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来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
一章 人間の領土~首都コルトランド~

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 翌朝、日の光を浴びて目を覚ます。起きたら地面じゃないってだけで疲れが取れている、この状況が最高に気持ちがいい。村人に挨拶をしてから、家を出ていく。狩に行くのは良いとして、あの不気味な森の中をどのように散策していくか。

「さて、どこから探していくかなぁ。」

 目の前のホラーウッドを見つめながら呟く。昨日体験した通りであれば、薄暗くじめじめしていて、顔みたいなシミがたくさんついた木が群生している場所だ。足元もぬかるんでいたような気がする。足を取られないように注意しなくてはならないか。さて、ホラーウッドに入りますか。

 中はやはり昨日と同じか。昨日よりはマシかもしれないけど、飽くまでマシ程度だなぁ。そんなに変わってはいない……?なんだあれ?毛皮が見えるような?もしかして…熊か?

 よく目を凝らして、毛皮らしき物を見つめる。両手を大きく振り回して何かをしている。爪が鋭く尖っていて、血濡れている。食事中の熊かもしれない。バレないようにどこかに行ってしまおうか。いや、熊も人里を襲うはずだ、今ここでこいつを放置しておけばあの村の子も村人達も犠牲になるかもしれない。

「はぁ…やるしかないか。」

 行きますよ、全力応援、自分を振り立たせて!ワイルドボア、蛇のボア、ベアと来て、目的はディア、なんだか似ていますね!しかし、姿も攻撃手段も別物!魔物を相手に意気揚々と切りかかります!奇襲攻撃、魔物はやはりお食事中!バックアタックしてみて驚きました、毛皮が分厚い!刃が全く立ちません!豊満なボディに弾かれて、相手はこちらを認識した様子!ベアは大きな手と爪を横に振り回す、俗にいうひっかき攻撃!オーキチ選手はひらりと躱す、まるでダンスをしているかのような華麗さでした!

「来いよ!」

 オーキチ選手の挑発です!もはやお家芸になっております!魔物はまんまと乗ってきてこっちに向かって、猛突進!ベアタックルとでも名付けましょうか!目の前に来て…何やら企んでいるか?!おっと!!気を取られていたせいで手が一本ない事に気づけなかった!見えない場所からの一撃を予測で躱すならどこでしょうか?そう、真上です!

 オーキチ選手……飛んだ!!!上空から攻撃を仕掛ける!自分の体重を込めた自重攻撃!上から剣をベア目掛けて突き立てる!たまらずベアは”ぐぉぉぉ!”と声を上げました!首を左右に振り回し、オーキチ選手を振り落とそうとしている!しかし、ここは忍耐力の見せどころ!振り落とされまい、と必死に抵抗、刃を奥へと突き立てます!ようやくベアは動かなくなる!!!試合終了です!

 「ふぅ…」

 見た感じは…日本に出てくるような熊と同じかな。体長も……うん、同じぐらいかな。こんなのを良く銃も無く倒せたなぁ。それだけ、実況と戦闘に慣れて来たって事かな。それにしても……うわぁ、当たり一面が血だらけだ。これは他の獣なんかも寄ってきちゃうかもなぁ。

 「ん?」

 何故か、どこかからの視線を感じる。というより、周りで何かが動く音がする。”かさかさ”という感じの音。悪い予感がして、振り返る。しかし、誰も居ない。おかしい、胸騒ぎだけはするんだが。辺りをぐるりと見回す。そこで小さな違和感に気づいた。何か明りのような、何かが揺れている。俗に言う人魂のような…。

「なんだあれ?」

 熊を仕舞って、明かりの方へと近づいて行く。明りが不意に消えて、ぽたぽたと音がした。気づけば、目の前に顔が浮かび上がる。大きな声を上げそうになり、必死に後ろに飛びのいた。これが、ホラーディアなのかもしれない。大きな角の上には見慣れない物が付いている。顔は細長くて、目が吊り上がっていて、こちらを動かずにじっと見つめる。その様はまさに、”ホラー”だ。

 余計な事を考えながらの開戦!幕開けでございます!魔物は鹿型という事から分かりますが、立派な角が武器でございましょう!いかようにして戦うでしょうか?角は何故か刃のように鋭い!これはきっと幾人もの命を葬ってきた歴戦の証なのでしょう!鹿の角は生え変わると言われています、同時に食材にもなります!煮るなり焼くなり、なんでもござれと言う事です!

「来ないのか?」

 しかし、ありえない程動かない。奇妙にもほどがあります!怖い顔と動かないその様を見ると、今にも逃げ出したくなってしまう事でしょう!ここはぐっと我慢して、堪えて!どのように戦っていくか、検討する必要があるでしょう!さぁさぁ、ゆっくり見あって、先に動いたのは魔物だ、突進をしてくる…が途中で止まる!オーキチ選手は堪らずバックステップです、これはいったいどういう事なのか!まさかの突き上げを喰らわされそうになりました、危機一髪でしたね!

「なん…だそれっ?!」

 刃で受け止めているが、角の先端で弾かれる!まさか、そこまで器用な事が出来るとは夢にも思いません!ただ、何故あえて先端で弾いて来るか、答えが見えて来たようにも見えますね!横からの攻撃に弱い、それを補うための先端の硬さなのでしょう!生き物全てに共通している、”弱点”が見えて来た!

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