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転生先で一番最初に作ったのは黒歴史でした

目が覚めたら、そこには見知らぬ天井が広がっていた


「……ここどこだ…?」


重い身体を起こし辺りを見回す、自分が寝ていたマットレスの他に、様々な家具が雑多に置かれている


おそらく物置き部屋だろうか


「なんでこんな所で寝てるんだ俺は……」


意識が途切れる直前の記憶では、暫定異世界の森の中にいた筈だ


それが目を覚ましたらここだ


「…一体なにがどうなってるんだ」


困惑と驚愕でいっぱいいっぱいの気持ちをなんとか落ち着かせようと、深呼吸をする


「ふぅ……落ち着け亜太郎、落ち着いて思い出すんだ…」


自分に言い聞かす様にそう呟きながら、先日の記憶を呼び起こす


ーーーーーー


話は……そう、モンスターに襲われてる所を、シオウさんがなんかかっこいい魔法っぽいなんかで俺達を助けてくれた所まで遡る


「…私の名はシオウ、キミ…いや、キミ達は……一体何者なのかな…?」


尻もちをついて唖然としていた俺に、シオウさんは手を差し出してくれた


俺は暫く、ぽかんと口を開けたままシオウさんを見つめていた


「…ご主人!」


そんな俺に、トリテンが小声で呼びかける


「…!あ、ありがとうございます……亜太郎です…雨野、亜太郎…」


その声で我に帰った俺は、助けてくれた感謝と自分の名前を述べながら、シオウの手を取る


「ワイはご主人の使い魔、トリテンや!以後よろしく頼むで!」


俺が名乗った後に続き、トリテンも自己紹介する


「なるほど、アマノアタロウ君とトリテン君だね、その服装や、名前からして……君も異世界からやってきたのかな?」


シオウさんが俺の身体を(正確には服を)じっと見た後、ずばりと今の俺の状況を言い当てて来た


「君も…って事は、もしかしてシオウさんも……?」


異世界転生した事を言い当てられて驚愕したが、それ以上に、シオウさんの気になる言い回しが気になる


「あぁ…私も異世界から来たんだ、…まぁ、そこら辺詳しく話すと長くなる……一旦君達を安全な所まで避難させて貰うy」


言い切る前に唐突にぶっ倒れるシオウさん


あまりにも急すぎる展開に困惑する


「ど、どうしたんですか!!?シオウさん!!」


しかし、ただ困惑してる訳にはいかない、急いでシオウさんに駆け寄り、声をかける


「………急に全身が痛い…………身体が動かなくなってしまった…」


首だけを俺に向け、酷く青ざめた顔で自身の状態を詳細に語るシオウさん


「……えぇ!一体どうして…!」


どうするべきかとあわあわしていると、急にトリテンが


「天啓!!」


と叫ぶ


「うお、どうした急に」


「なんか急にシオウはんが倒れた理由が女神様から流れ込んで来たわ」


女神、現状一番理解しがたい存在の名前が出てくる


「えぇ…なんで俺じゃなくてトリテンに来るんだよ…回りくどいな…」


「まぁいいや、どういうことか説明してくれ」


しかし、そんな細かい事より今シオウさんが置かれている状況のほうが気になるのでスルーする


「……私も興味があるね」


シオウさんにも原因がわからないらしく、トリテンへ耳を傾ける


「どうやらこの世界に漂う魔力が、シオウはんの元いた世界と魔力の構造が異なってるせいで、慣れない身体で魔力を使いすぎると細胞が破壊されて極度の筋肉痛にさせるっぽいんや (亜太郎を転生させた女神の情報網より引用)」


魔力のくだりはよくわからなかったが、まぁとどのつまりはただの筋肉痛ということを知って、少し安心する


「……なるほどね、確かにここの魔力は元居た世界とは違うように感じていたが……、このような影響があるとはね」


その点シオウさんは、しっかり理解と納得をしていた


「……トリテン、お前なんか今後もこんな感じで解説役になりそうだな。」


「否定できへんなぁ」


「……そういうことなら、私がシオウさんをおんぶしますので、シオウさんはどこへ行けばいいのかナビしてください」

 

シオウさんには命を助けてもらった恩がある、少しでもそれを返す為に、俺が出来る事をしようと思い、そうシオウさんへ提案する


「…すまない、初対面なのにそこまでしてもらって……」


申し訳なさそうにするシオウさんの謙虚さに感心するが


「いや、そもそもシオウさんが助けてくれなかったら、私達は死んでたかもしれないですし…」


そういって、シオウさんを背負う、そして一秒で理解する


無理だと


「あっ、意外と筋肉しt…」


その重量に俺は押し潰される


「あ、アマノアタロウ君!!?」

「ごしゅじーーん!!!?」


二人の驚愕の声を聞きながら、俺の意識は完全に途絶えた


ーーーーーーーーー


しっかりと思いだし、その内容を反芻する


そして至った結論は


「つまり俺はかっこつけようとした結果二人に迷惑を掛けてる……?」


途端に、羞恥心で顔が赤くなる


「恥ずかしすぎる……!」


亜太郎は、その赤い顔が収まるまでの15分間、物置き部屋から出る勇気が湧かなかったのであった

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