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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
三章 竜人の領土~ハヤテ領~

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 ハヤテの子供達を連れて、少し離れた平野に移動する。ハヤテが言うには、”この土地を人間が跨ぐことは出来ない様にした”と言っていたから大丈夫なんだろう。さて、コミュニケーションを取れるか?ぴぃぴぃ言っているのは分かるんだけど…。

「ボール!あそぼ?」

「遊ぶ遊ぶ!」

「んな?!どこから声が?!」

 子供達が俺の事を宝石のようなキラキラ輝く瞳で見つめていた。下から覗き込まれるのは…反則だ。というか、意志疎通が普通に出来るのか。そうだなぁ…取ってこいを…まずは、するとして。俺は投げられないから、やるなら転がすか。

 傾斜のある地面を見つけて、そこまで玉を転がす。重たい球は、自重に逆らわずに大きな音を立てて坂を転がって行った。それを見て、子供達は”わぁぁぁぁ!!!”と歓声を上げながら追いかける。仲睦まじくて、可愛い様子だ…鉄球さえ見なければね。

「もう一回やって!」

「もう一回!もう一回!」

「そうか…なら行くよ…!!」

 これを何回も…そう、永遠と言っていいか?というぐらい続けた。俺はただ転がしているだけなのに、腕が上がらなくなりそうだ。はぁ…子育てって大変そうだよなぁ…。子供って無限の体力があるんじゃないか?と思わせる程活発に遊びまわるから。世の中の親は大変だ。

この子たちも、もしかしたら人化の術みたいな…擬人化的な事を出来るのかもしれない。それの方が遊ぶ幅なんかが広がりそうな気もするけど…どうなんだろうか?幼竜をちらっと横目に確認する。けれどやっぱり、人に形態変化する、なんて事は無さそうだった。

「ははは、楽しいか?我が子らよ!」

「楽しい!」「楽しい!」

 二人は後ろから現れたハヤテの元に駆け寄る。いつの間に後ろに来たんだか。さて、この後はどうしようかなぁ…。空を見上げるが、まだまだ日は高いところにある。もし、このまま日が暮れるまで遊び続けると…俺が死んでしまう。

「お主はそこまでの器なのか?」

「誰がそこまでじゃい!」

「あぁ、残念だ。我が子らはまだまだ遊び足りないと言うのにな?」

「遊ぶ!」

「足りない!」

 ぐぐぐ…いっちょ前に煽って来るな、この領主。争いのための煽りじゃなくて…人をやる気にさせるための煽りか。はは、竜人達の方がよほど煽り方が上手いと見た。所で、ハヤテは何をしに来たんだ?何も用事が無いのに、ここまで来ることはしないだろう?子供たちの顔を見に来た、とか?

「そうだ、街が完成したぞ?」

「そうだったのか…街がね?……は?完成した?」

「そうだが?耳が遠くなったのか?」

 ちょっと待て?昨日着手を始めて…。いや、確かに昨日の段階で既に街っぽくなっていた…が、まだ建設途中の家がたくさんあったはずだ。それを、この短時間で?あ~…まだまだ常識を捨てきれていないのかぁ。残念だ、偏見をこんなに持っていたなんて。

「そ、そうか。じゃあ、帰ろうか?」

「我の家で宴をするか?」

「おぉ、それは良いな!」

「お主は昨日のようになるんじゃないぞ?」

「あ、そういえば。昨日はどんな様子だったんだ?」

「うむ、ひたすら愚痴を言って、帰って行ったぞ?」

 あちゃ~…。一番やっちゃいけない事をやった訳か。この体ではまだ、酒を飲むことに耐性が無いのかもしれない。俺自身の体をそのままこっちに引き継いでいる訳ではないから。多分…魂というか意識だけだから、酒が好きで酒豪という自分への認識だけ引き継いだのか。

「うん、困ったね」

「そうか?色々試せばよかろう?我が付き合ってやるぞ?」

「あはは、有難い!ハヤテなら何でも言える気がするな」

「我は一応領主だがな?」

「気取らない領主だろ?いい領主だ」

 俺とハヤテの話に飽いてしまったのか、子供達が”帰る!”と駄々をこねてしまった。宴を開いてくれると聞いたし、帰ってからでもいっぱい話を聞くことが出来る。それで…いいか。ハヤテは二人の子供を脇に抱えて、俺はそのハヤテの隣を歩いて自分の家まで帰って行った。

 一旦自宅に帰って、メェルの様子を見る。メェルはリビングで盾を見つめて、手入れをしていた。キラキラに輝く盾を見つめて、ニコニコしている。そんな可愛い様子を見て、俺もニコニコになってしまった。俺の気配に気づいたのか、メェルがこっちを素早く振り返る。

「お帰り…なさい…」

「ただいま、楽しかった?」

「…?どういう…事です…?」

「盾の掃除をしているメェルがニコニコしていたから」

「ど…?!どこから…見ていて…?!」

 メェルが赤面して、盾で顔を覆い隠した。どこから見ていた…か。最初からではなさそうだけど、ニコニコしていて、道具に愛着があるのは伝わってきた、かな?

「さて、それが終わったら領主の家に行こうか?」

「呼ばれ…ましたか…?」

「そうそう、宴をするんだって」

 メェルが少しばかり苦い顔をした。多分…酒の事を思い浮かべているんだろうな。今回は…大丈夫、と言いたいけど。自信はない!何故なら、酒が大好きだから!皆にも好きになって欲しい!誰かと酔っ払いながらくだらない話をする楽しさを味わってほしい。

「自信はない!」

「な…?!なんですか…?急に…」

「ごめんごめん、じゃあ、行こうか?」

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