私は誰なのか
この世に愛などない
真実は地下深くにすっかり隠されて
全ての人の命は全ての人のためにある
あなたもあの人もこの人も
全ての人のもの
誰かに絞って特別に目かけようとすれば
たちまち世間から相手にされなくなってしまう
でももし非凡でなにかの才能があったのなら
なにか特殊な能力があったら
きっと誰かの目に留められて特別扱いしてもらえる
誰もがそう思うかもしれない
そしてそれは確かに当たっている
それでも神様はきっと
平凡な人々の幸せを基準にして
人々に幸せを届けているように私は思う
その証拠に
私はすっかり売り払ってしまったものによって
私は私ではない私でも理解できない
私に変身してしまったがために
世界にただ繋がっているだけの試験管ベビーのようなロボットのように
なってしまったのだから
その証拠に
私の中の愛と欲望が
至極残酷に
切り離されてゆくのである
それでも私の存在が誰かの心の中に生き続けていてくれるのは
幸せなことである