しい。本当は聞くべきではないだろうが、俺は壁にドン、と手を突き出し舞夜の進行を止めた。
「……なに知ってる? 答えろ」
「い、いやー、ハハハ……これがいわゆる壁ドンじゃ––––」
「いいから答えろ」
ズイッと顔を近づけ、あたふたした舞夜はヘタッと座ってしまった。
「……なんだよ」
「いや、その、さすがに今のはちょっと心が乱れると言うか、なんというか………」
赤面しモゴモゴとしながらも立ち上がり、そこから放心気味にふらふらっと歩き出したため、仕方なく俺は聞くのを諦めた。
てか、こいつなんで急におかしくなったんだ?