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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
四章 森人の領土~ゼルエル領~

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「あら、こんにちは!」

「わぁ?こんな辺鄙な場所に来てくれたの?」

 わらわらと俺らを見るなり、駆け寄ってくれる。それも、女性だけ。というかここには、女性しか居ない。集会場の周りには、川や炊事場がある。少し違和感はあるが、ここなら何でも聞いたら答えてくれそうだ。というか…すごい綺麗で可愛らしい森人族しか居ない。

「すごいな」

「森人族は美男美女揃いで有名なのです!ご存じないですか?」

「知らなかったなぁ、何となく知ってはいたけど…領主があれだったから期待はしなかった」

「期待…なんで期待…したんです…?」

 メェルが頬を膨らませている。違う、そういう意味じゃなかったんだけど…。気にはなるじゃない?どれだけの美形揃いなのかぐらいは。獣人だって可愛かったし、どこを見ても美形揃いだと思うよ。うん。俺の事をミヤビが見つめた後、メェルの方に行ってひそひそ話をしていた。メェルが頬を赤らめていたのは見なかったことにしたけど。

「挨拶が遅れました。俺は小田健一と言います」

「私はミヤビ、竜人族の長が娘で、健一さんの仲間でございます!」

「私は…メェル…です…。」

 俺らが森人族に向かってお辞儀をすると、森人族の皆は顎が外れそうなぐらいの顔をして”挨拶された?!”と口々に驚いている。挨拶しただけでなんで驚かれるんだ?なんだろう…きな臭くなってきたな。この領地の問題は…何か親近感を覚える問題である可能性が高いか。

「突然ですが、困っている事はありますか?」

 この質問をした直後、森人の女性達は皆が顔を見合わせて困った表情をしていた。口に出しづらい問題なのか、それとも、多すぎて困っているのか。少しの間、皆さんは何も喋らなかったが、後ろから”同胞が連れて行かれるのが困る”と声が聞こえた。

「同胞が連れて行かれる?」

「そう、同胞が連れて行かれてしまうの」

「どこにですか?」

 俺の目の前まで出て来た、綺麗なブロンドの髪をした森人の女性は俯いてから”奴隷にされてしまうの”と呟いた。どこの領地でも奴隷問題はある、というのは分かってはいたけど…。森人はかなり人間に近い見た目をしているし…美男美女が揃っている、悪く言ってしまえば”価値”が高いのだろう。

 同胞が連れて行かれてしまう要因があるはずだ。例えば…家が無いから、そこら辺で寝ている所を攫われてしまうとか、魔物に傷つけられている所を二重で襲われるとか。いや、家が無い方が寧ろ良いのか。だって、ここが家ですよと知らせなくて済むのだから。

「家があった方がいいと思いますか?」

「そ、それは。そうかも知れないけど…」

「読み取ることが出来ました、如何いたしますか?」

 俺の隣から、予期せぬ声が聞こえる。ミヤビが心を読み取って俺に伝えるかどうかを確認してきた。う~ん…勝手に読み取って言われるのを悪く思ってしまわないだろうか?しかし、俺の目の前の森人は頷いて”それなら大丈夫です”と言った。あぁ、何か言い伝えみたいな物があって、それを”自分たち”から口外してはいけないみたいな感じか?俺はミヤビの方を向き直って”お願い”と言った。

 やはり、想像通りで、森人族の仕来りはいくつかある。狩は男性がする事、森を傷つけてはならない事、女性は男性に口出ししない事、領主の言ったことを守る事。同胞が連れて行かれる事に口出しをしないのを見ていれば分かった事だった。それに…うん、男尊女卑の問題が色濃く根付いているのだろうな。はぁ…これを改善するのは簡単な事ではないんだ。

「まずいなぁ…」

「そうですね、あまり見かけない文化ですので」

「そうなんだ?」

「そう…です…私も…聞いたこと…ないです…」

 メェルもミヤビも聞いたことが無い、という事は森人のみが抱える問題である、と。同胞が連れて行かれないように気を付けるためには…やっぱり家だ。自然を愛していても、自分たちが緩やかに絶滅に向かって行ってしまうのであればどうしようもない。それに、ここが家です、と言っても襲われるまでに時間が稼げれば何とか防げる事だってある。

「さて、どうするのがいいかな?」

「心に決まっている物があるではないですか、何故実行されないのですか?」

「うん、これを実行するのは…難しいんだ」

 この領地での仕来りを破ると言う事は、領主に対しての宣戦布告をするという事。もし、許されなければ…どうなるかは想像がつくだろう。短期決戦で終わるとは思ってないけど…男性陣にも協力して欲しいなぁ…。男性陣の意識改革も重要になって来るし。

「男性陣はどこに居ますか?」

「それなら、この木の上で見張ってて」

「おい!言うんじゃない!」

 上から男性の声がする。上を見上げれば、木々の間から様々な顔が覗いていた。なるほど、男性陣の方が警戒心が強いのか。そうか、領主はこの男性陣の思考を煮詰めた感じになっているから…難しい訳か。

「えっと…降りてきてもらえますか?」

「あぁ…分かった」

 俺の問いかけに数人の男性陣が降りて来る。全員で降りてくることは無いようだ。代表の一名が近づいてきて、俺に挨拶をしてくる。

「で、話は聞こえてましたよね?」

「そうだな、聞こえていた」

「どうです?協力してくれますか?」

「我々も今の態勢を良く思っては居ないんだ、協力出来る事があれば協力させて欲しい。」

 もう一度、森人の男性は頭を下げて”頼んだ”と言った。なんだ、男性はまだ”洗脳”されてはいなさそうだ。

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