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未知なる異文明

森の奥深く、光線の狂騎士ダークレイはまた、宛もない旅を始めようとしていた。


「身体の調子もだいぶ元に戻ったようじゃないか?」


その背中に声をかけるのは老人とは思えない体躯をした老人だった。


「………なんの用だ」


ダークレイは振り返らず、尚且つ少しめんどくさそうな声色で言葉を返す。


「おいおい、その反応はあんまりじゃないか、……見送りぐらいさせておくれよ。」


老人はわざとらしく肩をすくめる


「チッ……必要ねぇよ……」


「ハッハッハッ!1ヶ月も滞在していたが、結局その態度は全く変わらんかったな!」


豪快に笑う老人とは対象的に、ダークレイは先程よりうんざりした様子を見せていた。


「変える必要がねぇ」


「まぁいいさ、貴様のお陰でワシの"城"もだいぶ豪勢になったからな!」


そういう老人の背後には、まさに城というに相応しい建造物が建てられていた。


「………リハビリのついでにやっただけだ、勘違いするな…。」


「わかっておるわ、お前が素直じゃないことぐらいな」


「なっ………!本当に違う!勘違いするなと言っているだろう!」


甲冑を被っているから判らないが、恐らく照れているダークレイ


「ハッハッハッ!まぁそんなことはどうでもいいではないか!」


またもや豪快に笑う老人に、ダークレイも冷静さを取り戻し


「……そうだな、もうテメェと関わることもねぇだろう………」


「それはどうかな?案外、世間は狭いものだよ。」


「……………意地でも関わらねぇ」


そういうと、ダークレイは舌打ちと共に森の奥へと消えていった。



そして老人一人、残された三日月の夜に



「………それが叶えば…いいのだがな…。」


そうポツリと、言葉を溢した。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー






一方その頃リオネ達は


リオネは畑の様子を見に


シオウは獣狩りに


亜太郎達は晩飯の調理に取りかかっていた。


「いやー…流石に1ヶ月も経つと、ここの生活にも慣れてきたなぁ………風呂が一週間に一回だけという事を除けば……」


ふと、今日の晩飯の下ごしらえをしている亜太郎がそう話し出す


「ご主人の世界じゃあ毎日入るのが当たり前だったもんなぁ、そら辛いわな。」


それに応えるように、亜太郎の使い魔、トリテンも話に加わる


それが亜太郎の心によくない火をつけた


「それに!何よりここは男しかいねぇ!なんでだよ!異世界転生なのになんで男三人+αで生活しないといけないんだよ!!」


「ご、ご主人?」


唐突に叫びだす、その声には悲哀と怒りが込められていた。


「だいたい最近の異世界転生モノはハーレムが定番だろ!!?なぁんで俺だけ例に漏れて、こんな不自由で訳わからん世界に送り込まれなきゃいけないんだぁ!!」


「アカン!ご主人の1ヶ月につもりに積もった不平不満が、この生活に慣れて気が緩んだ今、爆発してもうた!!」


亜太郎の爆発は止まらない、火薬庫の爆弾ひとつに火が付いてしまえば、他の爆弾の連鎖して爆発するように。


「百歩譲って異世界転生特典がサボテンなのはいいよ!!?普通に有能だし融通が利くし親しみやすいし!!でもなぁんでなんもない野原にほっぽり出したんだよ女神サマはよぉ!!あれあのままシオウさんが助けに来てくれなかったら俺達化け物に喰い殺されて、女神サマへの即刻二度目のご対面になるとこだったんですけど!!?なに?Mなの!?女神サマドMなの!!?じゃなきゃ何故俺はリオネ宅前じゃなくて徒歩4時間以上離れた野原に転生させたんだこのクソ女神ー!!!!」


「『実際、キミがヘトヘトになりながら獣に追いかけられてる所はかなり滑稽だったよ』…っていう天啓が来ましたわ、ご主人。」


ドM女神だった。


「ど畜生女神が……なんでそれで女神やれてるんだよ…」


亜太郎はげっそりとしながらも、言いたいこと言えてなんだかすっきりした気がした


「随分と騒がしかったようだけど……なにかあったのかい?」


そこに、ちょうど獣狩りを終えたシオウが帰宅してくる。


「あっ、シオウさん…!うるさくしちゃってすみません…」


「いや、構わないさ、私も昔の仲間を見ている気分で、なんだか懐かしい気持ちになれたしね。」


「………」


少しもの悲しげにそう語るシオウの顔を見て、亜太郎は興味を惹かれた。


「ん?どうしたんだい?」


「いや、シオウさんの昔の仲間って……」


ズガアァァアン!!!!


亜太郎が言い終える前に、地響きと共に謎の衝撃が鳴り響く


「「「!!?!?」」」


「な、なんだ!?今の音!?」


「家の真ん前にごっついなんかが落ちて来たみたいや!ご主人!!」


主人である亜太郎の問いに、瞬時に応えるトリテン


「ごっついなんかって!!?」


「ごっついなんかや!!確認してみないことには何が落ちたかわからへん!」


しかし、情報はあやふやだった


「危険なものかもしれない、私が確認しに行こう。アタロウ君達は部屋で待機していてくれないか。」


「わかりました!」


亜太郎達はシオウの言葉に従い、部屋の隅で丸くなった。




家の前には、そこそこ大きいクレーターが一つできていた


土煙でクレーターの中心になにがあるかわからず、シオウは警戒しながらもそのクレーターへと足を運ぶ


「…一体何が...……っ!」


様子を確認しようとするシオウに対し、土煙から刃が突き出る


間一髪で回避したシオウは、バックステップしてその場から離れる


…時期に土煙が消え、そこに姿を現したのは……


「………」


全身を包む、ボディラインがわかるぐらいのスマートな鎧には、白を基調とし、ピンクと緑のディテールが施されており所々損傷し、火花を散らしている


背中には羽を捥がれた翼のような骨組みがあり


先程突き出してきた刃は、雷のように光輝き


顔部分はフルフェイスのヘルメットのようなもので覆われ


人か人型の機械か見分けがつかないような見た目をしていた


「…いきなりくるとは、穏やかじゃないな…」


シオウはあくまでも敵意がないように見せる為、物腰を柔らかく、話しかけてみる。


「黙れッ!貴様……何故ここに…!」


その声は機械を通した無機物的な声だったが、それでも怒りを読み取れるほどの迫力があった。


「………?なんのことだ?キミとは面識がない筈だが………」


一方シオウは困惑していた、会った覚えのない人物に因縁をつけられたからだ。


「ッ!……!!!!……………白々しいんだよッ!!」


その態度に腹を立て、シオウめがけて刃を振り下ろす。


シオウは間一髪で避ける事に成功したが、刃が当たったシオウのマントの端が焼き焦げる


「くっ!(どうやら酷く錯乱しているようだ、それにあの剣……早く勝負をつけないとやられるのは私か…。)」


続けざまに振り下ろしてくる刃を避けながら、シオウは呪文を詠唱する


「すまないが、一旦気絶してもらう"電染〔エレテーション〕"!」


そうして現れた電気の糸が、鎧の損傷部分に潜り込み、内側へ電気を浴びせる。


「ぐあぁぁああぁぁあっ!!!」


苦痛の雄叫びをあげる………が、直ぐにまた、刃をシオウに向ける


まだ痺れが残っているのか、微妙に震えている


「なに……ッ!私の魔法が効いていない…!?」


その様子に驚愕するシオウ


「…あークソッ!なんだよこのビリビリするやつ…!小賢しい手ぇいちいち使いやがって!もういい殺す!」


シオウが驚いている隙に、すでに身体の震えも止まっていた。


「素で耐えただと……!?いや、ここは異世界だ、こっちの世界の常識は通用しない……か。」


そう、自分自身に言い聞かせるようにして、冷静さを取り戻す


「なに訳わかんねぇこと言ってんだ!!あーうぜーうぜー!ぶったぎってやる!!」


そういうと、刃を天高くかざす、手に持っている刃が更に光をまし、瞬く間に十倍程の大きさへと変貌する。


しかし、シオウはこの状況でも冷静だった。


(まずまともに喰らったら死ぬか……あの刃は未知数、魔法で受けるよりも相手の剣を降る瞬間を見逃さずに避けるか……!)


既にこの刃を攻略する算段を建てていたが、そこで一つの予想外の出来事がおこる。


「なにがあったんですか!?家の辺りですっごい物音がしたので急いで戻って来たんですけど………」


リオネが来てしまった。


「!リオネッ!来るな!!」


反射でリオネの声に反応し、リオネに警告をする


「シオウさ……!!」


シオウがリオネに気をとられた一瞬の隙


リオネの声が届く間もなく


その巨大な刃は


シオウの頭上へと振り下ろされた

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