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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
五章 鬼人の領土~シデン領~

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(1)

「所で、素材を売って生計を立てていたんだけど、これはどうすればいいかな?」

 日が暮れて、辺りも静まり返ってい来たからテントを立てている時に聞いてみる。マルカに素材を渡すと俺らは金が稼げなくなってしまう。確かに、仲間だからいいのだけど…。金が稼げないとどこに行っても何も出来ず、困った事になってしまう。

「それは全部買い取るからいいのだ!」

「え?!全部!?マルカはどうやって金を稼ぐんだ?」

「これなのだ!」

 マルカは腰辺りをガサガサ漁ると、袋を取り出した。一見何の変哲もない袋に見えるのだが、マルカが中を見せてくれる。すると、中からスウの顔が浮かび上がって来た。驚きのあまり、飛びのいて袋を指さしてしまう。人が…中に入ってる?!

「あはは!これは向こうと繋がっていて、やり取りできるのだ!健一の腰にもあるのだ?」

「そこまで高性能じゃないけどね?」

「そんな物もあるんだね?驚きだよ。」

「わたくしが空を飛んで往復しても良いのですよ?」

「急に竜が上空を飛んでいたら、警戒されて落とされるのだ」

「え?魔人族は空を飛んでいたし…城壁の中を家が歩き回っていたのに?」

 俺は目の前の焚火を見つめながら思い返す。魔王城の城下は色々な種族で溢れかえっていた。それなのに、竜人だけは飛んだりしてはいけないのか?それは差別ってやつじゃないか?竜だから危険だ、とかそういう話?ミヤビやハヤテと接していて危機感を感じたことは…一度や二度はあるけど…それはタイミングが良くなかったからだ。

 マルカは俺を見て笑い”違うのだ、本能的な危機感を抱くことがある、と言う事なのだ”と言った。そうか、竜は頂点と言う概念はどこの世界でも変わらないのか。竜は空想上の生き物で、時には神に、時には悪に成り得る、そういう事か。

「だから、これからはギルドに行かなくてもいいのだ!」

「有難いなぁ!」

「なんだか…不服です!わたくし達の時にもそのように喜んでくれれば良かったのですけど。」

「へ?ご、ごめん?!なんか不手際があったかな?」

「そうだねぇ…健一君はなんだか温かいのに冷たいね?」

「何その問答?!」

 俺が必死に答えを探していると、メェルが傍に来て”私は感謝しています”とこそっと伝えてくれた。それを見てミヤビとシュエリが”あぁ?!なんてことを?!”と言って焦っていた。そんな俺らの様子を見てマルカは笑って”あはは!やっぱりハーレムなのだ!”と言った。誰かが見て何かを思ったら、それを見てまた誰かが何かを思う、仲間になれたからこそ、面白いなと感じる。

 夜は更けていき、翌朝。何故、眠れたかと言うと…。あのスウに貰った布切れがただの布切れでは無かったという事だ。あの白い布にマルカが魔法を掛けると、テントになった。二人と三人で別れる事にミヤビとメェルとシュエリは文句を言っていたけど。それは置いておいて、またこの日も歩き続けた。

「そろそろ着くかな?」

「そうなのだ!そろそろ見えて来るのだ!」

 森の中、視界はまだ木々に覆われて先は見えない。木々のトンネルの先に、終わりを告げる光が差し込んだ。俺らは少しだけ速足でその森の終わりを目指した。森の終わりは切り立った崖の上。そこから見えるのは、鉄の壁で覆われた硬そうな領地だった。あれが鬼人の領地か。

 崖を慎重に降っていくと、どんどんその領地の大きさが際立ってくる。今まで見たどの壁よりも高く、領地が見えない。そして、門番も居ない。人を通す気が無いのだろう。困ったな、どうやって門を叩けばいいのだろうか。俺が困って考えていると、マルカが前に出て魔法をぶっ放した。

「ちょい?!何をやって?!」

「いや、こうするしかないのだ!」

「わたくしも加勢しましょうか?」

「違う!喧嘩を売ってるみたいになるからやめて?!」

 メェルとシュエリまで門を叩こうとしている。すると、門が開かれて奥から人が出て来た。紫色のショートな髪をして、角を生やしている。目は釣り目でクールな印象の小柄な女性だった。俺らの事を見て”ふぅん?成程な?”と呟いた後、マルカに”よぉ?また来たのか?”とご無体な挨拶をした。

「うむ!今回は少し違う事情なのだ!」

「なんだ?どうしたってんだ?」

「今回は健一達の仲間として同行したのだ!」

「仲間だ?人間のか?お前…そこまで落ちたのか?」

 小柄な鬼人が目の前のマルカを置いて、俺の方へ来る。俺を上から下まで見て”はぁ?こいつぁ…面白いな”と言って、すぐに離れて行った。何が面白かったんだろうか?何かお眼鏡にかなったのかな?

「害にならねぇか、別に」

「なんです?さっきから失礼ですね?」

「ちょっと待て!いいから」

 俺がミヤビの口を押えて”すいませんね”と言った。多分…ここの領主はこの人だ。門を開けられるぐらいの人で、小柄なのに風格がある。クールだからとかじゃない。威圧感がすごい、こういう人は経験上…かなり強い。俺がミヤビの口を押えているのを見て小柄な鬼人はにやりと笑った。

「おい、竜よ。お前はなんでこんな人間の下に居るんだ?」

「なんです?」

「心が読めるから同情でも誘われたのか?」

「言わせておけばぁぁぁ!!!!」

「ちょっとまてぇぇぇ!!」

 俺の突飛な大声に相手もこっちも驚いている。落ち着け、冷静になれ。相手の思いに踊らされるな。

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