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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
五章 鬼人の領土~シデン領~

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(1)

 魔王城に温泉とか無いかな…。ふと、日本で温泉に入ってリラックスしていた事を思い出す。服だけが清潔だったとしても、自分自身も清潔になりたい。もう…何日も風呂に入ってないから。正直風呂でもいい、ハヤテの領地に帰ろうかな…本当に。

「温泉とは何でしょうか?わたくしは聞いたことがありません」

「温泉ってね、地下から湧き上がる温度の高いお湯だね。それを湯舟に溜めて浸かると気持ちがいいんだよ」

 昨日と同じように、魔物の山が築かれていくその様を見つめながら説明する。メェルは解体しながら、シュエリは隣で頷いて感嘆の声を漏らしていた。

 今魔物を狩っている所は、地図で言えば森人の領地では無くて魔王の領地だ。見た目は変わらず森、生えている木は少しだけ異なっているかもしれない。森人の領地よりは、遥かに小さい木が生えていて、人が通れる道がいくつも作られている。

「さて…今日中には着くと思う?」

「ええ、着くと思います!そろそろ着くのではないですか?」

「本当かな?」

「出て来る魔物も…変わって…来ました…!」

 メェルが解体している魔物をじっくり見ている。確かに、なんて名前なのか分からないけど…昨日よりは全然違う魔物かもしれない。と言うか、生物が変わっている!今言われて気が付いた!俺が狩りをしていないから…全然気が付かなかった…。

「なんか…悲しくなってきた」

「悲しむ事はありません!わたくしが進化したのです!」

「そっか、そう思えばいいかもしれないね」

 ミヤビは嬉しそうに胸を張っている。こういう所はハヤテにそっくりだ。褒めて欲しいと言うか…自慢したい所で胸を張る仕草とか。本当にそっくり、親子だもんな。メェルが解体を終えて、俺の腰袋に素材を吸い込ませる。もうひと踏ん張り歩けば…。目の前の森が突然、輝き出した。森を出る事が出来そうだ。

 森を抜けると、城壁に囲まれた魔王城が姿を現した。魔王城は…真っ白く光っている。真っ白い魔王城?すごいな、想像しなかった。身の潔白を証明出来そうだな。外からでも見て分かるのは、様々な様式の家が立ち並んでいる事。木造の家も石造りの家も…なんか家が歩いていたり?!なんで家が歩いているんだ?!不思議な光景を目にしたなぁ…。

「さぁ、行こうか」

 俺らは森を抜けて、城門の前まで歩いて行った。城門を守る門番は俺らを見て”お気をつけて”と言う。門番は俺と変わらない人の姿をしている。けれど、角と翼が生えている。へぇ…魔人族はこんな感じなんだな?ちゃんと美形な顔立ちだけど?考えたくはないし、申し訳ないけど、こっちもコルトランドの人間からすれば…価値が高そうではある。

 城門をまたいで、中を覗く。やっぱり…家が歩いている?!空を人が飛んでいて…いろいろごちゃごちゃだ?!なんだろう、多様性って感じがするなぁ。各々が好き好きに街を作った結果みたいな…俺は好きだな、この感じ。見回せば見回す程面白い。さて…最初はどこから行こうか?

「お腹が…空きました…。」

「ん?休む予定だったし、何か食べようか?」

 俺は視線を建物の看板に向ける。うん、俺には読めないし、何が売っているかも分からない!どれがどれなんだろうな…。そんな事を考えているとミヤビが”あ!あれはどうでしょうか?”と指を差す。その方向には何か分からないけど、大繁盛のお店があった。一軒家のような見た目だが、人が並んでいる所を見ると店ではあるのだろう。

「じゃあ、あれに並ぶ?」

「そうしようか、どっちにしろ目的もないしね?」

「はい!是非そういたしましょう!」

 列に並んであれやこれや見ている間に、俺らの番が来ていた。中に入ると、外を見たら分かる事ではあるけど大盛況だった。テーブルがたくさん並んでいるのに、どこを見ても人だらけ。すごいな、これはなんの店なんだろう?俺が疑問に思っていると、注文を聞きに来たのか店員…メイド?が近寄って来た。

「ここはなんの店なんですか?」

「はい、こちらはマルカ食堂です!マルカ様が仕入れた物を調理加工して飲食できるようにしたお店ですよ!」

「そうなんですか?メニューってどこにありますか?」

「メニューはございません!日替わりのみご提供できます!」

 フリフリの黒を基調としたメイド服をひらひらとさせてにっこり笑って答えてくれた。それしかないなら、それでいっか。皆が頷いていたので”それを四つ”と注文する。メイドは”畏まりました!”と言って、パタパタと去って行った。ていうか…マルカってどこかで聞いた名前だな?

「さぁ?どこかで聞いたことがありますでしょうか?」

「分からないね?」

「どうしたんだい?」

「なんか…どこかで聞いた名前だった気がしたんだけど」

「マルカの名前かい?そうだね…僕が読んでいた本じゃないかい?」

「それだ!!!」

 あまりの声の大きさに店内が静まり返った。俺は慌てて他の人に謝りを入れる。すると、さっきまでの静寂は嘘のように店内はまた騒がしくなった。ドリードマルカ…どんな人物なんだろうな?まぁ、こんな店をやるぐらいの人と会う事は無いだろうけどね。

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