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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
四章 森人の領土~ゼルエル領~

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 さて、問題はあの人間に何を要求されるかなんだけど…。分かり切ってはいる。森人を俺の物にする!だ。ただ、森人はこんなのには乗らないだろう?いくら何でも。

「どう?要求は聞こえる?」

「まだ受けるかどうかを悩んでいる様子ですね」

「受けないでくれた方がいいんだけどね?」

「どうだろうね?実際の所、森人は勝負事が大好きだよ?僕もそうさ!」

「うわぁ…面倒な事になるのは確実じゃないか。」

「おはよう…ございます…?」

「メェルおはよう、大変な事になったよ?」

「オーキチさん…昨日は…良かったですね…!」

 なんでメェルは頬を染めているんだ?!今はそんな状況じゃないってのに?!森人が勝負を受けるか否かの瀬戸際なんだ!ていうか、種明かしされてるからびっくりもしない!すまない…メェル。

「なんで…驚かないの…ですか…?」

「ちょっと一大事なんだ」

「どういう事…ですか…?ん…?何やら…騒がしい音…?」

「そう、そういう事!」

「動きましたね!”俺は森人の全てを要求する!”と言っています」

「無理に決まってんだろ?!買うか、そんな勝負!あ~あ…心配して損した」

「”受けてたとう”と言っています」

「うんうん、そうだよ……な?今何て言った?」

「受けてたとう!と言っています」

 頭がすっからかんなのか?!これから村が大きくなるって時に、そんな大きな勝負受けてどうするんだよ?!ていうか、こっちはそれ相応の対価を提示されたって事になるよな?だってお前らの命を全て頂戴する、って事だろ?

「対価は?」

「森人の返事は分かった、だそうです」

「おい!!!どういう事だよ?!」

「森人は対価をあまり言わない種族なんだよ、許してあげて欲しい。」

「良いように利用されてるじゃないか!森人全員の命って言われてるんだぞ?領地差し出されても拒否するわ!」

「オーキチさん!舌が回りすぎです、早口過ぎて聞き取れません!」

「お、ごめんね」

 はぁ…ヒートアップし過ぎたわ。こんなの誰が見てもヒートアップするだろうな、だってもう…相手にしか得が無い。こんなの買わない、誰だってそうだと思うよな。

「さぁ、観戦しましょう?」

「いや…悠長な事言ってていいの?」

「はい、大丈夫です!」

「ちょっと…怖いです…殺してでも…奪ってきそう…。」

「そんなことまでするかい?人間は本当に恐ろしいね?」

 うん、すると思う。だって手加減をする必要が無いから。この試合に勝てば自分の物になるって言われて手加減する方がおかしい。と、なると。あの森人の男性を守る術を考えないといけないかな。

「実況してみようか」

「はい、見せてください!」

 全員で最下層にある、大木の根に腰を下ろす。ここからが勝負だ、いやぁ…生きて返せるだろうか。

 今にも始まりそうです、森人男性…ここでは森男選手と呼ぶことにしましょう、とユーリストア二世選手の直接対決マッチ!相手の要求を、ただひたすら飲んで不利になってから始まる戦い、見あって見あって…スタートだ!

「これは良いですね、観戦は楽しいものです!」

「どこからワイン出したの?」

「昨晩の残りです!」

 森男選手は相手との距離を的確に見極めて、木の上から攻撃を仕掛ける様子!一方、ユーリストア選手は下から直接狙う!しかし、普通に考えればユーリストア選手の方が不利な試合!これはどういう事なのでしょうか?!

「一見不利なのは仕掛けた側なのに、なんでこんなに悠長にしているんだ?」

「どうでしょうか?ところで実況は心地よいものですね?」

「そういや聞こえてるのか。」

「ええ、戦況が分かりやすくていいです!酒が進みます!」

「褒めてもらえてうれしいね」

 森男選手は弓を放つが当たらない…おっと?!なんだ?ユーリストア選手の剣がまるで生きているかのように動きだした!今にも森男選手に噛みつきそうだ?!どういう仕掛けなのでしょうか!これが噂のスキルというやつでしょうか?!

「なんだあれ?!」

「なんでしょうね?わくわくします!」

「生き物…じゃないです…直角に…曲がってます…!」

 くねくねする謎の剣をよけている!流石は森男選手ですね、森を、自然を愛しているからこその土地勘!一方ユーリストア選手は…なんと?!片方で剣を振るって、片方で紅茶を嗜んでいる!マナーの観念とかはないのでしょうか?!

「あれ…なに?」

「分からないですね、紅茶でエナジーを補給しているのでしょうか?」

「人間にとってあれは必要な行為なのかい?」

「俺にもよくわからん?」

 ここで、ついに体力尽きて、やられてしまう!勝ったのはユーリストア選手だ!これは嬉しくない悲鳴です!阿鼻叫喚、まるで地獄絵図かのような光景が広がります!

「……。」

「シュエリ?」

「お願い出来ないだろうか…こんなでも僕の村なんだ」

 シュエリに袖を引かれる。うん、最初からそのつもりで木の上から降りて来たんだよ。まぁ…俺がどこまで相手になるかは分からないんだけどね。

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