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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
二章 獣人の領土~ドンタイガー領~

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 さぁ、ここからは手負いの獣にとどめを刺しにかかるだけ!ん?何やらカモリーノが怪しげな動きをしていますが、これは?あっと?!これはまさか、窮鼠猫を噛む!毒爪を飛ばしてこちらを牽制します!これは、オーキチ選手がよける事が出来な…い?!かと思いきや、メェル選手が代わりに受けます!メェル選手の羊化形態、これにはカモリーノも思わずなんじゃこりゃ?!と言わんばかりに鳴いてしまった!

「さぁ、行くぞ!」

 オーキチ選手は切りかかる!しかし、まだまだ元気なカモリーノ!ひらりと躱して嘴を器用に使い、ついばもうとして来る!これを身体で受けようと…。うん?視界がふわふわに包まれる!メェル選手がオーキチ選手を攻撃している!しかし、これには意図がある!きっと嘴にも毒がある事を知っているのでしょう!

「毒…あります…!」

「危なかった…ありがとう!」

 さぁ、仕上げです!カモリーノはもう、血が足りないのでしょう、ふらふらとおぼつかない足取りで逃走をしようともがいています!オーキチ選手はそれを追いかけて、とどめの一撃を食らわせる!首元を切り上げて、切断!試合終了のゴングが鳴ったぁぁ!!!

「いやぁ…本当に、助かった。」

「いえ…その…体が勝手に…動きました…」

「勝手に動いた?」

 隣に座り込んだメェルはこくり、と頷く。体が勝手に動くぐらい絆を深めることが出来たという事なのか?そこまで早くに深める事が可能なのだろうか?もしかして、実況には絆を深める力がある…とか?

「いつもより…動けた…というか…?」

「なんだろう?分からないね?」

 ただ、相性が良かっただけなのかもしれない。俺は俯瞰視点で戦う事しか出来ないから、状況を把握する事しか出来ない。ただ、今日みたいな保護色を使ってくる魔物なんかは…どうにもできないか。少しだけ気に留めておく必要があるかもしれないな。

 動かなくなったカモリーノを見つめて、ふと考える。何故この世界には大きな魔物しか居ないんだろう。こんな世界で生き抜いて行く事はかなり大変な事だ。それに、小型の魔物が居ない、という事もどうにも引っかかる。ボードには、ある程度小型の魔物の依頼は張られている。しかし、この領地に来てから、小型の魔物は見ていない。

「明らかにおかしいよなぁ…。」

「何が…ですか…?」

 メェルはカモリーノを解体しながら聞いてくる。何も言わずとも解体してくれているのは有難いけど、俺も解体の仕方を学ぶべきだろうか?

「小型の魔物が居ない事だよ?」

「最近…めっきり…減りました…。」

「最近減ったの?」

「はい…最近…です…」

 メェルは解体中だったけど、少しばかり俯いている。あぁ、収入源だったんだろうな。ギルドの様子を思い返しても、狩人の数はそこまで多くないようにも見える。もしかして…大型しか居なくなっているのは何か理由があるのか…?いや、今考えても仕方のない事か。

 一息ついたメェルが”ふぅ…”と呟き汗を拭う。うん、今回も綺麗に解体出来ているなぁ。皮と可食部、それ以外の部分で綺麗に整頓されている。俺はそれをカバンに入れて、メェルとギルドへ向けて歩き出した。

「やっぱり討伐出来ましたか…。」

「なんで残念そうんですか?死んでほしかった…?」

「そんな訳ないです!馬鹿な事を言わないでください!!」

 オリーは小さな目を限界まで見開いて顔を近づけてくる。ごめんなさい、そこまで真剣に怒られると…こっちもなんとも言えない感じになります。冗談でも言ってはいけなかった、と今反省した。

「彼女を連れて狩に行って、大物を狩れるなんてありえない事でしたので…」

「なんでですか?メェルは凄い子ですよ?」

「そ…そんな事…ないです…」

 メェルは少しだけ頬を赤らめる。その反応をオリーは面白く思わないらしい。やっぱりいじめなのか?!俺は…止めるぞ!とか思っていたのだが、思い違いらしい。オリーは”メェルさんの特性の影響ですよ、知ってますよね?”と聞いてきた。

「あぁ、動けなくなってしまう事ですよね?」

「そうです!それがパーティにとって邪魔になってしまうので」

「なんだ、そんな事ですか」

「そんな事って?!今までどれだけメェルさんにパーティを紹介したか?!」

「あぁ、心配だったんですね。」

 オリーは視線を反らした。ここまで真剣に考えてくれる職員が居てくれるだけで、メェルは幸せ者なのだろうな。これは…話しておくべきか。俺はもうメェルの仲間なのだから。

「きっと、群れとして認識させるのが大事だったんでしょうね」

「”群れ”として?」

「そうです、前回の話と合わせると…」

 メェルには絆というを感じる事が必要で、その認識を持って、仲間…群れ、として認識出来る。羊は群れからはぐれた、と思うだけでパニックを起こしてしまうぐらい心配性で臆病な性格だ、という事をオリーに話した。

「そうだったんですか…何故そこまで理解できるのですか?」

「あ~…”知っていた”からですかね」

「はい?何故…?」

「知識として持っていた、ただそれだけです」

 嘘は言ってない、羊に関しての知識を持っていた、ただそれだけだ。俺は動物が好きだから。

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