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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第二章 幼女会長と暗殺者に思案したもの
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状況とタイミングを誤るもの 3

『…せーの!』

まさかの気絶のユウマを乗せ、なんとか騎馬を構築した。

先頭は判断面でハジメ、パワーで右をオレ、左を智が担う。

救いはユウマがなんとかピンとしていること。最も頭から上はグダッとしているが……こいつ器用な気絶の仕方してるな。

「もうやるしかない! いいかお前ら、作戦A『脱兎』だ!」

間も無く先生の合図で始まる戦い。オレたちはまず、このバカが目覚めるまで逃げないといけない。もはや防戦一方だが、何せこいつの頭の鉢巻は、大将のラインが刻まれているのだから。


皆、願わずかすでに両クラスこちらの大将にロックする。

大将がとられれば、その中で生き残ってた分の加点が行われる仕組みだ。つまりこの鉢巻き取られれば圧巻の終わりで、肝心の騎手は気絶。てかよだれ垂らすな!

『ではでは、始めまーす!!』

「位置について!」

放送を合図にピストルを上に向けた。

「ドン!」


「全員、退避ーー!!」


全員、入場口に駆け出した。

「な、逃げる気なの!?」

「ああ逃げんだよ!」

誰かの声に答えてから、各々が無事に通り終わるのを待ち、最後にオレらが挑発して去る寸法。

ここでユウマと二段構えだったが、もうオレがやるしかない。ここでミスればクラス全員後ろ指刺される。だが、悪ノリさせればこっちのものだ。

文句言うなよ湧磨、お前が気絶したのがわりーんだからよ。

オレは深呼吸をした。

「…なあ野朗ども」

オレはあえて、一番危険な賭けを打つ。

「オレ、実は秘蔵写真『アイドルの日常』ってのを作ったんだけどさー」

全員が、特に男子が固まる。

「分かるよな言わなくとも。……もしお前らが勝ったら売ってやろうか?」

少し揺らいでいる。そこでさらに変化球。

「……ま、日常的にそのアイドルにラッキースケベ展開をする事が多いユウマに、勝てればな?」

「全員、C組を叩くぞ!!」

男子がかかった!! オレらはその勢いで廊下を駆け抜けた。



「ナイスだノブキ! 次の作戦はどうする?」

智がはしゃぐが、一向に目覚めない湧磨は揺られている。

「……今はどう考えても勝てない。まずはこいつを起こすしかないが、ひとまず外に出よう!」

そのまま駆け抜けようとしたが、


「させるかー!」


やはりB組は早く、すでに追従する。

「ふっ、指揮官が出張るからいけないんだよ!」

騎手は手を伸ばすが、そんなの織り込み済みだ。

「やれ佐々木!」

「おうよ!」

角から現れた仲間の騎馬がそのままそいつの鉢巻をとった。

「な!?」

「あーばよ!」

他はどうも狭い空間だけあってすぐには追いつかず、オレたちは無事に外に出た––––


「……嘘だろ」

外で、涙目の巨乳少女を前足にした幼馴染が、かなりご立腹だった。ヤバイのは、さらにまだ煤野がキレていることで二倍だったこと。


何故だか綺紀は、騎馬戦で若干でも不正を働こうとしたやつを許さない。中2の時、それで涙を流した男子を見たことある。まあオレの騎馬だったが。


「……よお、お早いお着きで」

「そーねノブキ。……フライパンと鉄拳、どっちを喰らってから鉢巻き取られたい?」

ここで時間をかければ挟み撃ちは明らか。


「加勢するぜ小中!」

「さ、早く行って!」


そこで先行したうちのニ騎が間に入った。

「すまねー!」

「……ふっ、礼は写真な!」

「お、おう……」


走り出しながら、

「……どうすんだノブキ、ありもしない写真集欲しさに戦ってるぞ」

ブラフの写真集がここまでとは、と考えて走る羽目になるとは、流石に予想していなかったのでどうするか、と悩みながらドームを後にした。

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