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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
四章 森人の領土~ゼルエル領~

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五話 大罪、怒り

 シュエリが酷く怯えて震えて…俺を見上げている。涙を流して、綺麗な顔をぐちゃぐちゃにしながら。俺は今にも怒りが体を突き破って、怒りその物が戦いそうなぐらい…それを身体の中に抑え込んでいる。一言で言えば、許さない。

「んな?!人間が庇うなんてどうかしてるぞ」

「あん?そんなの俺が知ったこっちゃないだろ?で、どういう了見で俺の仲間に手を出したって?聞いてんだろ?聞いたことにも答えられねぇぐらい小いせぇ脳みそしてんのか?」

「お前…その口の利き方はなんだ!!」

「おい?聞いたことにも答えられねぇのかって…聞いてんだろうがぁぁ!!!!」

 オーキチ選手は目の前の男に斬りかかる!相手がどんな攻撃をしてこようが知ったこっちゃない!そう、これは怒りに身を任せた全面戦争なのです!怒りのボルテージのおかげで動きが各段にレベルアップしています!オーキチ選手の強さは怒りをコントロールして自分の力に変える事、それと動きが単調にならない所でしょう!

「くそっ?!なんだこいつ!」

「おい、こんなので勝てると思ってんのか?話にならないな?人間ってのはこんなものか?」

 相手はスキルを使ってくることをせず、ただただ、オーキチ選手の攻撃を弾き返す事が精いっぱいの様子です!おっと?相手が不審な動きを見せる!オーキチ選手は咄嗟にバックステップ!相手の動向を伺います!しかし、相手は何もしてこない、静寂が包み込んでいます!

「名乗りを上げておこう、こんなにいい騎士はなかなかお目にかかれない、私はユーリストア二世だ!」

「ふぅん?二世…ね?こんな馬鹿な…無駄死にを親父が許すと?」

「さぁな?俺は父上を殺した」

「本当に…馬鹿なのか?」

「馬鹿馬鹿と言うんじゃない!この馬鹿者め!不敬罪だぞ?!」

「ん?俺はコルトランドの人間じゃないからそれは適応されない」

「悪魔に身を売ったか?!」

「悪魔に身を売ってんのはお前だよ、生きている者を奴隷扱いしやがって」

「人間以外は”人”ではない!分かっているんだろうな?」

「じゃあ、お前も”人”ではないな?」

「お前は馬鹿なのか?人間は人であろうが?」

「人間には理性と知性が備わっている。それを以て”人”だ。お前はただの獣だ。獣にも失礼な程な」

 動物は人間の言葉を理解する事が出来る。だから、言葉を理解できるとされている動物は皆一様に家族なのだ。それ以外のケースも同様、個人が家族だと思えば家族だ。しかし、この今目の前にしている”獣”は理性も知性も感じない。ただただ、挑発に乗って、人間と同じ言葉を発しているだけ。非常に不愉快で、非常に鬱陶しい。

「ここはお前の領地ではない、今帰るなら見逃してやるが…いや、それも出来ないな。シュエリがこんなに傷ついているんだ」

「さっきから聞いていれば…好き勝手に言いやがって!」

 おっと?!話している最中に急に牙を剥いて来る!まるで獣です!本当に醜い!オーキチ選手はユーリストア選手の剣を鮮やかに躱して、お得意の避けるダンスを披露しています!剣と共に踊る、まるで何かのミステリ小説のタイトルの様ですね!右に左にゆらゆら躱し、自らの魂と共に肉体まで揺蕩うが如く!

「何故当たらない!」

「お前が鍛錬を怠ってきたんだろうな?」

「くっ?!好き勝手に言いやがって!」

 はぁ…これだったら、俺が出るまでも無か…いや、ダメだ。俺が出ないといけなかった。仲間を守るのは俺の役目だ。シュエリには正式に仲間になる、とか言った訳では無かったけれど。こんなに森人の為に何が出来るかを考えていたシュエリを俺は放っておくことが出来ない。何かの為に一生懸命になる人は美しいんだ。

「もう諦めてくれないかな?君の剣に当たる事は一生無いよ?」

「くそが!!」

「それとも、”僕が思うにこういう言い方をしてあげた方がいいかい?もっと屈辱的になるかもしれないけど…帰って作戦立ててから出直した方がいいんじゃないかい?”」

「くそくそくそ!!!」

 オーキチ選手はなんと…シュエリ選手の真似をして煽っている!これは相手にしてみれば屈辱的だ!しかし、煽ったオーキチ選手も多少ダメージを受けている!何故かって?煽りの為に仲間の事を使ってしまったからだ!しかし、シュエリ選手は涙を拭って笑いんがら”はは、それは僕のつもりかい?”なんて言っています!

 そういえば、この戦いってこっちは何を貰えるんだろうか?何でこの戦いに乗ってるんだ?う~ん…分からないな、聞いてみようかな。目の前で必死に剣を振っているこの…金髪の汗だくの青年に。

「ねぇ、この戦いって勝ったら俺らは何を貰えるの?」

「そんな物、皆殺しが無くなるだけだろうが!」

「あぁ…そう。じゃあ、君の領地無くすけどいい?」

「…は?」

「ミヤビ、今からこいつの…なんだっけ?ドラッグストア君の領地に行って山でも投げつけてきてくれない?」

「健一さん、オーガニックストアじゃないですか?その、山を投げつける件は畏まりました」

「私はユーリストアだ!!」

 ミヤビが俺の言葉に反応して、山を持っていく。目の前の青年は慌てて”待て待て!!”と言っている。それぐらいの事をしているのに、何故相手はしてこないと思っているのだろうか?う~ん…このユーリストアは良い物は売って無さそうだな、”有利”って名前してるのに。

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