表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

世界創造

新しい世界に飛び立ったラミア

果たしてどうなるのか。

 飛び立ってから既に数時間が経っていた、荷物を積んでいるので飛行速度はそれほど速くないが、目立たないように、高度をとっているために若干寒いようで、ラミアは体を震わせている。

 一体どこを目指しているのだろうか。


「決まってんでしょ、別荘建てられそうな景色のいいところ」

 まだ別荘のこと諦めてないのか。

「当然でしょ、でもね平和的に考えてるんだから!」

 はいはい、平和的ねぇ。

「うっさい、そろそろ見えてくるはず」


 ラミアの視界に映ったのは、大きな湖の見える小高い山に囲まれた、まさに別荘を建てるにふさわしい景観だった。

「ここなら、誰も住んでないし、問題なし!」

 そう言って鉄板を徐々に降下させ、湖畔の開けた土地に鉄板を軟着陸させた。

「じゃ早速、別荘を建てよう!」

 身近のダンボール箱から、何やら端末を取り出し操作をはじめると、平地だった部分にいきなり見たこともない建物が出現する。


「どぉ?すごいでしょ」

 いい加減呆れます、チート過ぎて。

「うっさい」

 はいはい、それでどうするのさ?

「端末で、家具を配置するから邪魔しないでよね」


 そう言ってラミアは端末を操作すると、ダンボール箱が勝手に開封され、意志を持っているかのように、それぞれの置かれる場所に向かっていく。


「これでよし!」

 ラミアは満足気だ。

 ところがひときわ大きな段ボール箱が、未だに開封されずにラミアの目の前に、残っている。

「そういえば、こんな大きな段ボールなかったはず……」

 お前さん、14歳なのにもう物忘れが――


「またあんたでしょ?こんなもの勝手に書き加えたのは」

 さてね、とりあえず中身を確認したらいいんじゃないかい?

「端末の制御受け付けない時点で、ものすごく怪しい!」

 そう言いながらも、段ボールを開封するとその中から現れたものは……マッサージチェアだった。


「ちょっと!どういうつもり!?」

 どうもこうもない、ただのマッサージチェアだ。

「あたしがこんなもの使うわけないでしょ!頭おかしいんじゃない」

 いや、最近肩こりが――

「言ってない!!」

 そうですよねー貧乳――

「またそういうこと言う、あたしをそんなに貧乳娘にしたいんだ?」

 貧乳はステータスだ!希少――

「セリフパクってくるんじゃないわよ!」

 まぁ、よく見てくれ、こいつを――

「一回、脳外科に行って手術してもらいなよ」

 さて本題に戻すとしよう。

「いきなり我に返らないでよ」


 確かに見た目は、普通のマッサージチェアなのだが、ヘッドレストの部分に何やらヘルメットが載せられている。

「明らかに怪しいよね、それ」

 まぁね、じゃ一応解説する。

 何を隠そうこの装置は、バーチャル体験をすることができる装置なのだ。


「……古っ」

 なんだと!

「私の星じゃ、そんなの50年以上前の技術よ」

 どんだけ進んでんだ、お前さんの星は!

「確かに革新的技術だったけど、所詮は疑似体験は疑似体験でしかないのよ」

 それはそうなのだが……

「あんたは言ってたよね?さまざまな表現をしていきたいって」

 うむ、それは間違いなく言ったな


「まぁ見てなさい」

 ラミアはどこからともなく工具を取り出す。

「なるほどね、記録媒体はHDDって、どれだけ容量小さいのよ」

 チェアの後ろに回り、背もたれの後ろ側の格納スペースを開けて呟く。

「確か、別の箱にあったはず」

 未開封になっていた段ボール箱を開けて、何やら取り出す、見た目はただの水色の板。


「これこれ、これがあれば大丈夫かな」

 ラミアさんや、それは何だい?

「ん?これは未使用のアカシックレコードよ」

 お前さん、今とんでもないこと言ったよね?

「一応禁制品だけどね、世界を新しく事が出来るから」

 世界を作るって、どういうことか分かってますよね?

「当然でしょ」

 なぁラミアさんや、初めからそれ使って自分の世界作れば――

「これを使うにはいろいろな条件が必要なの、分かる?」

 サッパリわかりません、ハイ。

「簡単に言えば、あんたが必要なの」

 愛の告白ですか?ヒャッハー

「うっさい!そういう意味じゃない!バカ」

 照れなくても良いぞ良いぞ

「照れてるんじゃなくって、ムカついてるんだって!」

 胃がムカついた――

「言わせない!いい加減進めてよ」

 へーへー、それで結局はどうなるのさ?


「私にいろいろな体験をさせてよ、私の望むような世界をね」

 この椅子を使ってかい?

「そう」

 どういった理屈なのかね?

「今はまっさらな世界、それをあんたがアカシックレコードに記録していくの」

 要するに、私がラミアの望む世界を書けってことだな。

「簡単に言えばそういう事」

 回りくどいなぁ

「あんたがサッパリ書かないから、こうなったって事忘れないでよね!」

 わかりやしたよ、ただ条件が一つある。

「何となく分かるけど聞いてあげる」

 どんな展開になっても地の文を――

「それ無理、諦めて」

 ですよねぇ……


読んでいただいてありがとうございました。

さてこの先ラミアにどんな体験をさせようか悩みどころであります。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ