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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
三章 竜人の領土~ハヤテ領~

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六話 風景の一致と幼竜の可愛さ

 賊たちは妙に色々な対策をしていた。竜人に対する策、隷属。これはやはり、コルトランドの上位層、王族が絡んでいる証拠だろう。ここに対して金を払って、奴隷を増やし、戦力を削ぐことも出来る合理的な作戦ではあるが…。

 何故か両脇に挟まっている子供達を抱えて、牢屋の方に向かう。牢屋には、昨日と同じで様々な種族が監禁されていた。獣人と竜人の子供を解放して、皆を引き連れて洞窟を出て行こうとする。あ、連絡を取る手段を考えてなかったなぁ…ハヤテと。俺ら生き埋めか?洞窟の入り口まで来たら、子供たちが脇から抜け出して目の前に立った。

「ぴぃぃぃぃ!!」

「ぴぃぃ!」

 二人の鳴き声が洞窟内に木霊する。すると、大きな”む?!”という声が、閉ざされた向こうから聞こえてくる。目の前を塞いでいた大きな岩が退かされて、光が差し込んでくる。終わったんだぁ…と実感を得ることが出来た。子供たちは、ハヤテの胸に飛び込んで行った。

「おぉ…我が子らよ…もう離さんぞぉぉぉぉ!!!」

 抱きかかえながら遠吠えでもするかのようにけたたましい声を上げて泣いている。良かったなぁ…この姿が見れただけでも感動だ。後ろの獣人や幼竜たちはなんのこっちゃ分からない顔をしていたけど、次第にハヤテに気づいて跪いていた。ハヤテは”今は良いのだ”と言って、皆に声を掛けた。

「はぁ…疲れたよ」

「健一よ、期待通りの物が待っておるぞ?」

「そうだね、ゆっくり飲ませてもらうとしようかな?」

「がはは!酌ぐらいならしてやるぞ?」

「そんなの俺が欲してると思う?」

 ハヤテは少し悩んでから”健一は望まないだろうな?”と言った。うん、望んでない。酒のつまみになるような話とその相手。うまい酒さえあれば…。礼儀なんて物は飲んでいる最中は要らないんだよ。酒がまずくなるだけだ。気兼ねなく話せる相手との酒が……一番うまいんだ。

「さぁ、帰ろうか?」

「そうだな?ここで立ち話をしていては…どうにもできないな?」

 ハヤテはそう言うと竜の姿に変身する。”さぁ、乗れ”と言われるが…どうやって乗るんだ?俺の疑問を聞いていたのか、俺らを手で掬い上げると、背中に乗せて飛んで行ってくれた。もちろん洞窟…ではなくて、元竜人の街に。

 到着して、街を一望する。ハヤテは最初から街を出すのかと思っていたが、どうやら違うらしい。他の竜人族が人型の形態を取って、せっせと作り上げている。街一つを抱えているハヤテが何故街を出さないのか不思議でしょうがない。

「街出さないの?」

「そうだな、出してもいいのだが。お主の記憶の中にある街がどうも気に入ってな?」

「な?!どこの街だ?」

「日本とか言う所だ」

「あぁ…そうだ、視えるんだもんなぁ…」

 もしかして、俺が住んでいた場所を再現する、なんて事は無いよな?もしそうなら…大規模な工事になるぞ?だって、日本で俺が住んでいたのは東京だから。東京のビルを再現したいのか?ハヤテを見つめると、ハヤテは首を横に振って”幼いころに住んでいた所があるだろう?”と言ってきた。

 俺が幼少の時住んでいたのは…駅とちょっとした商店街があるような小さな村だ。そこで生まれ育ったのは間違いない。けど、名前が分からない。俺はすぐに引っ越してしまったから。それに、小さな村だったけど、あそこは何故か近代的な建物が多かった記憶だ。

「近代的な建物を建てる、と?」

「そうだ、面白かろう?」

「まぁ…この世界には存在しないよね。」

「がはは!竜人なんて存在そのものが御伽噺だろう?」

「違いない、最強だしね」

 二人で笑いあう。まさか領主がこんなに気さくな感じだとは思っていなかった。最初はかなり脅されていた気がするけど…まぁ、そんなのはしょうがない。だって、子供が誘拐されて、誘拐した張本人と同じ種族が足を踏み入れるんだ。警戒されて当然だろうな。そんな事を考えていると、隣でハヤテが急に真面目な顔をし出した。

「我が子らを助けてくれて本当にありがとう」

「良いんだ、そんな事。俺がしたくてしたことだ。」

「であるか?」

「あぁ、そうだ。だって、領主の印を貰いに来たんだからな」

 貸し借りなんて無くていいんだ。俺らは生きて帰ってこれた、ハヤテの子供も取り戻せた。これでいいんだ、恩を着せたいなんて微塵も思っちゃいない。それに、ハヤテって言う最高の酒飲み友達を見つけられた…まだ予定だけど。ハヤテは俺の考えを読み取って豪快に笑うと”健一のそういう所が人を惹きつけるのだな”と言った。

「さて、この建物はいつでき…は?!」

 数十分程度、ハヤテと話していた。それは認める。けど、気づけば日本でよく見る風景が出来上がっていた。畑があって、近代的な木造一軒家がたくさん並んでいて…気づけば川なんかも流れている。ここだけ時の流れがおかしい。ちょっと…意味が分からない。困惑していると、ハヤテが一軒の家を指さした。

「健一の家だ、あそこに住むがよい!」

「えぇ?!俺の目的知ってるじゃん?!」

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