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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
二章 獣人の領土~ドンタイガー領~

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 堪らず赤選手はステップバック!獣人から手を放します!まだ息のある獣人を抱きかかえ、少し後ろに降ろします!ここから開戦、幕開けです!相手は口々に”あり得ない”と連呼しています、それもそのはず、鋼鉄の槍を切っていますから!もはや同じ言葉を繰り返す、そういう機械になってしまったのでしょうね!実に愉快です!

「なんだ…お前?!」

「もう、許さねぇぞ?地獄に叩き落としてやろうかぁぁぁぁ!!」

 オーキチ選手のすさまじい雄たけび、気迫に押され気味の三選手!確かに雑兵とは格が違うかもしれませんが、踏んではいけない虎の尾を踏み抜いてしまった!!オーキチ選手のステップはもはや、魔物によって鍛え上げられていますから、ここからの距離なら一瞬で詰める事が可能です!

「早すぎだろが?!」

 青選手は堪らず斧を振り下ろす!しかし、オーキチ選手は縦横無尽なステップを決めて、ダンスを踊ります!右に左に縦横無尽、相手はもはやついて行くので精一杯と言った所でしょう!

「かかってこい、お前らは全員死刑だ」

「く、くそが!!!」

 口調の崩れた赤選手は切っ先のない槍で薙ぎ払い!しかし、オーキチ選手は足に自分とはまるで違う意志があるかの様に躱しております!メェル選手はもはや、見ているだけになっている!ここまで怒ったオーキチ選手を止めることが、果たして相手の三選手に出来るのか?!

「おい、あれをやれ!」

「もうやっちゃうの?!」

「当たり前だろ、こんな化け物を相手にどうするってんだ?!」

 不吉なワードが聞こえました、状況を確認致しまして……あっと?!どこからともなく弓矢が飛んでくる!流石のオーキチ選手でも、弓の速度にはついて行く事が出来ない!着弾までの残り時間が迫ってくる、ここで思考をフル回転…どうすればよいでしょうか?!実況には分かりかねます!

「ここが正念場です!健一さん!正気に戻りましょう!」

 メェル選手が前に出て、矢を弾いてくれる!しかし、大楯を貫通して…これは?!着弾してしまった?!メェル選手は大丈夫なのか……?!ここでメェル選手は立ち上がる!もこもこふわふわの毛の間に弓矢が無数に挟まっている!まるで弓矢のヴァイキング!!

「助かった、ありがとう」

「冷静な健一さんに戻りましょう?」

 メェルの言葉で一気に頭がクリアになる。しかし、怒りに身を任せていた状態でもある程度戦えたし、実況も出来ていた。いや…あの状態じゃ駄目か、だってメェルを置いてけぼりにしていたのだから。

「行こうか、ここからだ!」

「はい!」

 メェル選手の掛け声で、ここから一気に追い詰める!メェル選手は赤選手を弾くと同時に…盾で押しつぶした!!!これは堪らず赤選手がダウン!その様子を見て”ひぇ”と黄選手がこぼした!しかし、まだまだ終わらない!青選手が見ている隙に懐に潜り込み、切り上げ一発、ハイ終わり!!剣は紙を切るかのように、青選手を易々と半分にしてしまう!

「ちょっ?!お手上げ…だから!赤が勝手にやった事だから?!」

「いや、お前と弓の奴も…終わりだ。」

 黄選手は逃げていく!オーキチ選手の顔の怖さに、背中を丸出しにして脱兎のごとく逃げていく!すかさずオーキチ選手はその背中目掛けて剣を投擲!見事に首に命中して、刎ね落としました!今度は遠くの弓に意識を向けるが…なんと?!オーキチ選手とメェル選手がスキル持ちを相手にしたことによって獣人が弓兵を撃破していた!猫の獣人恐るべしです!

 さて、俺らに残った仕事を片付けに行こうか。メェルと一緒に、指揮官の元へ向かう。指揮官はみっともなく、這いずって逃げようとしている。そこを獣人が取り押さえていた。無様だな、こんなものなのか。本当に、コケにしてくれたな。

「コルトランドの王からの命令か?」

「ひぃ…国王様直々の命令です…だから命だけは…」

「なんで今更敬語なんだ?獣人は人間にとっておもちゃなんだろ?」

 指揮官の顔は青ざめていて”殺さないで…”と連呼している。別に聞きたい事もないし、もういいか。平和って何だろうな、俺が考えている平和とこの世界の平和は違うのだろうか。初めて人を殺した、初めて戦争を経験した。戦争は残酷で、負けても勝っても大事な物を奪い去る。

「本当に胸糞悪い事をしてくれたな。」

「くそぅ…くそぅ…俺の昇進が…」

「生きれると思っていると?ありえない。」

「私も…斬ります…!」

「な?!そんなことはさせられない!」

 メェルが俺の剣を握っている手に触れて、一緒に握りこむ。何故そんな事を…?俺がメェルを見つめていると、メェルは笑って”健一さんと一緒に背負いますから”と言った。本当に…こんなにいい子の両親を…。

「ふはは!今か!俺にも訪れたか!逆転の一手だ!貴様を手に入れれば…!」

 なんだ!?急に壊れた?!窮鼠猫を噛むとはこの事か?!ブローチ?みたいな物だが…嫌な予感がする?!

 メェル選手と一緒に握られた剣に力を込めて、間に合えと、首を目掛けて切り裂き!相手の首を切り落とし、ブローチは地面に落ちて、怪しげな光は無くなりました!完勝と言っていいでしょう!目の前の戦いは…終結しました!

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