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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
三章 竜人の領土~ハヤテ領~

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「いや、健一の言葉でもあるのだな」

「そう、前世の話も含めて、だ。」

「そうだな、あれは辛い出来事であろうな。」

 今は前を向けたからそれでいい。だけど、またあんな事が起これば…俺は正気では居られなくなる。この後、俺が大事に思っているすべての事象が崩れ去ったら…俺は人間ではなくなってしまうかもしれない。理性を無くした、獣になってしまうだろうな。

「健一、明日は少し付き合ってもらうがいいか?」

「別に何も無いからいいけど」

「酒でしんみりさせたくないのだ、酒を”記憶を忘れる”ためだけに飲みたくはないであろう?」

「ははは、俺の事なんでも知ってるじゃないか!」

「であろう?我は最高の理解者であるからな?」

 本当に、最高の理解者だ。だって、俺の全ての記憶、思いを覗けるのだから。その上でこんな関係をしてくれているんだから…本当に、俺は恵まれている。そうだ、あれを聞いておかなければならない。知っているかどうかを。

「賊に玉を投げられたんだ、何か知らないかな?」

「自分の股間をか?知らぬな…」

「んな汚い話はしてない!竜人を弱体化させる玉だ、閃光玉のような光を発する物なんだけど」

「ふむ…そんな物が開発されていたか?なら、記憶に留めておかねばまずいな」

 ハヤテは顎に手を置いて考え込んでいる。この情報は俺も記憶に留めておかなくてはならない。何故なら、竜人以外にも効き目のある物を開発されてしまう可能性があるからだ。メェルに何かあってからでは遅いのだから。

「そうだな、情報が入ってくれば健一に伝えるようにしておこう」

「お願いしたい。」

 ハヤテは俺をじっと見つめて”健一ならあるいは…”とかなんとかぶつぶつ言っている。なんのこっちゃ分からないけど、俺はワインを一気に煽った。楽しい話し合い…では無かったけど、実りある話を出来たはず。そう、これで良かった。まだまだ、一緒に飲む機会なんていくらでもあるのだから。

「はっ?!」

 翌朝、気づけば自宅で寝ていた。おかしい、昨日の会話が…思い出せない。途中までは覚えている、そう、閃光玉の話までは……。ぐぁぁ…頭が痛い。これは二日酔いか?俺が二日酔い…?潰れる事なんて無かったのに?

「うぅ…酒臭い…です…」

「あれ?おはよう…」

「はい…おはよう…ございます…」

 メェルが俺と話をする時、明らかにに鼻を摘まんで話をしている。えぇ、そんなに飲んだのかな?う~ん…記憶のに残っているのは、四杯とかだったと思うんだけど。もしかして、あれ…日本で飲んでいたワインの度数よりも高いか?それなら納得ではあるんだけど。

「水……。」

 水を飲んで、落ち着く。しばらくすれば元に戻るだろう。とりあえず…何しようか。ハヤテの所に行こうか、確か…明日がどうとか、あるいはどうとか?言っていた気がするから。

 ベッドから起き上がって、伸びをする。その間もズキズキと頭が痛んでいたけど、気にしないようにした。自宅の隣にある大きな家に声を掛ける。人間姿のハヤテがすぐに出てきて”健一よ、無事であったか?”と聞いて来る。ハヤテの話によると、俺はワインを二十は軽く飲んでいたらしい。あぁ…そりゃ頭痛もするだろうな。

「手伝える事か、丁度いいな…昨日の話と重なるが、我が子らの遊び相手をしてくれぬだろうか?」

「え?いいけど…?」

 竜人の子供の遊び相手って…何するんだ?う~ん…そうだな…犬とかならボール遊びとかで喜ぶんだけど?一緒にするな!と怒られたばかりだし。雷を落として遊ぶとか?

「そんな訳なかろうが!ボール遊びでも良い、こちらに来るがよい!」

 ハヤテの呼びかけに応じて、二階に見える扉が勢いよく開いた。中から二人の幼竜がこっちに駆け寄ってくる。待て待て…その勢いだと………。ぐぁぁぁぁぁ?!やっぱりタックルか……頭が…割れる…。

「がはは!元気が良い事よ!我が友の二日酔いを食いつぶしてしまうが良い!」

「食い潰せるか!!!!頭が割れるかと思ったわ!!!」

「ぴぃぃ?」

「ぴぃぃ!」

 二人の子供は元気いっぱいだ。子供だから可愛い、と思えるんだろうな。大人になったら…皆ドラゴンになるんだぞ…。

「なんだ?その失礼な言い方は!」

「いや、畏怖の対象になるんだぞ?ってさ」

「そうか?なら良いが」

「さぁ、遊びに行こうか」

「ボールならこれを持っていくが良い」

 そう言うとハヤテがボールをこちらに投げ飛ばしてくる。こっちは外だから、床を傷つける事は……?!嫌な予感がする!回避!!即座に二人の子供を抱えて、ボールから逃げる。ボールは地面に落ちて…この世の物とは思えないような轟音をさせた。意味が分からない。ナニコレ。

「これがボールだ、何故避けた?」

「んな訳あるか?!ボールが地面にめり込んでるじゃねぇか?!」

「ん?そんな事当たり前であろう?そこら辺に売っているボールが、我が子らの力に耐えられるわけなかろう?」

 ボールをじっと見つめる。軒先に埋まったそれは、金色に輝いている。金属のボールね…しかも、野球ボールぐらいしかないのに地面にめり込むの?物理法則が無視されているじゃない。

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