夜を纏う一筋の閃光
深夜、曇天により月や星は完全に覆われ、完全なる闇が立ち込めていた。
そんな森の中、亜太郎の他にこの世界へと来訪せし者がいた。
「……フン」
その男、全身を黒く禍々しい鎧で覆い、片手には光を一切受け付ない漆黒のランスが握られていた。
彼の名はダークレイ、闇夜を纏う狂騎士
ダークレイは歩く、ただひたすら、ある一人の男を求め。
「大魔導士シオウ……一体どこへ行きやがった……!」
当の本人は今頃カレー(もといパデュウ)を腹一杯食べて気持ちよく寝ているだろうが、ダークレイはそれを知るよしはない。
約2日間、ろくに食事もとらずにただ、宛もなくシオウを探し森を彷徨っている。
ドドドド………
地面から微かに振動を感じる、その揺れは段々と大きくなり、こちらへ迫ってきた。
ダークレイが視線を向けた時には、もうすでにこの結構広いけもの道を埋め尽くす程の人影が迫っていた。
「………ちっ……」
それは、首のないゴリラ達だった、なにやらそれぞれ石塊を抱え、とてつもない勢いでダークレイへと迫ってくる。
ダークレイがランスを構える、返り討ちにするつもりらしい。
だが、ゴリラは重い、それこそ、百何十体もが、石塊を背負っているとなると、そのそう体重は計り知れない、それが全身の筋肉を使って駆けているということ、
それはさながら蒸気機関車の様であった
それを知ってか知らずか、ダークレイは避けず、ランスを構えたままだ。
そして、遂にダークレイとゴリラが接触する。
途端、激しい衝突音が鳴る
そして、ダークレイが空へと打ち上げられ
そのまま地面へ頭から衝突し、グキッという鈍い音と共に、彼は動かなくなった
闇の光線 ダークレイ…暗闇の中から獲物を狙い、光のように早い槍捌きで攻撃を仕掛ける事から、その異名が付けられた名もなき謎の騎士、彼もシオウ同様、転移の際に1つ、とても大事な1つの事を忘れてしまっていた。
そう、彼は
これまでに培ってきた戦闘技術の一切の記憶を、忘れていたのであった。




