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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第二章 幼女会長と暗殺者に思案したもの
154/273

招かれて 1

「ささ、あがってあがって!」

 二度目の松尾邸に、今度はいつもの朝食メンバーでお邪魔していた。

「すげー!! 黒服がいっぱいじゃん!」

「あ、あそこメイド通ったよ!」

 信木と文坂ははしゃぐが、どうもハジメ、智、更識の様子が悪い。

 すると、出迎えに一人のメイドが現れた。

「どうぞお越しくださいました平和様御一行様。どうぞ中へ」

『あーーー!!』

 それはメイドだが、同時に生徒会広報部兼放送委員長『凛堂』だった。



「まさか凛堂先輩がメイドだったとは」

 信木を始め数人は驚いたが、何故か自衛隊組は目を合わせない。

「はは。まあ今日はお嬢様のお客様なので誠心誠意対応いたします」

 スカートの両端を摘んでお辞儀した凛堂に、三人はこそっと話していた。

「……なあハジメ、悪寒が」

「……ねえ、私も」

「……実は俺も」

「なんか言った?」

 ゆらっと目が三人を向くと、今度はビシッと背筋を整えて凍りついていた。なんか本当に氷点下まで。

「…彼らが自衛隊員なのを知るのは……まあ全員なら良いですね」

 と、今度はビシッと、しかしニコッと笑顔で喋った。

「わたくし『松尾邸次期15代メイド長』兼『自衛隊員特異災害班粉吹市管轄』の凛堂 皐月(りんどう さつき)特務中尉であります。……現在は彼らの統括役をしています、平和湧磨さん」

 今更驚きはしない。なんとなく分かっていた事だ。

 三人はあくまで実行部隊で、裏で指示役があるとは思っていた。更識や智にその役は当てはまらず、一はあまり単独行動をとらない。まるで誰かの指示を待つだけの人形みたいに。

 俺は右手を差し出す。

「平和湧磨です。こうして話すってことは、少しは疑いが薄まったと思って良いのですかね?」

 彼女は俺の手を強く握り握手する。

「ええ。現在あなたへはむしろ友好的に、協力を仰ぎたいとさえ考えています。まあ、あなたが控えたように、あくまで薄まった(・・・・)だけですがね」

「はは、それでもマシですよ。俺はなにも企んでませんから、今後の行動で証明する効率が上がったと思えばいいことです」

「そうですか。ではそろそろ全車も済ませましょうか」

 手を離し、彼女はパンパンっと手を叩く。

「お食事の用意ができております。さ、大広間へ」

 彼女の後に続き、俺たちも彼女の後を追って歩いた。

 ガシッと、俺だけが手首を掴まれて。

「おおっと、君は少し待ちたまえ」

 彼女の笑みは、俺の心に警鐘を鳴らした。

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