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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
五章 鬼人の領土~シデン領~

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「お待たせいたしました!本日の日替わりでございます!」

 目の前に置かれたのはステーキ。何の肉なのかは分からないけど、ソースが掛っていて…肉が焼ける匂いが充満する。熱々の石のプレートの上に野菜っぽい物も並べられていて、見栄えが綺麗だ。それに、スープとパン。パンは外を軽くトーストしてあるのだろうか、小麦の匂いと湯気がなんとも食欲をそそる。

「すごいなぁ…」

「おすすめのお酒もご用意出来ますが…いかがいたしますか?」

「じゃあお願いします」

「健一君…本当に君はお酒に目がないね?」

「いつもそうなのです、それがいい所ではありますけどね?」

「お酒…臭い…です…。」

 皆からは呆れながらもしょうがない、という雰囲気を感じる。うん…しょうがないんだよ。この世界に来て酒を飲むのが楽しくなっちゃったんだ。メイドが戻ってくると、目の前でキンキンに冷えたグラスに透明の液体が注がれる。透明の液体?もしかして、蒸留酒か?

「本日のおすすめです!」

「もしかして…蒸留酒ですか?」

「よくご存じですね!これは、穀物を使った蒸留酒です!」

 まさか…ジンか?!いや…ジュニパーベリーは流石に無いよな。だけど、草根木皮なんかで再蒸留できれば…ジンっぽいものにはなる。完璧に仕上げてきているんだろうな、だって見た目は完璧だから。俺は皆と目を合わせて”いただきます”と言い、ステーキをまずは口に運んだ。程よく脂がとろけて、肉のうま味を最大限に引き出すように出来た薄味のソースと絡み合う。最高のつまみじゃないか。

 次にジンを口に運べば、さわやかな風味が口を支配する。独特な癖を感じながらも、肉の脂なんかを流してくれる。

「なんだこれ…美味すぎる」

「健一さんは心の中の言葉をそのまま言う方が美味しさを伝えられるのではないですか?」

「あ~…俺苦手なんだよね。あれを表に出そうとすると、失敗しちゃうんだ」

 心の中を視る事が出来る人は居なかったから、頭の中でなんでも考えるようにした訳なんだけど…。こっちではミヤビに全てを視られてしまうんだ。恥ずかしいったらありゃしない。それでも、口に出すよりは…マシかもね。気づけば、全てを平らげていた。酒も飲んでしまったし…とりあえず、ギルドに行ってみるか。

 皆で店を後にして、ギルドを探す。ギルドは大きな建物で、三階建てだった。他の所と比べると、大きさが一目瞭然なのかもしれない。街の中心地に位置していて、魔王城の二分の一程度。これだけ聞けば小さくない?と思うかもしれないが、殆どの建物は魔王城の十分の一程しかない。

 扉を開けて中に入る。中はあんまり他のギルドとは変わらない。一つだけ変わっている所があるとすれば、吹き抜けで上が確認出来て、上には応接室がずらっとある事。そんなにあって何をするのか気になるけれど、俺らには関係ない事だろうな。受付まで歩いて行って、カードを提示した。

「はい、本日はどのような要件ですか?」

「魔物の素材を買い取りして欲しいんですけど」

「それでは、あちらをお使いください!」

 赤いショートの髪の男性に着いて行くと、そこは大賑わいを見せている解体場だった。解体場で解体してから買い取りをする、と言う事で合っているのか?それなら俺らはもう解体してあるんだけど…。

「解体はもう済んでいるんですけど」

「え?そうでしたか?では、ここで中身を見せてください」

「あぁ…ここで。」

 男性は不自然な顔でこっちを見ている。それはそうだろうな…。とりあえず…出せるものを出していこうか。腰袋から色々な素材を出来るだけ全部出した。男性は途中から目を見開いて”こんな事が…?!”と驚いてたけれど、何とか全部出すことに成功した。

「ちょ…少々お待ちいただけますか?」

「どれぐらい待ちますか?」

「あ~っと…かなりお待ちいただくかもしれないです。」

「分かりました、どこで待っていればいいですか?」

「では…こちらをお持ちいただいて、後は呼び出しをいたしますので…」

「はい、ではどこかで何かしてますね?」

 俺らが去った後は、素材の前に人だかりが出てきていた。あんなに持ち込んだのはあんまり良くなかったかな?それとも、何かレアな素材でもあったかな?いたって普通と言うか…なんというか。俺の隣を歩く三人はニコニコしていたけれど、俺は少しだけ申し訳なく思っていた。

 後ろでは”なんの騒ぎなのだ?!”とか”なんなのだ?!これは、誰が持ち込んだのだ?!”なんて言葉が聞こえて来た。別の意味で目立ったし、別の意味で後ろ指をさされている気がする。ギルドを出て、どこを観光するか、決める事にした。

「どこを見ようか?」

「魔王城とか良いのではないですか?」

「それは良いね?僕は魔王城を見たことが無いんだ。」

「私も…見た事…ないです…」

「俺もだ、全員一緒かもしれないね?」

 なんて事を言い合って魔王城の方に歩いて行く。さっき見たのは遠くからだったから…ノーカンだよね?ただ、一般解放されてるとかあるのか?見学会とか…。魔族じゃないと入れないかもしれないなぁ。

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