第8話 「決闘」
第8話です!
前回、ギルドで元パーティと再会したアレン。
そして今回、ついに決闘という形で直接対決することになります。
「役立たずの鑑定士」と言われて追放されたアレンですが、
遺跡で得た経験と能力によって、少しずつその評価も変わり始めています。
そして今回もリリアは相変わらず楽しそう(?)です。
ギルドの冒険者たちが見守る中、
アレンと元パーティの戦いがどうなるのか――。
ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
もし面白いと思っていただけましたら、
・ブックマーク
・評価(★)
・感想
などいただけると、とても励みになります!
それでは第8話、どうぞ!
ギルドの空気はまだざわついていた。
アレンが元パーティの誘いを断った直後――
ガイルの顔が歪んだ。
「……ふざけるな」
低い声だった。
「何?」
アレンは落ち着いていた。
「俺たちがどれだけお前を育ててやったと思ってる」
「……」
リリアの眉がピクリと動いた。
ガイルは続けた。
「鑑定士なんて外れ職をパーティに入れてやったのは誰だ?」
ギルドの冒険者たちがざわつく。
アレンは小さく息を吐いた。
「その話まだする?」
「当然だ」
ガイルが前に出る。
「だから決めようぜ」
「何を」
ガイルは笑った。
「決闘だ」
ギルドが一瞬静まり返る。
「勝った方が正しい」
「……」
アレンは少し考えた。
すると。
横から声がした。
「受けましょう」
「え?」
リリアだった。
腕を組みながらニヤニヤしている。
「ちょっと」
「いいじゃないですか」
アレンの耳元で囁く。
「ざまぁのチャンスですよ」
「煽るなって」
「楽しみなんです」
完全に面白がっている。
ガイルが言った。
「どうした?」
「怖いか?」
リリアが笑う。
「逆です」
「え?」
「あなた達が可哀想になるだけです」
ギルドがざわついた。
ガイルの顔が真っ赤になる。
「いいだろう!」
「明日の昼!」
「ギルド裏の訓練場だ!」
「逃げるなよ!」
ガイル達は去っていった。
静まり返るギルド。
そして。
リリアがニヤッと笑う。
「楽しみですね」
「俺は全然楽しくない」
「大丈夫です」
リリアがアレンの肩を叩く。
「私いますし」
「いやそれは頼もしいけど」
その時。
リリアがぐっと近づいた。
顔が近い。
「それに」
小声。
「アレン強いですよ」
「俺?」
「遺跡で見ました」
少し意地悪な笑み。
「まぁ鑑定チートですけど」
「それ言うな」
リリアが笑う。
そして。
突然。
「ん?」
アレンの服を引っ張る。
「ちょっと」
「何」
「鎧ズレてます」
「え?」
リリアが直そうとした。
その瞬間。
バランスを崩した。
「きゃっ」
ドサッ。
アレンに倒れ込む。
柔らかい感触。
「……」
「……」
リリアの顔が赤い。
かなり近い。
「アレン」
「はい」
「今触りました?」
「触ってない」
「本当に?」
「事故」
リリアはしばらく黙った。
そして。
ニヤッと笑う。
「まぁいいです」
「助かった」
「でも」
耳元で囁く。
「決闘勝ったらご褒美考えます」
「何の!?」
「秘密です」
リリアは楽しそうに笑った。
⸻
翌日。
ギルド訓練場。
冒険者たちが集まっていた。
「始まるぞ」
「追放された鑑定士の決闘」
ざわめき。
ガイル達が立っている。
そして。
アレンとリリア。
ガルドが腕を組んでいた。
「ルールは簡単だ」
「降参か戦闘不能で終了」
ガイルが剣を抜く。
「後悔するなよ」
アレンは鑑定した。
⸻
【ガイル】
職業:剣士
ランク:C+
弱点:右膝古傷
⸻
「……」
アレンは少し困った顔をした。
「どうしました?」
リリアが聞く。
「いや」
「弱点見えた」
「どこです?」
「右膝」
リリアが笑った。
「終わりましたね」
「いやいや」
決闘が始まる。
「開始!」
ガイルが突っ込んできた。
「うおおお!」
アレンは横に避ける。
そして。
軽く蹴った。
右膝。
「ぐあっ!?」
ガイルが崩れる。
ギルドがざわついた。
「え?」
「今の何だ?」
アレンは困った顔をした。
「ごめん」
「弱点だった」
リリアが笑いをこらえている。
「ぷっ……」
「リリア」
「だって」
肩を震わせている。
ガイルが立ち上がる。
「くそ!」
だが。
足が震えている。
アレンが言った。
「もうやめた方がいい」
「うるさい!」
突っ込んできた。
アレンはもう一度。
軽く。
膝を蹴る。
「ぐあああ!」
ガイルが倒れた。
静寂。
ガルドが言う。
「……勝者」
「アレン」
ギルドが爆発した。
「マジか!」
「鑑定士勝った!」
リリアが腕を組む。
「だから言ったでしょ」
そして。
ガイルを見る。
ニッコリ。
「ざまぁです」
ガイルは顔を歪めた。
アレンは思った。
どうやら――
本格的なざまぁが始まったらしい。
その時。
リリアが耳元で囁く。
「アレン」
「ん?」
「ご褒美」
「何?」
リリアは笑った。
「内緒です」
⸻
――第8話 完
第8話を読んでいただきありがとうございました!
今回は
・元パーティとの決闘
・鑑定による弱点の見抜き
・そしてついに始まった“ざまぁ”
という回でした。
戦闘能力そのものではなく、
相手の弱点を見抜く力で勝つというのがアレンの強みですね。
そしてリリアは相変わらず楽しそうですが、
アレンの能力をかなり信頼しているのも伝わってきます。
次回は、
・ギルドでの正式な評価
・アレンの立場の変化
・そして元パーティの今後
など、物語がさらに広がっていく予定です。
リリアの「ご褒美」の話もどうなるのか……。
もし続きが気になりましたら、
★評価
ブックマーク
感想
などいただけると更新の励みになります!
それではまた次回でお会いしましょう!




