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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
六章 武人の領土~タチマチヅキとモチヅキ領~

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四話 研究者は皆強い

「健一さん?何をされているのですか?」

 ミヤビが俺の手元を覗きながら聞いてくる。俺は今、領主の家でモチヅキの手入れの真っ最中だった。モチヅキも今まで綺麗にされた事が無かったのかもしれないと鍛冶屋を見ていて思った。だから、モチヅキにヘッドセットになってもらって手入れをする事にした。

 俺が使っていたのと同様で革製品だから、布なんかでふき取ってあげて汚れを落とす。オイルはマルカに頼んで取ってきてもらった物を塗りこんでいく。塗り込んだら、風通しの良い所で…放置!これでオッケー。そうだ、イヤーパッドの所なんかもふき取ってあげないと。

「なるほど、こういう所が大事なのですね?」

「うん、そうだね。所で…なんでこの領地だけ魔物が多いんだろうね?」

「そうじゃの…これは色々絡み合っておるのじゃ。」

 実は魔物の多さは元々この土地由来の物ではない。色々な土地から逃げ込んできたり、繁殖したりで数を増やしているのだとか。それだけならここまで数は増えない。もう一つの問題は狩人がここまで狩をしに来ない事。武人族の領地にギルドは無いから、わざわざ持って帰らなければならない。それが手間と言う事で狩場としては認知度が低い。

 そして、これが一番の大きな問題。武人族は狩を出来ないというのと、武器を扱う事が出来ない。自分たちが武器だからというのもあるが、意志を持つ代わりに武器を扱う事が出来ないのだ。振るう事も、持つ事も不可能。だから狩が出来ない、狩人も来ないの二重パンチで魔物が増加している。

「はぁ…そういう事だったんですね」

「魔物達はわっち達を認識しないのじゃよ。だから増えても問題は無いのじゃが…」

「いざ、鍛冶屋なんかが来るってなった時に不便ですよね?」

「そうじゃ、だから困っておるのじゃよ。」

 タチマチヅキは溜息を吐いて俯いた。どうすればこれを解決できるだろうか?鬼人族の領地はかなり近いけれど…モチヅキは鬼人族には技が無い、と言っていたし。それでも、鬼人族が振るう事が出来るのなら、一時的に協力関係なんかを築く事ぐらいは出来ないだろうか?

「一時的に鬼人族と協力関係なんかは…?」

「あれはの…意思の問題なんじゃよ。」

 力任せに振るう事が本質ではない、だから鬼人族が振るうと武人族はすぐにぽっきり折れてしまうのだとか。全ての武人族に共通する事は、技に重きを置き、意思がある。この二点なのだろう。そうだなぁ…技か。鬼人族は力が特徴な種族だから…技を磨く事はあまりしないだろうな。それなら他の種族だとどうだろうか?

「魔人族とか他の種族はどうですか?」

「他の種族なら何とかなるじゃろな?けど、ここに住むかの?」

 そうか。ここに住まないと、この問題は解決しない訳か。この問題は一筋縄では解決しないのだろうな…。しかし、支障がないなら今の所は放置していても問題は無さそうだ…と言いたいけれど、それでも…誰か使い手が…使い手?そうだ、鍛冶屋が居るじゃないか!

「ナイルとかどうですか?」

「ほお、彼女が良ければそれでもいいかもしれぬの?」

「多分…やってくれるんじゃないですか?」

 俺はモチヅキに人型の形態を取るように指示して、そのまま鍛冶屋に向かう。鍛冶屋の前は行列がはけていて、ナイルが外に出ていた。いや…こんな少女に戦闘をさせていいのだろうか?彼女がやりたいと言ってくれるなら…それでもいいかもしれない。

「あの、もしよければ狩とかしませんか?」

「狩ですかぁ?しますぅ!ストレス発散に丁度いいんですよねぇ!」

 ナイルは喜んで飛び上がっている。一応…好きな事をしていてもストレスは溜まるんだ?あ~…でも分からなくないよな。好きだからやってても、負荷が掛かっている事は自分で分かるし…。周りは好きな事やってるんだからいいでしょ?何て当たり前に言ってくるし。

「じゃあ…この領地の好きな武人族を相棒に選んでください」

「えぇ?貴方がそれを言っていいんですかぁ?」

「わっちが許可を出しておるでな?いいんじゃよ」

「わぁ!じゃぁ…そうさせてもらいますぅ!」

 ナイルは一目散に駆けていく。まるで、言われる前に既に決まっていたかの様に。しばらくして、戻って来た時には左手に武器を持っていた。片手で持てるぐらいの槌だ。なんていうか…武器って言うより、工具?ナイルは満足そうに頬ずりしながら”これがいいんですぅ…肉が凹む様が見れますぅ!”と言っている。笑顔で言うセリフじゃない?!

 ナイルと一緒に平原に移動する。ナイルは平原に移動する間にも、槌をぶんぶん振り回して”行きますぅ!”と言っている。多分…漢字が違う…相手が逝きますぅ…。平原に着いてからのナイルは圧巻だった。魔物を見つけ次第、次々と槌でぶん殴っていく。肉が凹むって言うか…地面ごと凹んでる。でも、素材だけは絶対に回収している。なんだろう…研究者の性なのかな?

「ふぅ…すっきりしましたぁ!それにぃ…こんなにたくさんの素材が回収できましたぁ!」

 あぁ…良い笑顔してるけど…血まみれだし、素材を持っているから怖い!!

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