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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
二章 獣人の領土~ドンタイガー領~

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タコパスの鋭い触手攻撃はボクサーの拳のようにも見えてきます!上から一方的に殴りつけるその様は、拳の雨が大地に降り注いでいるが如く!これにはオーキチ選手もメェル選手も手が出ない!しかし、躱しながら頭上の木々に注目するオーキチ選手は見逃しませんでした!木々がミシミシと音を立てている!!!

「メェル!もう少し…耐えられるかっ?!」

「は…はい…頑張ります……!」

 さぁ、タコパスはどんどん下に下にと、自重に耐え切れずに地面に近づいて来る!これを見逃さないオーキチ選手は…走った!!刃を構えて、突きをするつもりだ!タコパスは気づいたが、もう遅い!ミシミシっと、大きな音を立てて地面に落ちてくる!さぁ、ここでとどめを…刺せない!衝撃が加わったはずのタコパスはオーキチ選手目掛けて鋭い拳を放ちます!これには堪らず、ステップバック!!!

「ちっ?!なんでだ?!」

「私…守ります…!」

 メェル選手はオーキチ選手の間に割って入る!その隙に耐性を立て直し…あっと?!メェル選手の大楯が、為すすべもなく弾かれる!目の前ではスローモーションの幻覚のように、綺麗に宙を舞っています!これは…危機一髪です!メェル選手は…がくがくと足が震えて立つことができません!

 なんで、この状況で…ステップバックしたから、足が追い付かない…!!畜生、動けこの足、後ろに下げた足を切り返せ!限界を超えるのは……今だろ?!間に合わないなら!!剣を投げつけろぉぉぉ!!!

 メェル選手に向かった、タコパスの拳と入れ替わり、オーキチ選手の綺麗なフォームから放たれた投擲はタコパスの眉間目掛けて一直線に飛んでいきます!タコパスは気づいたが、間に合わない!眉間に……クリーンヒットぉぉぉぉ!!!ついに、タコパスを制する事が出来ました!メェル選手も…無事な様子です!

「ぐはぁ…間に合った……。」

「あの…ごめんなさい…」

「何も無かった?」

「私…その…」

 後ろでタコパスの崩れ落ちる音が聞こえる。俺は、メェルの頭に手を置いてポンポンと撫でる。その後、立ち上がり、タコパスの方へ剣を取りに向かった。近づけば近づくほど、大きさが良く分かる。ずっと気の上にぶら下がっていたから、あんまり気づかなかったが、俺よりも三回りはでかい。この世界の魔物は皆、一様に大きいのかもしれない。

「こいつ…本当にでかいな」

「ごめん…なさい…。」

「どうした?大丈夫だよ?」

 メェルは目に大粒の涙を浮かべている。どうした?寧ろ自分が死ななくて良かったじゃないか。それとも、盾を弾かれてしまった事か?大楯を構えて、ターゲットを惹きつけてくれていたおかげで倒せたと言っても過言ではないだろう?この子は…何にそんなに怯えているんだ?それでも、メェルは何も喋らない。

「とりあえず…これの解体をしようか?」

 メェルは頷くだけ頷いて、解体作業に取り掛かった。その様子は目を見張るものがあった。作業が早すぎるし、極めて滑らかに行われている。数分後には、取引部位と可食部位がきっちり分けられていた。俺だけしか居なければ、こうはいかない。

「ありがとう、メェル」

「は…はい…」

「よし、ギルドに向かおうか」

 そう言って、カバンにタコパスを仕舞って、街の方へ歩き出す。二人で歩いているのに、出会った最初に戻ったみたいに…終始無言だった。別に、居心地が悪いわけではないからそれはそれでいいのだけど。もし、メェルがさっきの事を気にして喋らないのなら…俺から何か言ってあげた方がいいのかもしれない。

 ギルドの受付に着いて、一息入れる。その後、オリーに事情を説明してカウンターでタコパスを出した。

「で…これは何ですか?」

「タコパスですよね?」

「そんな訳ないですよ?これは…ヒョウオクターです!!!」

 何故か俺が怒鳴られる。この流れに慣れる訳には行かない、だって、俺が狩に行ってるわけじゃない、向こうが俺らを狩に来るんだから。仕方ないじゃないか。俺だって死にたくないから頑張ってるだけだし……。

「ヒョウオクターはですね、貴方たち二人で狩れるような魔物ではないんですよ?!」

「こいつが襲ってきたんですよ」

「拗ねた子供みたいに言わないでください!!!!」

 俺よりも見るからにオリーが拗ねている。口を尖らせて、そっぽを向いているのだから。オリーは”はぁ…本当に規格外ですよ、慢心しないでくださいね?”と、釘を刺して報酬を渡してくる。その金額は、六千万円だった。

 俺とメェルは調理場に移動する。調理場は、解体場と併設されている。さて、タコ焼きと言えば…タコ焼き機なんだけど…ある訳がないんだよね。どうすればいいかね?とりあえず、茹でるか。大鍋を火にかけて、ヒョウオクターの可食部位の肉を入れる。塩を一ドバっと入れて…色が変わったら完成!

 ギルドに頼んで仕入れてもらった、小麦粉と卵と冷水。とりあえずこれで何とかなってくれ…出汁なんて無いんじゃい。これを混ぜて、タコを一口サイズに切る。そうだ、鉄板は…オリーに確認しないと。

「あの、鉄板形変えてもいいですか?」

「まぁ…仕方ないですね、私にもくださいね?」

「分かりました」

 ギルドからの許可が出たという事で、ボコボコと丸い形を作っていく、主にメェルが。そうして…油をしいて、液を流しいれて、タコを入れる!ひっくり返して…完成!

「よし、これでいいかな。」

「すごい…です…美味しそう…です…!」

「なんですかこれ…とんでもなく美味しそうな匂いがしますね!」

 オリーとメェルは喜んでいる。俺は…ちょっと複雑だ。出汁も無ければ、ソースもない。鰹節も青のりも…。味がしないかもしれないけど、そこはご勘弁という事で。二人が俺の事を見てそわそわしている。俺は心の中で頂きます、と唱えて口に入れた。外はふわふわ、中はトロトロ、タコはぷりぷりしていて、歯ごたえがいいのに歯切れが良い。タコのうまみが詰まっていて…うますぎる。ナニコレ、ソース要らないじゃないか。

「美味しすぎ。」

「うわぁ…これは…すごいです…あつい…」

「本当ね…熱いけど…美味しいです!」

 二人が喜んでくれて良かったかな。

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