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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
三章 竜人の領土~ハヤテ領~

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「なんじゃこりゃ?!」

 どんどん追い詰められていく盗賊の後ろから、疑問と恐怖の入り混じった声が聞こえてくる。賊たちの更に後ろにある岩陰から姿を現したのは、他の賊よりもひと際、体が大きな賊だった。きっとリーダーはあいつなのだろう。

「やっとリーダーが出て来たみたいだ」

「健一さん、あれをやれば帰ってきますかね?」

「そうですね、しかし、あれには聞かないといけない事もあるかもしれないですし…」

 半数以上数を減らしてもなお、十人程とリーダーが残る。まぁ、このまま押し切る事が出来れば…そんな楽な事は無いけれど。竜人をあそこまで恐れているのであれば、何か対策を持っているのだろうな。その対策を披露される前にやったりますか。

「行きますか、対策があるかもしれないので高速で!」

「分かりました!行くぞ!」

「分かってますぜ!兄者!」

「分かったっす!大兄者!」

 三兄弟は圧巻のスピードで即座に距離を詰める。目視できる時には…もう死んでいるだろうな。しかし、盗賊のリーダーは何を考えているのか、玉を持ち出して上空に投げた。すると、天井付近で光り輝き、竜人達を包み込んだ。まさか…隷属…?

「ふはは!そんな無様にやられる訳がないだろう?」

「閃光玉?!いや、そこまで眩しい訳では…」

「健一さん…何故か力が失われました…」

「ぐぅ…どういう事ですぞ?!」

「動けないっす…」

 三兄弟は少し離れた所で蹲っている。なんだ?人間以外を弱体化させる効果があるのか?目の前のメェルは首を傾げて手をぐっぱーぐっぱーしている。メェルには効いていないらしいし、俺にも効いていない。さては…竜人を無力化すれば俺らを倒せるとでも思っているのか?舐められたものだ。

 さぁ、リーダーを倒しに掛かりましょうか!竜人三兄弟は動けなくなりましたが、それでも攻撃されて死ぬような柔さではありません!一瞬の隙を突いて詰め寄って、掃討戦を開始します!リーダーなんて、物ともしない!立ちはだかった賊たちを、バッタバッタとなぎ倒し!

「んな?!なんで人間が他種族の味方をするんだ?!」

「決まってるだろ?俺は人間が嫌いだからだ」

「な?!どういう事だ?!」

「そんな話をお前にする義理は無い!!!」

 リーダーに斬りかかり、鍔迫り合いをいたします!ギリギリと音を立てる剣と剣のぶつかり合い!押し気味なのは、オーキチ選手!パワーと気合でねじ込みます!堪らずリーダーはステップバック!詰め寄り息の根を止めようと…待ってください?!リーダーは何やらごそごそとしております!

「売り物なのになぁ…ここまで追い詰められちゃしょうがねぇな!」

 ”ぼん”と言う音と共に、煙が立ち込める。まさか…煙玉?逃げる場所なんてどこにもないと言うのに、情けない事をしてくれたな。剣で煙を払いのける。すると、目の前に現れたのは小さな竜…それも白と黒のそれぞれの色をした綺麗な竜だった。

「はは、やっちまえ!」

「くそが、どこまでも卑劣な手を使いやがって!!!」

 昨日までは怯えた様子をしていたはずの子供二人からは、感情を感じない。隷属状態にある、という事なのかもしれない。厄介だ、こうなってしまってはまともに戦う事は出来ない。くそっ…どうすれば…。

「健一さん、竜人の子です。生半可な攻撃は通りません!」

 後ろから、タタの声が聞こえる。そうか、新竜以降の竜人にとっては弱いけど…人間にとっては強すぎるのか。なら、実況をして殺さないように……。ダメだ!!!出来ない、この子たちを攻撃何て出来ない。だって、ハヤテの…”友人”の子供だぞ……!!

「畜生が!!」

 子供達は爪でオーキチ選手を攻撃してきます!オーキチ選手は攻撃を封じて、あっちにこっちに逃げ回る!その様子を見て、リーダーは笑い転げております!本当に卑劣な相手です!ここで選択を間違ってはいけないのです!さぁ、策をひねり出す時間を稼ぎます!

 そうだ、スキル実況で…いや、出来ないか。隷属状態の上から上書きで命令なんて出来ない……。なら、もうしょうがない。一か八かに賭けてみるか。出来なければ…俺は死ぬけど。ここからだ、実況を始めてみようか。

「さぁ行け!奴隷共!相手を滅ぼせ!」

 一か八かの賭けに出ます!子供たちは遊ぶ時間から帰る時間になりまして、どんどん離れて帰りましょう!さぁさぁ、我々も後を追いかけまして、リーダーを追い詰めます!

「…は?!どういう事だ?!何故命令を聞かぬ?!」

「はぁ、俺の方が上手だったみたいだな?」

「や、やめろ、来るな!」

 実況が活きて、子供を攻撃しないで済んで良かった。ハヤテになんて言われるか、とかじゃなくて。子供の心に傷が残らなくて良かった。もし、俺やメェル、同族を傷つけてしまっていたら…きっと自分たちを責めてしまうだろうから。実況をしつつ、リーダーを端っこへと追い詰めて行った。

「待ってくれ…金だろ?金が欲しいんだろ?」

「金、要らないね?」

「じゃあ、な、なんだ?何が欲しくてこんな事をしているんだ?」

「うん?ハヤテの…領主の印?」

 決め台詞と同時に、剣を払いました!!!これで試合は終了です!しかし、活かしておこうと思ったはずのリーダーを殺してしまった!これは…ミスかもしれないですね…。

「ぴぃぃ?」

「ぴぃぃ!」

 な、なんで俺の方に目掛けて子供達が……ぐぇぇぇ?!タックルされても受け身は取れないんだが…というか幼竜って結構大きいんだな…と思ったのは二度目か。はぁ…一件落着。ハヤテの元に帰りますかね。

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