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夏生詩集2

部屋

作者: 夏生

震える秒針

積み上げられたビニールの軋み

すえた臭いは部屋をゆっくり腐らせている


小さな手は小さな身体を

覆うことで精一杯で


いつ笑ったか

いつ泣いたか

いつ怒ったか


黄ばんだ天井に映し出された

数コマは消えてゆき

おそれる力も消えてゆき

小さな手はザクロになって

細かくひび割れていた

食むことができなくなった口も


朽ちていくには早すぎる

小さな身体に小さな虫が這ってゆく

水道の蛇口から水が玉になって

ポトリと落ちた


悪い子だったから

お父さんお母さんは出ていってしまったの?

ポトリと落ちた声を

静寂が食んだ



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