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第4話

次の日。

僕は図書館に行くことにした。

図書館は学校の奥にあって、周りを針葉樹林が囲んでいるからとても静かな場所だ。

司書の人にぺこりと頭を下げて中へ入る。

中は冷房が効いてるようでとても涼しい。


「えーっと…花の図鑑は…」

本棚を探していると誰かの手に当たった。

「っ…す、すいません…」

思わず俯き慌てて謝る。

「あれ?見かけない子ね?」

ちら、と視線を向けるとツインテールの気の強そうな女の子がいた。

「あなた、どこから来たの?」

顔を覗き込まれる。

「…っ!」

反射的に押し退けてしまった。

「な、なによ…!押すことないじゃない…」

そんな不満の声をよそに僕はその場から逃げ出した。


怖い。

この目を見られることが怖い。


ひたすら走っているうちに、いつのまにかひまわり畑にいた。

「…また、来たんだ」

ふと柔らかい声が聞こえた。

この声は… 「向日葵ちゃん…」

「ふふ。また会ったね」

彼女はそう言って微笑んだ。


「っ…///」


あぁ…まただ。この子に会うと血が騒ぐ。胸もドキドキするし、すごく熱い。


「どうしたの?顔が赤いよ?…熱でもあるの?」

心配そうな顔をして近づいてくる。

そんな顔しないで…。

「い、いや、なんでも…」

僕はそう言って俯いた。


二人の間に沈黙がうまれる。

「あの…っ「ねぇ」

僕が口を開いた途端、向日葵ちゃんも口を開いた。

「…ど、どうしたの?」

慌てて聞く。

すると少し黙ってから向日葵ちゃんは言った。


「…どうして…ずっと俯いてるの?私、紅蓮くんの目を見てちゃんと喋りたい。」


「え…」


僕は驚き、焦った。

「どうして?どうして目を見て話さないの…?あの人はちゃんと見てくれたのに…」

そう言いながら近づいてくる。


あの人…?誰のことだろう。

そんなことを考えていたらいつのまにか、向日葵ちゃんは目の前にいた。


「私を見て」


僕はその時初めて向日葵ちゃんの事を怖いと思った。


怖くて…どうしようもなくて。


涙がこぼれ落ちた。


もう…いやだ…。どうせまた…嫌われるんだ…。


そう思い、やけくそになりながら顔を上げた。

「…っこれで!満足した!?」

僕はそう叫びながらぽろぽろと涙を零した。

そんな僕を見て、向日葵ちゃんはーーー


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