終わりの鐘は硝煙に交じりて 2
「「「「!?」」」」
何が起きたかわからなかった。既に彼女の手は信木に触れる位置にある事実だけ。
「『エア・バック』!!」
後方に飛ぶだけでは足りず、思わず風を足元で爆発させて飛び避ける。
ズザーっと砂を滑る。その間も目を離さなかったが、麻央と優華も今起こったことに呆気に取られていて、先ほどから歓声を上げる観客までも静まる。
「...おいノブキ、あれはなんだ?」
「知るかよ、そんなの」
信木すら知らない今の減少に固まっている。
しかし静寂を壊したのは、綺紀だった。
「...あ.....あ...あ、あ、あああああああああああああああ!!」
危機は両手で頭を押さえて叫んだのだ。
「キキ!!」
「...マオ、これまずい!」
麻央と優華は焦りを見せ、それは信木と俺もだった。
「マオ、すぐ降ろせ! もう試合どころじゃねえ!!」
「キキ!!」
信木は飛び降り、降ろされた綺紀に駆け寄る––––
ビー! ビー! ビー!
突然俺のスマホがポケットからけたたましく警鐘を鳴らした
『ユウマ、狙撃———キキ狙われてる!!』
「ノブキッ!!」
驚く暇もなく肩から飛び移り、信木は綺紀を抱き寄せ地面に転がった。
「...なっ!」
銃声はなかった。だが弾痕が丁度綺紀の頭があった位置に狙ったかのようにある。
ギラッと光るものが見えた。だが、目を凝らして見えたとき、奴の二射目の装填を終えていた。
魔法で間に合わない。既に詠唱できる余裕はない。無詠唱でもコンマの差で間に合わない。
だから––––