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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
六章 武人の領土~タチマチヅキとモチヅキ領~

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三話 幸運

「ふむ…ここまでだとは思わなかったの?」

 領主宅に帰り、ヘッドセットになったモチヅキを見つめながらタチマチヅキと話す。俺にとっては剣よりもヘッドセットの方が生命線なのだ。あの時はテンションが上がって、そのまま狩にモチヅキを連れて行ってしまったのだが。外して手元で観察してみると、日本で使っていたヘッドセットそっくりだ。全体的に黒色で、パッドの部分が大きく、右のスピーカー部分の下側からマイクが伸びている。

「本当にすごいな」

 俺は見つめながら全体的に触って確認する。すると、急にモチヅキがポンと人型の形態に戻ってしまった。あ、もしかしてくすぐったかったのだろうか?武器になったとしても…感覚は残ってしまうのかもしれない。気を付けなければいけないかな?

「我は、初めて楽しいと思った」

「そうですか、それは良かったです」

「お前様の実況とやらも、聞いていて楽しかった」

「本当ですか?はぁ…良かった。」

 モチヅキはそれを言ったら黙って俯いてしまった。何かを考えているのだろう。俺は何も言わずに、見守る事にする。モチヅキが顔を上げて”我は生きる事にした、早急に手入れを受け入れる”とタチマチヅキに話す。二人して笑顔になり、その場で頷きあっていた。

 寿命問題は解決…と言いたい所だけれど、ここで手入れを行うには知識が必要だ。それぞれの武器に合わせて手入れを行う事、これが必須条件。俺は鍛冶屋では無いからそれは無理だ。ミヤビやシュエリ、マルカにメェルにもそれは無理だろう。きっとここの住民は錆び付いたりしてしまっていると思うから、俺らが普段から行う手入れだけでは応急処置が出来れば関の山だ。

「さて…どうしようかね?」

 俺は横に座っている皆の方を見る。皆も頭を悩ませている様子だ。実際問題、この土地に定着させるための何かも必要だ。もし、詳しい人を連れてきてもここに定着してくれないのなら、応急処置と何ら変わらない。何かいい案は無いかなぁ…。

「どう思う?」

「わたくしは分かりません、お役に立てず申し訳ございません。」

「僕もさっぱりだ、そもそも森人は弓を使う事しかしなかったからね…」

「私も…盾しか…使えません…」

「そうなんだよね…。」

 そう、俺も別に剣を使っているけれど。剣は血を拭き取ったりするだけで終わってしまっている。だから、剣を見て見ると…そろそろ限界が近い様に感じる。刃の部分も刃こぼれしているし…いつ壊れてしまってもおかしくはない。

「そうなのだ!暇人が一人居たのだ!」

「ん?暇人?」

「鍛冶屋の暇人なのだ!きっとここに来て鍛冶屋をやってくれるのだ?」

 俺に聞かれても?!でも、助かるな!ここに来て鍛冶屋をやってくれたら行けるかも。いや、その場合って…素材の調達などはどうするんだ?あ…この領地の皆はしっかりお金を稼いでいた。だから、金銭のやり取りが発生するし、良いのかもしれない。

「早速来れるかどうか聞いてみてくれないかな?」

「待つのだ…今スウを通して聞いてみるのだ!」

 マルカは何やら紙切れを袋の中に入れて、反応を待っている。袋から紙切れを再度引っ張りだして笑顔になると”明朝に到着予定なのだ!”と言った。明朝?!いくら何でも早すぎない?首都から引っ越し…って感じなんだよね?本当に暇な人なんだろうか…。

「じゃあ、明朝に迎え入れるとして…良かったですか?」

「そんなの良いに決まっておるじゃろ!寧ろ望んでいた事なのじゃ、のお?」

「我も望んでいる、ここの領民に新しい世界を見せたい」

「嬉しいです、では明朝にもう一度伺いますね」

 そう言って、皆で領主宅を後にする。急ごしらえで決まった事ではあったけど…何とかなりそうで良かった。それにしても…新しい世界を見せる、か。もし仮に、皆の武器を武人族がやってくれる事になったりしたら…相当な戦力強化になるかもしれない。

 翌朝、わくわくしながら領地の入り口で待つ。何だか…ネットショッピングで物を買った時と似ている気がする。そわそわしながら待ち続けて、物が来たら開封して喜ぶ…的な?まぁ、不安もある。ここの領地の皆は受け入れてくれるのだろうか、そこだけが心配だ。

「あれなのだ!」

「なんでしょう…襲われていませんか?」

「ん?俺は見えないんだけど…。」

「行ってみますね!」

 ミヤビがロケットのように素早い速度で走って行って…爆発を起こした?!あれ…大丈夫なの?こっちに来てくれる人までぶっ飛ばしたりは…。俺の心配は杞憂で終わったみたいで、ミヤビと一緒に鍛冶屋の人が俺の目の前に姿を現した。

 オレンジの長い髪をしていて、身長はマルカより少し高いぐらい。小柄な女性だ。ミヤビにお礼を言って、こちらに歩いて来た。

「死んでしまうかと思ったぁ…。」

「大丈夫でしたか?」

「えぇ、何とか大丈夫ぅ!うちは鍛冶屋のナイル!よろしくねぇ!」

 なんていうか…独特な人だ。会話のテンポが独特と言うか…なんというか?語尾に小さい文字が付いているのが聞いていても分かる。というか、魔族なんだよね?なんというか…人間そのものな見た目をしているんだけど…。服装はオーバーオールを着ているから鍛冶屋って言うのは分かるんだけど…。

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