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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
四章 森人の領土~ゼルエル領~

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 明日の昼に向けて会議をしておこう。どんな事が起こっても対応できるように。シュエリを邪魔に思っているのなら、俺らも邪魔に思っている可能性が高い。同時に消しにかかって来る可能性がある。爺さん一人に何が出来るか分からないけど。

「う~ん…作戦なんて難しいよな」

「そうでしょうか?歯向かってくるのなら消して差し上げますよ?」

「まぁ、そうなんだけどね?」

 どうにもパワーで押してくるタイプではないはずだ。更に、領民からの信用も地の底に落ちた。だからこそ、何をしてくるか分からないんだ。大軍を呼び寄せて…消しにかかるとか?いやぁ…昨日の今日でそれは難しい。国外から招いていなければならないし、連絡方法もそれこそないだろうに。

「何か分からない言葉を心の中で唱えていたので、それだけは気になります」

「分からない言葉?」

「えぇ、確か…”ヌイサケート、モーカルトーラム”だった気がします」

「なんだろうね?その言葉は?」

 シュエリの顔つきが一瞬曇った気がした。何か知っているんだろうか?もしかして、昔から伝わる言葉だったりするのか?いや、俺の考えすぎかもしれない。明日は少しばかり早く起きて様子を見に行った方がいいな。何か良くない事が起きる気がする。

「明日は早く起きて、様子を見に行ってみようか」

「はい、それがいいかもしれないですね」

「早起き…得意です…任せてください…!」

「メェル…早くに起きても寝てない?」

「んな…?!寝てない…ですよ…?」

 メェルは口を尖らせてそっぽを向いた。はは、可愛い顔をして。ぐりぐり頭を撫でたら、その表情は緩和された。メェルは早起きしてるんだけど、早起きしてもほぼ寝てるんだ…。目が開いてるけど、開いてないって言うか…呆けていると言うか。なんか、ちゃんと眠れているか心配だ。

「じゃあ、そろそろ眠る事にしますか。」

「じゃあ、お休み。」

 そう言って、皆で眠りについた。悪い予感だけは残したままだけど、どっちにしても明日には解決するだろう、そう思い込む事にした。

 翌朝、結局俺が一番…じゃないのか。二番に目が覚めた。シュエリが先に起きていたみたいだ。しかし、シュエリの姿がどこにも見当たらない。少しだけ悪い予感が心を揺さぶる。何故こんなにも悪い予感がするんだ?俺は別に超感覚なんて持ってないはずだけど…きっと気のせいだ。今日もきっと…。

 シュエリが座って本を読んでいた場所に来た。そこには開き掛けの本が落ちていた。そのページには”ヌイサケート、モーカルトーラム”と書いてある。何故読めるのか、昨日聞いたからかもしれない。俺は急いでその本を持って、ミヤビとメェルを叩き起こした。

「これ、どういう意味だ?」

「これは……領主様、全ての事を行う準備が出来ました、です」

「い、急いで準備して!!」

 二人と共に、森の中を駆けて集会場を目指す。集会場には、もう既に森人が全員集まっていて、真ん中でシュエリが膝をついていた。目の前に居る甲冑を来た人間が”さぁ、これで全ては僕の物だ!”と言って、剣を振り下ろそうとしている。俺はミヤビに”俺を投げろ!”と命令した。

 さぁ、ロケット発射準備完了!目的は小さな人間です!狙いを定めて…今発射!真っすぐ真っすぐに飛んでくオーキチロケットはぐんぐん加速していきます!限界点に到達した時には既に、剣が目の前に!その剣に目掛けて…剣を抜いた!信じられない衝撃がオーキチ選手に襲い掛かります!相手の人間は”んな?!なんだこれは?!”と言って手を押さえています!


 昨日の話。僕は聞いたことがあったんだ。領主がきな臭い事をしている事も、”ヌイサケート、モーカルトーラム”と言う森人しか使わない言葉も。でも、信じたくなくて、信じられなくて。健一君達が目を覚ます前に朝一で起きて、本を調べた。

「あぁ…やっぱりそうじゃないか。」

 書いてあったのは、”領主様、全ての事を行う準備が出来ました”これは、僕らの…森人の領主が、他の地の領主を領主様と言っている確たる証拠だったんだ。僕は何も言わずに、集会場に向かった。人間が一人だけ、何かを言っている。勝負をすれば全員を奴隷に、勝負をしなければ皆殺しに、って。勝負するしかないじゃないか、対人なんて森人には出来ないんだから。

「僕がやるよ、それでいいかい?」

 森人の”仲間”達を押しのけて、僕が目の前に出る。足は震えている。だって…人と戦ったことなんて無かったからね。でも、僕は武器を取り出した。僕が負ければ皆は…駄目だ、考えないようにしないと。結果は分かりきっていたさ、惨敗だった。何が目の前で起きているか分からなかったよ。

「はぁ…分かってはいたさ、ダメだったね」

「なるほど、お前は特別綺麗だな?いい商品になりそうだ」

「好きに…すればいいさ、ただ、皆を解放してくれないかい?」

「それは出来ない願いだ。」

 あぁ…駄目か。しょうがない目を閉じて祈るしかない。誰にって?誰にでもないさ。強いて言えば…神様かな。剣を振るう音が聞こえる。そろそろ…おしまいだ。あれ…剣が弾かれた音がする。なんだい?これは…。目を開けると、目の前で僕を庇う健一君が立って居た。

「俺の仲間に何してくれてんだ?おい?覚悟は出来てるんだろうなぁ?!」

「健一君…?!」

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