第7話 「今さら戻れと言われても」
第7話です!
街へ戻ったアレンですが、
冒険者ギルドでついに追放した元パーティと再会することになります。
「役立たずの鑑定士」と言われていたアレンですが、
遺跡での出来事や鑑定能力の片鱗によって、少しずつ周囲の空気も変わり始めています。
そして今回、リリアはいつもより少しだけ**煽り気味(?)**です。
ギルドの空気がどう変わっていくのか、
ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
もし面白いと思っていただけましたら、
・ブックマーク
・評価(★)
・感想
などいただけるととても励みになります!
それでは第7話、どうぞ!
ギルドの空気が変わった。
入口に立っているのは――
アレンを追放した元パーティだった。
リーダーの男。
剣士のガイル。
そして魔法使いと弓使い。
「……アレン?」
ガイルが眉をひそめた。
まるで信じられないものを見る顔だ。
アレンは小さく息を吐いた。
「久しぶり」
「なんでここにいる?」
「普通にギルド来ただけ」
周囲の冒険者がざわついている。
「おい」
「こいつら例のパーティだろ」
「追放した鑑定士」
ヒソヒソ声。
ガイルが舌打ちした。
「まだこの街いたのか」
「まぁね」
「役立たず鑑定士のくせに」
その瞬間。
リリアの眉がぴくりと動いた。
「へぇ」
ゆっくり振り向く。
にっこり笑う。
「今、何て言いました?」
ガイルがリリアを見る。
「誰だお前」
「アレンのパートナーです」
腕を組む。
「そして」
楽しそうな笑み。
「あなた達より強い冒険者です」
「は?」
ギルドがざわついた。
ガイルが鼻で笑う。
「Bランクのガキが?」
その時。
後ろから声がした。
「その鑑定士」
ギルドマスター、ガルドだ。
「さっきAランクゴーレムの素材持ってきたぞ」
シン。
元パーティが固まった。
「……は?」
「遺跡で倒した」
ガルドが言う。
「こいつら二人でな」
ガイルの顔が歪む。
「嘘だ」
「嘘じゃない」
リリアが肩をすくめる。
「弱点見えるんですよ」
「は?」
「鑑定で」
魔法使いが言った。
「そんなのあり得ない」
「そう?」
リリアはニヤッと笑う。
「じゃあ試します?」
「何を」
その時。
リリアがアレンの腕を掴んだ。
「アレン」
「ん?」
「この人の剣、鑑定して」
「え?」
「いいから」
ガイルの剣を見る。
鑑定。
⸻
【鋼剣】
ランク:C
状態:刃こぼれ
耐久:低
⸻
アレンは少し困った。
「言っていいの?」
「どうぞ」
リリアが楽しそうだ。
アレンは言った。
「その剣」
ガイルを見る。
「かなり刃こぼれしてる」
「は?」
「あと耐久落ちてる」
「嘘つくな!」
ガイルが叫ぶ。
ガルドが言った。
「貸してみろ」
剣を見る。
そして。
「……本当だ」
ざわっ。
ギルドが騒ぎ出した。
「マジか」
「鑑定当たってる」
ガイルの顔が真っ赤になった。
「ぐ……」
その時。
リリアがアレンに近づく。
そして。
耳元で囁く。
「見ました?」
「ん?」
「完全に恥かいてます」
「煽るなよ」
「楽しいんです」
ニヤニヤしている。
その瞬間。
リリアがつまずいた。
「きゃっ」
ドサッ。
アレンの胸に倒れ込む。
柔らかい感触。
「……」
「……」
リリアが顔を上げる。
近い。
かなり近い。
「アレン」
「はい」
「今触りました?」
「触ってない」
「本当に?」
「事故」
リリアは少し考えて。
そして。
ニヤッと笑う。
「じゃあ」
アレンの耳元で囁く。
「今回は見逃します」
「何を!?」
周囲の冒険者がニヤニヤしている。
「仲いいな」
「恋人か?」
リリアが笑う。
「まだ違います」
「まだ?」
アレンがツッコむ。
その時。
ガイルが叫んだ。
「アレン!」
「ん?」
「戻ってこい」
ギルドが静まり返った。
「……は?」
「お前」
ガイルが言う。
「その鑑定、使える」
そして。
「パーティ戻れ」
アレンはしばらく沈黙した。
そして。
笑った。
「嫌だ」
「……何?」
「追放したの君たちでしょ」
「それは……」
「役立たずって言ったよね」
ガイルが黙る。
アレンは肩をすくめた。
「今さら遅い」
リリアが横で笑っている。
そして。
腕を組む。
「そういうことです」
ガイルを見て。
「今さら戻ってこいなんて」
そして。
少し意地悪な笑み。
「ダサすぎません?」
ギルドが爆笑した。
ガイルの顔が真っ赤になる。
アレンは思った。
どうやら――
ざまぁは。
まだ始まったばかりだ。
⸻
――第7話 完
第7話を読んでいただきありがとうございました!
今回は
・元パーティとの再会
・アレンの鑑定能力の一端
・そして「戻ってこい」という言葉
と、少しずつ“ざまぁ”の空気が漂い始める回でした。
追放された側からすると、
「今さら戻れ」と言われても…という感じですよね。
そして相変わらずリリアは楽しそうですが、
彼女もアレンの能力にかなり信頼を置き始めています。
次回は――
元パーティとの関係がさらに動きます。
ギルドの空気も含めて、少しだけ緊張感のある展開になる予定です。
もし続きが気になりましたら、
★評価
ブックマーク
感想
などいただけると更新の励みになります!
それではまた次回でお会いしましょう!




