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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
四章 森人の領土~ゼルエル領~

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(1)

 ”さぁ、ここに掛けておくれ?”とシュエリに促されて、目の前の椅子に三人で掛ける。シュエリは俺らの対面に腰を下ろした。

「そういえば、健一君はこんな所までなんの用事があったんだい?」

「そうですね、一応領主の印を求めて来たんですけど」

「そうなのかい?珍しいね?」

「ええ、魔王に会うための旅…ですかね?」

「なるほど…魔王様には何のために会うというんだい?」

 シュエリの細かった目がもう少し細くなる。分かる、敵意や訝しさを表す表情だ。人間が魔王に会うなんて言う事は…この世界で言えば、”倒しに行く”と言っているような物だ。しかし、初めてだなぁ…こんなに敵意を向けられたのは……?いや、ハヤテ以来か。

「魔王とは人間について話し合わないといけないからですね」

「人間について…かい?」

「ええ、どのようにイトベリアを守るか会議をしなければ」

「やはりコルトラ……え?今何て言ったんだい?!」

 シュエリが俺の方に身を乗り出す。え?俺は何か間違った事を言っただろうか?俺、間違えてコルトランドって言った?いや、間違えるはずがない。俺自身もう…イトベリアに身を置いている人間になっているのだから。

「イトベリアを脅威から守る会議をしないといけないので」

「んな?!人間が何を言っているんだい?!分かっているのかい?!」

「ええ?分かっていますよ?」

「では…そこの彼女たちは奴隷ではないのかい?!」

「失礼な方ですね?わたくし達を奴隷などと呼ぶなんて。」

「本当に…失礼です…!」

 メェルとミヤビが珍しく憤慨している。まぁまぁ…しょうがないよ。だって、事情を知らないイトベリアの民から見れば人間が他種族を連れているんだもん。俺がイトベリアに住んでいるとか知らないでしょ?ミヤビが俺の方を見て”あぁ!それを知っているのは…わたくし達だけですよね!”と言い、メェルと頷きあっていた。

「し、失礼した。お嬢さん方を救わなくてはならないと思っていたよ…」

「はは、大丈夫です。彼女たちは仲間なので…今度は質問してもいいですか?」

「あぁ、どうぞ?」

「貴方は何故ここに一人で住んでいるのですか?それと除名については…?」

「そうだね…長い話になってしまうけど…いいかい?」

 俺はミヤビとメェルを見ると、二人は頷いていた。だから、俺もシュエリを見て頷く。すると、シュエリは溜息一つ吐いてから話を始めた。

 シュエリは同胞が連れて行かれるのを本当に良く思っていなかった。だからこそ、俺と同じように家を造るべきと最初に進言した。だが、要求は通らなかった。それに、異様に同性にモテると言う事も妬まれる事になってしまう。領主に進言する事は、掟に逆らう事と同義だった。それともう一つ、女性と男性は平等であるべき、要するに革命を起こそうとした訳だ。

 話を聞いて分かった。改革を推し進めようとしたら、領主の反感を買って除名されてしまった、と言う事だ。全体を見ればこの領地のためを思って言った事なのに、まともな事を言ってしまったがために除名処分になった訳か。あぁ…本当に。いつの時代もまともな事をいう者は権力なんかに潰されてしまうんだ。

「男性にモテているのが…辛かったでしょうね。」

「敬語はよしてくれないかい?それと…女性にモテているが正しいかな?僕も女性なんだけれど…。」

「女性に……女性に?え?女性?」

「僕は女性に見えないかい?そうかい…君の両隣の姫からすれば僕は魅力がないかもしれないね?」

 シュエリは少しだけからかったように言った。いやぁ…それは疎まれるか、男性が強い社会を築きあげて来た森人にとっては不快でしょうがないだろうな…。それとこれとは話は別なのだが。思った以上に…問題は深刻なんだな。俺は溜息を吐いて天井を見上げた。

「女性が女性の王子様になる…か、疎まれるよなぁ。」

「なんだい?僕が王子様なら…健一君はお姫様かい?」

「なんでだ?!俺は王子様だろう?!」

「あはは!自分で王子を名乗るなんて…面白いね?」

 別に名乗ったつもりはなかったんだけど…。まぁ、それは良いとして。と言うか、なんでこんなに男性一強が進んでいる社会になるんだ?別に男性も女性も出来る事が同じならここまで進まないだろうに。ツリーハウス建築の時だって、別に能力的には変わらなかったはずだ。

「そうですね、どうしてでしょうか?」

「何がだい?僕に答えられる事なら答えてあげられるよ?」

「何故ここまで男性社会になったんだ?」

「それはだね、女性の能力に関する事だね」

 男性は狩の能力に特化している。特に武器に対する扱いがすさまじく上手い。しかし、女性は武器の扱いに長けている者が居ない、代わりに魔法を少々使えるのと言う事だ。魔法を戦闘でどう活かすのかが分からずに、女性を矢面に立たせることは無い、と。

「あぁ…使い方が分からないからって事か。」

「そうかも知れないね?」

「かもしれない?」

「僕も良く分かっていないんだ…研究しているのだけど、何が出来るかが分からない。」

 シュエリが項垂れている。研究しているのに分からない魔法ってなんだ?どんな魔法を使えるって?

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