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魔王と勇者に好かれた者 [再修正しますm(_ _)m  作者: ヨベ キラセス
第二章 幼女会長と暗殺者に思案したもの
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魔法世界に探偵は要るか 1

「なあ、本当にやらないのか? お前ほどの逸材には是非入って欲しいんだが」

「いや、バイトがあるんで無理っす!」


 最近よく、二年にして次期主将の剣道部員『倉橋くらはし 東弥とうや』を始めとする剣道部の面々に勧誘を受ける。オレ個人にその気はないが、彼らは引き下がるそぶりを見せない。

 特に先輩の倉橋は、オレのことを高く評価しているようだ。

「知ってるだろ? 我が校では優秀な生徒には学費面の免除、学校専属の寮への優先入居権がある。お前ならそのぐらいわけないはずだ! お前は『神童』なんだから!!」

『神童』と言う言葉に俺は眉をピクッと反応していた。

 それは決して嬉しくも、誇らしくもない、嫌悪な感情で満たす言葉。

「君は過去、小学生にして非公式だったが段持ちの大人に勝利した。各大会の強豪の集まる会場には私もいたが、君の剣捌きは見事だった! 私は君のような人と」

 俺はそれ以上聞く気はなく、踵を返そうとした時だった。


「…グェ!?」


 なんか遠くから見慣れた悪友が走ってきて、すれ違い際オレの後ろ襟首を掴まれ、そこから引きずられた。

「あだだダダダダダッ!」

「あ、先輩! 借りていきます!!」

 オレの悲鳴を無視し、湧磨は止まることなく振り返って告げた。





「お前は殺す気か!」

「探偵やろうぜ!」

 …噛み合わない会話に項垂れるが、いつものことだと考えるとひとまず気が落ち着いた。

「……いきなりなんだよ。見た目はガキでも『じっちゃんの名』もないだろ?」

「フッフッフ、そうだ!」

 こいつはなんで胸張って言えるんだ? バカか?


 要約すれば『島釜 伊夏』身辺調査だった。

 話は大まかに聞いて、ここ最近の湧磨の行動に納得がいったが、その調査には少し渋ってしまう。

 体育館裏壁に背を預け、俺は横で説明した湧磨に一番の疑問を問う。

「…なあ、素人がどう調べるんだ? 相手は一応執事だろ。後つけようとしても難しいだろうし、下手すればストーカーで捕まるぞ?」

「そこは抜かりないから大丈夫だ。それより助っ人も呼んでいるから紹介しよう」

 なんでこんなにやる気なんだよ。そのやる気『霧隠し』に分けて欲しいぜ。

 そうこうしていると、


「ユウにーちゃーん!!」


 突然湧磨の背後に飛び乗った小さな人影が湧磨を転ばせた。

「…こいつが助っ人か?」

 確かに理事長なら強力だが、当の本人はハテナを浮かべる。


「ハハハハハ!!」


 続いて高笑いがオレの背筋を凍らす。

 悪戯の後のしたり顔。その女は角から現れた。

「やあ、『霧隠し』以来ね二人とも」

 オレはすぐ湧磨を見たが、今回は湧磨もしたり顔をしていた。

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