非常識の衝突 1
「やっぱツレーな!」
「同感だ」
三人はバテながらも登りきり、再びドームまできた。
その間で四、五騎を討ち取るが、運がいいのか悪いのか、リーダー格とは鉢合わずに登り切った。
するとバスが何台が横切り、そのうちの一台の窓が開く。
「おうユウマ、負けたら許さねーぞ!」
「「ハジメ君頑張ってー!!」」
「小中、写真忘れんなよな!」
「サトシはまあガンバ」
「なんで俺だけそんなそっけねーんだよ!」
智は猛反発したが、俺達はクラスメイトの声援に応えるべく、決戦の地に戻ってきたのだ。
『おう、任せろ!』
俺たちの言葉は、それだけでいいだろう。
グラウンドに戻って五分、C組入場門付近で俺達は足を休めている。A組とB組の入場門から現れるのを、騎馬は立ったままだがな。
どうもここに戻ってくるまでの間、ミサの計らいで文化部の予算増額を盾にパフォーマンスをいくつかしていたようだ。なにそれ、俺見たかったんだけど! なんか吹奏楽とか、和楽器バンドとか、果てはヒーローショーとか……見たかったなー。
「……なあユウマ、結果的に足つけられない騎手のルールがある以上、実は遠出は不味かったんじゃないか?」
「まあよく考えろ。仮にここでやって……勝てるか?」
「……消耗していて欲しいな」
俺達はそう願う。
その折、足音がしてきた。
扉が開いた音はしなかったが、一体どこから––––
「もらったーー!!」
「後ろか!」
俺達は前進してUターン。
しかしその騎手の顔を見て俺と、そして一が固まった。
「……なんで、カスミが」