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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第二章 幼女会長と暗殺者に思案したもの
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真夜中のマジシャン 1

「ご馳走様。シェフに伝えて、『今日も大変美味でした』と」

「ハッ、かしこまりました」

花は口を拭い、席を立つ。


廊下を歩く。後方では一人ついてきていたが、その存在を知っている彼女は口を開く。

「ねえイナツ、今日は放課後どうだった?」

「いえ、特に変わった事はございませんよお嬢様」

家では『お嬢様』と呼ぶ彼にもやっとする事はあるが、花は続ける。

「あと少しで運動会ね! あなたは2日目の二人三脚で誰と走るのかしら」

「私はお嬢様の安全のために参加致しません。校外はあまりに危険です。当日何が起こるかわからないため、警戒は厳重にしておりますのでご安心を」

「なんで!!」

花は叫び振り返る。伊夏は驚いた。

彼女が泣いていたから。

「あなた私と同じ高校生よ! 別に執事してって頼んでないから!!」

「…僭越ながらお嬢様。確かに拾ってくださったのはお嬢様ですが、養ってくださったのは当主の、あなたのお母上です。あの方への恩返しがあなたの専属執事。私はあなたの為になら私の命ひとつでさえお安い事で」

「もういい!!」

花は自室へと駆けていった。





「……ぐ…ふぇ………ぐすっ……」

自室のベッドに座って涙を流しては拭う彼女は、ふと、カーテンがはためいていることに気付いた。

「……もし…かして……賊が入った?」

彼女はカーテンのそばに近づき、覚悟を決めてパッと開く。

「残念外れ」

「ひゃ!?」

彼女は何もないカーテン側に転がってしまった。立ち上がった花は目を丸くし、

「……ユウマくん?」

「そ、あなたの劣等後輩『平和湧磨』でございます」

とお辞儀をした。

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