優しいひとほど
フリーデが取り巻きを利用してアンナをイジメていると噂が流れていた。
大体は嘘だと思っているので、フリーデを心配する声が多いが、噂を信じた男子生徒の許婚の女子生徒が幻滅してしまい許婚関係の解消するのが流行ってしまった。
嫌な流行り方をしたなぁとフリーデは思いながらも何もできないけど思っていた。
「フリーデさん!!」
ペトラがフリーデのクラスに入ってきた。
「バルヒェット様が暴れてます!」
「暴れてる?」
温厚で優しいランツェが暴れることなんてフリーデは想像できない。
ランツェのクラスに頭の中を?にしながらフリーデは行くと、見たことのない景色があった。
男子生徒の胸ぐらをつかんで足を床から離れさせ苦しそうにもがいているのを睨みつけたランツェ。
昔からの友人も止めに入っているが、怪力のランツェを止めることができないようだった。
「もう一度言ってみろ」
「あ、あ、」
「もう一度言ってみろ」
ランツェはそう言い続けるだけで離さない。
「ランツェ!!」
フリーデが叫ぶとランツェは手を離した。
地面に叩きつけられた男子生徒は息を整えるとフリーデを睨みつけた。
「フリーデ・ボルンマン!!お前は悪女だ!お前のせいで許婚関係が解消されてしまった!」
「お前があの女の事に肩入れし過ぎたからだろ!」
とランツェは男子生徒を怒鳴りつけた。
「ランツェ・バルヒェット!もう一度言う!フリーデ・ボルンマンとの許婚関係は解消しろ!」
「黙れよ」
ランツェは低い声で男子生徒を睨みつけた。
「フリーデのこと何も知らないくせに変な女のことばかり信じて、自分勝手も良いところだろ」
とランツェがそう言うと男子生徒はランツェの睨みにがくがくと震えていた。
今までのランツェは心穏やかな男子生徒でここまで激怒したのは長年親密な許婚の関係を持っていたフリーデさえ知らなかった。
「あなたの言いたいことはよーく分かりました」
フリーデは男子生徒に向かっていった。
すると、ランツェに近づかないように腕で静止された。
「自分の不甲斐なさを私に向けたいのですね」
「違う!!」
「あなたがこうしてる間にも許婚相手、元でしょうが幻滅してるでしょうね」
「たかが女が何を言う!」
「そのたたが女だと思ってるからそういう事になるんでしょうか?」
と男子生徒と言い争っているとランツェが
「フリーデがたかが女なら男のお前なら俺の拳本気で受けられるよな?」
といつものランツェのような言い方でいつもは言わない言葉を言った。
そして拳を思い切り引くと男子生徒は腰を抜かしながら這いつくばるように逃げていった。
ゴミを見るようにフリーデは男子生徒を目の前から消えるまで見てから、顔を心配した顔をして
「ランツェ大丈夫でしたか?」
とランツェを気にしていた。
ランツェはいつものようにのほほんとした笑顔で
「大丈夫、一度殴っておいたほうが良かったな」
「そんなことしたら罰則あります」
ランツェにそう言って腕に抱きついた。
「いや、そんなことしたらあの男の顔の骨粉々になってる」
「殴ったら分厚い鉄板をへし折るからなランツェ」
とランツェを抑えていた友人2人が遠い目をしながらツッコミを入れた。
改めて聞いてみると、逃げ出した男子生徒はやはり自分が許婚関係を解消されたのは私のせいにして関係を解消したほうがいいのではと軽く言った。それでランツェの怒りを買ってしまったようだ。
ランツェは大きな身長と筋肉があるが顔はとても優しそうで性格もおっとりしていて周りからは怒らないヘタレだとも思われていたが、その認識を生徒や教師でさえ改めた。