第9話 「評価」
第9話です!
前回の決闘をきっかけに、ギルドの空気は大きく変わり始めます。
「役立たずの鑑定士」と言われていたアレンですが、
その能力が少しずつ周囲に認められ始めました。
そして今回は、ギルドでの評価やその後の出来事など、
アレンの立場が変わっていく様子が描かれる回になっています。
さらに、リリアが約束していた“ご褒美”の話も……?
少しだけドタバタしつつ、二人の距離もほんの少しだけ進む回です。
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それでは第9話、どうぞ!
決闘が終わったあと。
ギルドはまだ騒然としていた。
「マジかよ」
「鑑定士が勝ったぞ」
「Cランク剣士を一瞬で……」
ざわめきが止まらない。
地面に倒れたガイルは、まだ膝を押さえていた。
「くそ……」
アレンは小さく息を吐いた。
「だから言ったのに」
「やめた方がいいって」
ガイルが睨む。
「ふざけるな……」
その時。
ドン、と重い音が響いた。
「そこまでだ」
ギルドマスター、ガルドだった。
腕を組んでいる。
「決闘は終わりだ」
そして。
アレンを見る。
「……面白い」
「え?」
ガルドはニヤリと笑った。
「鑑定士がここまで戦えるとはな」
周囲の冒険者が頷く。
「弱点見抜いてた」
「完全に動き読んでた」
ガルドが続ける。
「アレン」
「はい」
「お前」
「正式にギルドに登録し直せ」
「え?」
「ランク再査定だ」
ざわっ。
ギルドがざわつく。
「再査定?」
「普通ありえねぇぞ」
ガルドは言った。
「今の実力」
「少なくともDランクはある」
「鑑定能力込みならそれ以上だ」
ガイル達の顔が歪んだ。
追放した男が。
もう自分達より上の評価。
その時。
リリアがニヤニヤしていた。
「見ました?」
小声でアレンに言う。
「ざまぁです」
「まだ言う」
「楽しいんです」
リリアは肩をすくめた。
そして。
アレンの腕を引く。
「ちょっと来てください」
「え?」
「ご褒美」
「何の」
「決闘勝ったじゃないですか」
ギルドの裏。
人の少ない場所。
アレンは首をかしげた。
「で?」
「何するの」
リリアは腕を組んでいた。
そして。
少しだけ顔が赤い。
「……約束です」
「え?」
「ご褒美」
「いやそれ聞いてる」
リリアが近づいてきた。
かなり近い。
アレンの胸を軽く指で押す。
「アレン」
「はい」
「助けてくれましたよね」
「遺跡?」
「そうです」
「まぁ」
「それに」
少し照れた顔。
「決闘も勝ちました」
そして。
耳元で囁く。
「なので」
「え?」
リリアは少し迷ってから――
アレンの頬に軽くキスした。
ちゅっ。
「……」
「……」
アレンは固まった。
リリアは顔真っ赤。
「これで終わりです!」
「今の何!?」
「ご褒美!」
「軽くない!?」
「軽いです!」
リリアはそっぽを向いた。
だが。
耳まで赤い。
「……」
アレンは苦笑した。
「まぁいいけど」
「よくないです!」
「どっちだよ」
リリアが睨む。
少しだけ甘い目。
「でも」
小さく笑う。
「また強くなったら」
「え?」
「次はもう少し」
「ご褒美増やします」
「何そのシステム」
リリアは笑った。
その時。
ギルドの方から声が聞こえた。
「おい!」
冒険者が走ってくる。
「アレン!」
「ん?」
「お前の話」
「街に広まってるぞ!」
「……え?」
「鑑定士が決闘で勝ったって!」
アレンは頭を抱えた。
「面倒なことになりそうだな」
リリアは楽しそうだった。
「いいじゃないですか」
「有名人ですよ」
「それ困る」
リリアは腕を組む。
そして。
ニヤッと笑う。
「大丈夫です」
「何が」
「隣に」
アレンを見る。
「私いますから」
その笑顔は――
どこか誇らしそうだった。
そして。
アレンは思った。
追放された日。
すべて終わったと思った人生。
だが。
今は違う。
鑑定士。
外れ職。
そう呼ばれた男の物語は――
ここからさらに広がっていく。
⸻
――第9話 完
第9話を読んでいただきありがとうございました!
今回は
・ギルドでの評価
・決闘後の反応
・そしてリリアの“ご褒美”
といった内容でした。
アレンの鑑定能力も、少しずつ街の中で知られ始めています。
これまで「外れ職」と言われていた鑑定士ですが、
実はとんでもない可能性を秘めているかもしれません。
そしてリリアとの関係も、ほんの少しだけ変化が見えてきました。
この二人がこれからどうなっていくのかも、見守っていただけたら嬉しいです。
次回からは、物語の舞台も少し広がっていく予定です。
新しい人物や出来事も登場するかもしれません。
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