宣戦布告と受け取ります
「ご両親が決めたランツェくんの許婚のフリーデさんですか?」
裏庭のベンチに座りサンドイッチを握りしめたフリーデはこのアンナとかいう庶民の女子生徒を敵対心をもち、ライバルだと認定した。
「両親が決めたといっておりますが、ランツェは大切に思っております」
とフリーデはニコッと微笑んで怒りを抑えながら淑女を忘れないように対応した。
「ランツェくんを大切に思ってる同士お友達になりませんか?」
とアンナは笑いながら聞いてきたが、
「せっかくですが、私はランツェを友人を作る道具にはしたくないです」
とフリーデは口元をハンカチで押さえてランチボックスを食べてた途中で閉めた。
「道具なんて!ランツェくんのことそんなこと思ったことないです!」
とアンナは叫んでいたがフリーデは不機嫌を隠して無視しながら優雅に歩きだした。
フリーデにとってランツェは特別な存在である。
幼い頃、淑女教育を頑張っても褒められなくて泣いていたら、「がんばりやだな」とランツェは唯一、褒めてくれたのをきっかけに父に頼み込みランツェの許婚同士になった。
苦手だったお菓子作りも今ではランツェが美味しいとよく食べてくれるようになった。
お弁当もランツェ好みの味に作れるようになった。
裁縫も破けたときメイドよりランツェはフリーデを頼む。
フリーデはランツェのためなら何でもするのだ。
クラスで一人ぼっちになってもフリーデは大丈夫であった。
しかし、学園長の話を思い出して、みるとアンナという女よりフリーデが劣ってるものがあるのではないのかと思った。
それは別のクラスにさせられた理由である。
ランツェがいればフリーデは何もいらなかったのだ。
それではだめだと社交性を学ぶために別のクラスにさせたと説明された。
そうか社交性が足りないのかとフリーデは思った。
隣の席にいる令嬢のところに歩いていった。
「お友達を作るのにはどうしたらいいのかしら?」
とフリーデは話しかけてみた。
「まずは自己紹介かしらね?わたしはエレーナ」
「わたしはフリーデです」
「知ってる深窓の令嬢として有名よ?フリーデ・ボルンマンさん」
エレーナにそういわれてフリーデは頭をかしげた。
「ボルンマン家の令嬢があの槍騎士のランツェ・バルヒェットと許婚なんて不思議だと言われてたわ」
エレーナの言葉にますます不思議に思った。
「それは、私が社交性がなくランツェと許婚なのが相応しくないということなのでしょうか?」
アンナと楽しいそうにしているランツェのクラスで見てから胸が痛んだ。
「そうじゃないわ貴女は悪くないわ」
エレーナはそう言って否定した。
「社交性なら今から身につければいいのよ」
とエレーナはそう言った。
その言葉にフリーデは自信なく頷いた。
エレーナは交友関係は主に女性が多く特に許婚がいる女子生徒が多くデートスポットや情報通の女子生徒だった。
次の日、エレーナに放課後に許婚のいる令嬢の女子生徒が集まるお茶会に行こうと誘われて是非行かせてと言い、受け入れたフリーデだか少し不安だった。
なんせ同じ世代の女の子と会話することはとても久しぶりだったからだ。
放課後にランツェのエスコートで馬車に乗り、下校途中の馬車でランツェにエレーナという友達ができたことを言うと
「よかったじゃねーか友達できて」
とエレーナのことを喜んでくれて手を撫でてくれた。
お茶会に誘って貰えたこともいうと
「フリーデは頑張り屋だから無理だけはするな」
と頭を撫でたランツェはフリーデの不安そうな瞳に目を合わせてそう言った。