終わりの鐘は硝煙に交じりて 3
「......ユウマッ!!」
麻央の声が響き渡った。
ポタっ、ポタっと掌から血が零れる。
手を突き出して、骨を貫通する間に多重の魔法障壁を腕に展開して速度を抑え、どうにか肩まで貫通することなく止まった。
「...そうじゃねーだろマオッ!」
「ッ! ......ルシー、絶対逃すなッ!!」
麻央と優華はそれぞれにスマホを持って連絡を取る。
そんな中、俺は信木と文坂のとこでしゃがみ二人を見るが、文坂は眠っている。
「...悪いユウマ」
苦々しい顔をする悪友にコツっと拳で鼻をたたく。
「...気にすんな。利用し、されるが俺たち『悪友』の暗黙だろが」
しかし運がいい。会場に銃声が響かなかったことはまだ立て直すことができる。
俺は立ち、ポケットのハンカチを手に取る。
「はい皆さん! ここで擦りむいた手があります!」
実際は風穴あいてるが、まあ遠くじゃ血しか見えんだろ。
ハンカチを被せ、スリーカウントで取った手は、
「見事綺麗な右手です! さ、種も仕掛けもあるショウでしたー!」
シーンと静まったため、俺はさらに一言載せて終わることにした。
「えー......ハプニングがあったため、今滑った俺の責任でCの負けです! 悪いなお前ら―!!」
数分後、信木たちが文坂を運ぶ間ブーイングを俺は受けた。