第2話 「世界の真価」
第2話です!
追放された鑑定士アレンの能力が、少しずつ明らかになってきました。
そして今回、物語の鍵になる“ある存在”も登場します。
「鑑定」という一見地味な職業ですが、
もし“世界の真価”が見えるとしたら――?
そんなコンセプトで書いています。
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それでは第2話、どうぞ!
夜の森は、静かだった。
焚き火の火が小さく揺れ、その橙色の光が木々を照らしている。
アレンは手の中の石を見つめていた。
ただの石だ。
そう思っていた。
だが――
「……やっぱり見える」
視界の奥に、淡い文字が浮かぶ。
⸻
【魔力鉱石(未精製)】
品質:A
純度:78%
潜在価値:高
用途:魔道具・武具強化素材
⸻
「これが……鑑定?」
アレンは呟いた。
今までのパーティでは、ただ「価値が分かる程度」だと思われていた。
だが違う。
これは――
真価が見える。
品質。
純度。
用途。
そして潜在価値。
普通の鑑定士はここまで見えない。
「……だから外れ職なんて言われてたのか」
アレンは苦笑した。
理由は簡単だ。
誰も信じなかったからだ。
以前のパーティでこう言ったことがある。
「この鉱石はS級素材になる可能性があります」
だが返ってきたのは。
「は?ただの石だろ」
「鑑定ミスじゃね?」
「使えねぇな」
そして追放。
――役立たず。
そう言われた。
だが今なら分かる。
「俺の鑑定は……普通じゃない」
世界の“真価”が見える。
それがアレンの能力だった。
⸻
その時だった。
ガサッ。
森の奥から物音がした。
アレンは反射的に立ち上がる。
魔物か?
だが現れたのは――
一匹の小さな狐だった。
銀色の毛並み。
不思議な輝き。
「……?」
視界に文字が浮かぶ。
⸻
【幻銀狐幼体】
レア度:SS
種族:神獣系統
潜在能力:極大
成長段階:幼体
⸻
「え?」
アレンは目を疑った。
SSレア?
神獣?
こんな森に?
狐は警戒するようにアレンを見ていた。
だが逃げない。
むしろ――
じっと観察している。
「……怪我してるのか?」
よく見ると、足に傷があった。
魔物に襲われたのだろう。
アレンはゆっくり近づいた。
「大丈夫だ」
警戒させないように声を落とす。
狐は逃げない。
むしろ少しだけ近づいてきた。
「やっぱり怪我してる」
アレンは鞄から薬草を取り出した。
以前のパーティで荷物係をやらされていたおかげで、こういう物だけは持っている。
薬草を潰し、傷に塗る。
狐は少し震えたが、抵抗しなかった。
「よし……これで治るはず」
しばらくして。
狐は立ち上がった。
そして――
ぺこり。
まるで礼をするように頭を下げた。
「え?」
次の瞬間。
視界に新しい文字が浮かぶ。
⸻
【契約条件成立】
対象:幻銀狐
契約種別:仮契約
契約者:アレン
⸻
「ちょっと待て」
アレンは思わず声を上げた。
「え、契約?」
狐は尻尾を振っている。
どうやら本気らしい。
「いや、俺そんなすごい奴じゃ……」
狐は不満そうに鳴いた。
そしてアレンの肩に飛び乗る。
「うお!?」
軽い。
そして温かい。
狐は満足そうに丸くなった。
「……ついてくる気か?」
「コン」
短い鳴き声。
肯定だった。
アレンは苦笑する。
「まぁ……一人よりはいいか」
追放され。
行く場所もない。
だが――
肩の狐が小さく鳴いた。
まるで言っているようだった。
お前は役立たずじゃない。
そう。
アレンはもう知っている。
自分の能力を。
「よし」
立ち上がる。
焚き火の火が揺れる。
「まずは街に行くか」
鑑定。
それが役立たない職業?
そんなわけがない。
もしこの能力が本物なら――
世界中の宝を見抜ける。
秘宝。
伝説の武具。
失われた遺産。
そして。
世界がまだ気付いていない価値。
アレンは歩き出した。
「俺の鑑定がどこまで通用するか……試してみるか」
肩の狐が尻尾を振る。
その時。
アレンの視界に森の奥が映った。
鑑定が反応する。
⸻
【古代遺跡(未発見)】
価値:SSS
発見者:未定
⸻
「……は?」
アレンは固まった。
「いやいや」
森の奥を見る。
ただの岩場だ。
だが鑑定は言っている。
SSSの価値。
つまり。
世界級の秘宝がある。
まだ誰も知らない。
「……マジか」
アレンは笑った。
さっきまで追放された男が。
今。
世界級の秘宝の入口に立っている。
「面白くなってきた」
狐が鳴く。
まるで同意するように。
そしてアレンは森の奥へ歩き出した。
まだ誰も知らない。
この日。
一人の鑑定士が。
世界の真価を暴き始めたことを。
第2話を読んでいただきありがとうございます!
今回は
・鑑定能力の正体
・神獣の幼体
・そして未発見の古代遺跡
と、物語が動き出す回でした。
次回はついに
**「古代遺跡探索編」**に入ります。
鑑定士だからこそ見える
隠された罠、秘宝、そして世界級の財宝――
アレンの能力が本格的に無双し始めます。
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それではまた次回お会いしましょう!




