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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第二章 幼女会長と暗殺者に思案したもの
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説教 1

「……」

「マオ、どうしたの?」

「そろそろ始まっから行こーぜ」

 小中と綺紀が声をかけるが、麻央はただ壁に手を当て睨んでいる。

 そしてニコッと綺紀を向いて笑った。その他全員が青ざめるのと同時に。


「…カスミ、キキ、ちょっと三人でお花摘みしてくるから先生に謝っといて。……マヤ、ユウカ、ついてきて」


 呼ばれた二人もビクッとするほど彼女は目が笑っておらず、振り返った先にタイミング悪く現れたルシー達も一瞬後ずさる。

「……ねえ、これ知ってたの?」

 麻央はコンコンっと壁を叩く。ルシーは全力で、冷や汗を流しながらも無言で否定していた。

「…そっか。じゃあついてきてくれる?」

 今度は肯定し、隣にいたギンキに目を向けると、彼も降伏の構えをとった。

「…あいつが心配だからついてくさ」

「じゃ、じゃあ私も!」

 と横からカナコが声をはるが、

「いいよカナコ。そろそろ開会式始まるし……それにあなたはユウマに甘すぎるから」

 普段誰よりも甘いはずの少女の言葉は重く、彼女は引き下がった。

 ハンサはそろりそろり、と下がって振り返ったが、正面にいたのは麻央で、慌てた拍子に尻餅をついた。

「ハンサ? あなたは許してないのだけれど?」

「いや、だって僕も何かできるわけないですよ! ほら、僕戦闘特化じゃないし」

「あなたの頭脳が欲しいの。ユウマ、悪知恵よく働くから」

「えー、でもそれすら壊せるんじゃ––––はいお供します!! だからその手を収めてください魔王様!!」

 勇者一行の一人とはとても思えない土下座を見せ、麻央は後ろを向いて歩き出した。その後を、呼ばれた全員が意気消沈に続く。

「……ありゃ、さしものユウマも死んだな」

 小中は呟き、皆が同意した。

 まあ、誰も湧磨を同情しなかったが。


「あれ? みんなどーしたの?」

と何事も知らない愛花が現れるまで、俺たちは立ち尽くしてしまったぐらいに。今日ほど『魔王』を身近に感じた事はなかったと思うのだった。

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