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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
三章 竜人の領土~ハヤテ領~

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(1)

 近所の森で爆発音が鳴り響く。そう、俺たち…というか、一人。ミヤビが自分の手を竜の手に変えて、次から次へと敵を葬り去って行く。目の前の森は地形を変えて、禿げた山になって行った。もう、目の前に残るのは、大きな爪痕と魔物であったであろう痕跡のみ。

「健一さん…いかがでしょうか!わたくしの実力の程は!」

 キラキラの瞳で褒めて欲しそうに俺を見つめる。う~ん…正直言ってすごい。すごいと言うか圧倒的だ。本当になんて言ったものか…。あ、これも伝わってるか。

「はい!ありがとうございます!!」

「これ…私達…要らないです…」

「落ち着いて、メェル。これから…俺たちの活躍の道を考えよう?」

 俺とメェルは二人で慰め合った。走る速さも、力も…すべてが上。ただ、技能だけは俺らが上。うん、悲しいかな…。というか、華奢な体をしているのに俺らより力持ちってどういう事?見るからに身長は俺より頭一つ分は小さいし、腕も細い。綺麗な体つきをしているのに…。

「細いだなんて…お褒めに預かり光栄です!」

「所で、ブレスなんかも出来るんだよね?」

「はい、出来ますよ!お見せ致しますね!」

 ぼぅっという音と共に、目の前で白いブレスが出てる。なんのブレスなのか分からないけど、やばい事だけは分かった。だって、森が一瞬にして消し炭になったのだから。ごめんな…木々。粉々になった木の破片を抱えて、謝りを入れた。ミヤビは”どうされましたか?”と首を傾げていた。

 ここからしなければいけない事。まずは…ミヤビに手加減を覚えさせる事。このまま行けば…世界が滅ぶかもしれない、この竜人一人の手によって。後、素材と可食部の回収が出来ない。これはかなり致命的な弱点になりえる。今まで入手した金額で何とか事足りていたが…これからはどうなるか分からないし。

「という事で、聞いていたよね?」

「はい、手加減…学ばせていただきますね!」

「よろしい!」

「あの…手加減が…癖に…なりませんか…?」

 メェルが手を挙げて、俺に質問をしてくる。正直、それはそれでいいのかもしれない、と思っている。だって、この世界に全力でぶつかれる相手なんて、存在しないだろうから。爪は台地すらも切り裂き、ブレスで相手は消し炭に。ウロコは剣も通さない。はっきり言って…この世界におけるバグだ。

 そういえば…大人になったミヤビのドラゴンの姿を見た事が無かったな。真っ白で綺麗なドラゴンになっているんだろうな?考えた瞬間、ミヤビが俺の視界に入ってきて”お見せしてもよろしいですか?”と笑顔で語りかけて来る。可愛い笑顔が消え、目の前に3メートル程の真っ白なドラゴンが現れた。

 目はたれ目で顔つきは優しそうで可愛いのに、どこか勝てる気がしないオーラのような物を感じる。頭から尻尾まで真っ白で、日の光に当たれば輝いている。はぁ…これが、ミヤビの本当の姿か。美しいよな。

「嬉しい限りでございます!」

「喜んでもらえたのなら、良かった。」

「ずるい…です…二人だけ…心で会話…してるみたいです…」

「出来るようにして差し上げましょうか?」

 んな?!そんな事が出来るのか?!ミヤビは人の姿に戻ると、メェルの傍に行って、魔法を掛けた。すると、メェルが”戻して!!”と強く願った。ミヤビは”はい、これでご理解いただけましたか?”ともう一度手をかざしてメェルに問いかける。メェルは激しく頷いて頭を抱えていた。

「何が起きたの?」

「この能力は万能ではない、という事だけお伝えしておきますね?」

「あぁ…そういう事ね。」

 心の声を聞くとは、対象を絞る訓練などが必要になってくるんだろう。じゃ無ければ、色々な思考が全て流れ込んできてしまって、自分がパンクしてしまうのかな?メェルの様子を見れば大体そんな感じだろうな。ミヤビは俺を見て目を丸くすると”そこまでお見通しなんて…やはり聡明な方でいらっしゃいますね!”と喜んでいた。

「所で…竜が人型の形態を取るのは理由があるの?」

「その話は…わたくしからはお伝え出来ないのです、申し訳ございません」

「あぁ、いいんだ!それ以外だと…急に言葉を話せるようになったのは何でなの?」

「それはですね!」

 ミヤビはそれなら!と言わんばかりに笑顔で答えてくれた。新竜になるには特定の条件を満たす必要がある。それを満たす事で進化することが可能なのだが、全てを持っている竜人は全ての能力を封印された状態で生を受ける。それが、年齢を重ねる毎に、解放されていくと。新竜以降は魔法を使う能力の高まりや知識の高まりになる変換される。

「へぇ…なるほどね、ありがとう。じゃあ、帰ろうか」

 二人は笑顔で”はい”と頷いて、俺に着いてきてくれた。確認も終わった事だし、どこの領地に行くかを聞いておかないとな。

 ハヤテの家に行くと、ヒジリとハヤテが何やら話し合っていた。俺らも遠慮なくそこに座る事にした。ハヤテは”おお、帰ったか。では森人の領地に行ってもらえるか?”と言ってくる。ここから、東に少し行けば森人の領地だ。

「なんで?」

「きな臭い動きを見せているらしくてな?」

「なるほどね、分かった、行こうか。」

 三人ですっと立ち上がり、ハヤテの家を出て、東に向かう。ハヤテは”いつでも帰ってこい、ここが健一達の家であるのだぞ”と大声で言ってくれた。ありがとう、俺もそう思うよ…心の底からね。

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