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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第二章 幼女会長と暗殺者に思案したもの
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真夜中のマジシャン 3

 着地したのは二キロ離れた6階ビル屋上。

「…はー、今なら見逃すがどうする?」

 俺は微動だにせず、むしろ待っていたかのような黒コートの男と対面する。

 見た目は同い年、身長と同じくらいの狙撃銃を置き、かわりに懐からナイフを二本取り出す。

「やる気十分、か。……後悔すんなよ!」

 先手必勝。俺は奴の懐に潜り拳を振る。

 相手は刃で防ごうとしたが、ナイフが俺の拳に触れた途端後方に飛ぶ。

「…リブ、あいつやべーわ」

『うん、すごく分かるよ』

 無詠唱で『強化レインフォース』し、奴の刀は刃こぼれを起こす。

「あれ、瞬時に『突き抜ける』って非常識を飲み込まなきゃできねーよな?」

『やばいねやばいねー、少し苦しい?』

「まさか」

 俺はさらに接近するが、今度は刃物を投げ捨て、

「なっ……!?」

 俺の拳を簡単に受け流し、蹴りが飛ぶ。

「『跳躍』!」

 瞬間で受け流された方向へと飛ぶ。

 あ、日本語になっちまった。

「………」

 ……あいつ嫌いだわ。あの涼しげな顔、サラッとした金髪、イケメンの殺し屋。あいつ嫌いだわ。


『どっかの騎士もどき』を思い出すから嫌いだ。


 先に手を出したのはあちらだ。俺は情を捨て黒鉄の剣を出す。

「……!?」

 流石にいきなり現れたら戸惑うだろうが、待つ気はない。

 二撃、四撃、六撃……とくに型のない剣技を、さらに忍ばせてた短剣で受け流される。

「……このっ!」

「くっ……!」

 蹴りを相手の腹にくらわせ距離を取る。

『……いやー、日本にもいるんだねー、化物は』

 先程から囮なのかと思ってたが、この強さなら一人で頭おかしくはない。

 その時だった。

『ユウマ南西方向上空! 何かくる!!』

「はあ?!」

 俺はリブが告げた方向に目を向けた。


 月に照らされて、パラグライダーが突っ込んできた。人間一人が逆さになって。


「離れろ!」

 その声に俺はさらに後方へと下がると、銃声が響き渡った。

 二丁拳銃のそいつは、パラグライダーから足を外し落下、ビルに華麗に着地した。

「……松尾花専属執事兼現自衛隊特務大尉『島釜伊夏』。邸宅を襲ったあなたを排除します」

 無機質な声が、金髪の殺し屋に向けられた事は言うまでもない事だろう。

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