表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/15

第10話 「貴族令嬢」

第10話です!


前回の決闘をきっかけに、アレンの名前は少しずつ街の中でも知られるようになってきました。

そして今回、そんなアレンの前に現れたのは――一人の貴族令嬢。


どうやら彼女は、アレンの鑑定能力に興味を持っているようです。

新しい依頼、そして新しい出会いによって、物語も少しずつ広がっていきます。


そしてリリアの様子も、いつもと少しだけ違うかもしれません。


もし面白いと思っていただけましたら、


・ブックマーク

・評価(★)

・感想


などいただけると、とても励みになります!


それでは第10話、どうぞ!


 翌日。


 冒険者ギルドは、いつも以上に騒がしかった。


「おい見たか?」


「昨日の決闘」


「鑑定士が勝ったやつだろ?」


「弱点見抜いて一瞬だった」


 ざわめきが止まらない。


 その中心にいるのは――


 もちろんアレンだった。


「……落ち着かない」


 アレンは椅子に座りながら呟いた。


 視線が痛い。


 完全に有名人だ。


 リリアは楽しそうだった。


「いいじゃないですか」


「英雄ですよ」


「いやそれは言いすぎ」


「言いすぎじゃないです」


 リリアが笑う。


「ギルド中が噂してますよ」


「鑑定士が決闘で勝ったって」


 アレンは頭を抱えた。


「面倒なことになりそう」


「もうなってます」


 リリアが肩をすくめた。


 その時。


 ギルドの扉が開いた。


 ドン。


 重い音。


 そして――


 静まり返る。


 入ってきたのは、一人の少女だった。


 長い金髪。


 白いドレス。


 そして高貴な雰囲気。


 明らかに冒険者ではない。


 周囲の冒険者がざわつく。


「貴族……?」


「なんでギルドに?」


 少女はゆっくり歩いた。


 そして。


 アレンの前で止まる。


「あなたが」


 透き通る声。


「アレンですか?」


「え?」


 アレンは首をかしげた。


「そうだけど」


 少女は優雅に頭を下げた。


「私はエルミナ」


「エルミナ・ルーヴェルトです」


 ざわっ。


 ギルドがざわめく。


「ルーヴェルト!?」


「伯爵家だぞ」


 リリアが小声で言う。


「……大物です」


「え」


 アレンが固まる。


 エルミナは微笑んだ。


「あなたの噂」


「聞きました」


「鑑定士でありながら、弱点を見抜いて戦うと」


「まぁ……そんな感じ」


「ぜひ」


 エルミナが言った。


「私の依頼を受けてください」


「依頼?」


「古代遺跡の調査です」


 アレンは少し驚いた。


 リリアがニヤッと笑う。


「また遺跡ですね」


「運命かも」


 エルミナが続ける。


「もちろん」


「報酬は十分に用意します」


 そして。


 少し近づいた。


「あなたの能力」


「とても興味があります」


 その距離。


 かなり近い。


 アレンは少し困った。


 その瞬間。


 ぐいっ。


 腕を引かれた。


「……」


 リリアだった。


 アレンの腕にぴったりくっつく。


 柔らかい感触。


「アレン」


「ん?」


 小声。


「距離近すぎです」


「俺のせいじゃない」


「でも嫌です」


「何が」


「なんとなく」


 完全に不機嫌だ。


 エルミナはそれを見て微笑んだ。


「なるほど」


「パートナーさんですね」


「はい」


 リリアは胸を張る。


「アレンの相棒です」


 そして。


 少し挑戦的に言う。


「遺跡なら」


「私も行きます」


 エルミナは少し驚いた。


 だが。


 すぐに笑った。


「もちろん」


「歓迎します」


 そして。


 アレンを見る。


「あなたの鑑定」


「ぜひ見せてください」


 その時。


 ギルドの奥で声がした。


「くそっ……」


 ガイルだった。


 元パーティのリーダー。


 顔が歪んでいる。


「貴族が……あいつを……」


 仲間が言う。


「俺たちの仕事」


「減ってるぞ」


「昨日の決闘のせいだ」


 ガイルの拳が震える。


 アレンはそれを見て。


 少しだけ思った。


 どうやら――


 ざまぁは。


 まだ続くらしい。


 その時。


 リリアが小声で言った。


「アレン」


「ん?」


「新しいヒロイン来ましたね」


「何それ」


「でも」


 リリアはニヤッと笑う。


「負けません」


「何の勝負」


「秘密です」


 そして。


 アレンの腕をさらに抱き寄せた。


 柔らかい感触。


 かなり近い。


「ちょっと」


「いいじゃないですか」


 リリアは楽しそうだった。


 そして。


 アレンは思った。


 鑑定士。


 外れ職。


 そう呼ばれた男の人生は――


 もう。


 普通には戻らない。


 次の冒険が。


 もう始まっているのだから。



――第10話 完


第10話を読んでいただきありがとうございました!


今回は


・街で広まり始めたアレンの噂

・貴族令嬢エルミナの登場

・そして新しい遺跡依頼


と、物語が少し大きく動き始める回でした。


新キャラクターのエルミナですが、

彼女が今後アレンたちにどんな影響を与えるのかも見どころの一つになっていきます。


そして、そんな様子を見ているリリアも少し複雑そうですが……

この二人の関係がどうなっていくのかも、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。


次回からは、新しい遺跡調査の話も動き出していく予定です。

アレンの鑑定能力が、さらに活躍する場面も増えていきます。


もし続きが気になりましたら、


★評価

ブックマーク

感想


などいただけると更新の励みになります!


それではまた次回でお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ