表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
来世でも実況したいと願ったら"スキル実況"を獲得しました  作者: とびし
六章 武人の領土~タチマチヅキとモチヅキ領~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/123

六話 ミヤビの試練、才気

 この喋る腹立たしい武器は何なのでしょうか?わたくしに一生喋りかけてきます。そして、わたくしの事を知能が足りないともいうのです、あぁ、今すぐに壊して差し上げたい。

 手元にある鉄の塊を眺める。四つの輪が開いていて、握ったときに力を込めやすい形状をしている、名前をナックルダスターと言いました。

「君には俺を使う才は無いだろうね」

「やって見なければ分からないのではないでしょうか?」

「いや、分かる。伝わって来るよ、力任せに拳を振るい、何も考えずに生きてきた君の姿が。」

 なんなのです、好き放題喋りやがって。腹立たしい、こいつはわたくしの事を何も知らない癖に…。わたくしは選ぶ武器を失敗したのでしょうか。ふと、前を見上げたら、平原にたどり着いていました。疑問に思い首を傾げていると”ここが君の試練の場所だ”と武器は言ったのです。

「試練ですか?はて、わたくしを主としては認めないのでは?」

「やって見ないと分からないと言ったのは君だしね?それに君が俺を手に取ったのは運命だ」

「くっ…やってみますけれど」

「じゃあ、行こうか。この先、君は君を超えないといけないからね」

 武器はわたくしに使われるために、使い方を教えてくれます。丁寧に、丁寧に。こんなに憎まれ口を叩くのなら、教えなくたっていいのに。話半分に聞いていると”じゃあ、やって見な?”と言われました。目の前には人間…それも盗賊が大量に出てきました。はぁ…わたくしのトラウマをほじくり返そうとでもいうのですか?

「じゃあ、やりましょうか。」

「あぁ、見せてくれ、君の覚悟を。」

 はぁ…はぁ…。何故?わたくしが押されているのですか?数は確かに、わたくし一人に対して相手は三十程居ます。それでも、人間に負ける程わたくしは弱くないはずです。力…力が足りないのですか?健一さんの隣を歩くためには…。殴りながら唇をかみしめます。

「何故…何故です」

「……。」

「武器、どうしてあなたは黙っているのですか!」

 武器は答えなくなりました。相手の盗賊は何回倒しても蘇ってきます。何故?蘇生なんて…今まで無かったではありませんか。それに、倒した時に何やら靄が邪魔をして止めをさせません。どうして…もしかして、わたくしを葬るためにこの試練を課したのですか?!くそ…罠に嵌められましたか!

「いち早く…健一さんの元に向かわなければならないのに!!」

「はは、外れだ。君は本当に己に向き合わないね?だからこういう結果になっているんだ」

「なんなのですかぁぁ!!!」

 武器を叩きつけようとします。しかし、手から離れないのです。何回も、何回も握っている物を叩きつけようとして、それでも離れない。どうして…なんでですか。私が何をしたと言うのですか!ただ、健一さんのお役に立てればそれで良かったのに…。

「はぁ…。」

「なんだ?諦める気になったのかな?」

「……。」

 …考えるのです。何故、この状況になっているかを。試練はなんだと言いましたか?武器の特性はなんだと言いましたか?わたくしはこの試練でわたくしの中に何を見出せばいいのです。深呼吸を一つして、思考を巡らせる。これはきっと、何かを見たいからしているのです。

 そうです、ここの領主は言いました。力任せに武器を振るう事を武人族は許さない、と。特に…この子たちは扱いが難しかったから、倉庫にしまったと。そして、この子はわたくしに何かを見せようとしている。わざわざ、わたくしが少しでも怖がるように盗賊を用いて…。

「そうだ、君はやっと気づいたか?」

「今いい所なのです、黙りなさい」

「そうか、なら黙っていようかな?」

 少しでも怖がると何が生じると思いますか?体に力が入る。力が入ったら、技術が杜撰になって……。まさか、力の振るい方?力の振るい方を見せていると?いや…確証が持てません。何か…何かあります。そうだ…靄?何故私が全力で殴ると靄が生じるのですか?何故蘇生されるのですか?もしかして…力の加減!!

 目の前の盗賊に目を凝らします。そうですね、盗賊です。健一さんがくれたイメージ通りの盗賊の姿なのです。しかし…他にも何か見えますね…?何でしょうか?数字…?六十九?力の加減の仕方?これしかなさそうです、やってみるしかないでしょう!!

 わたくしは体の力を抜きます。相手はにやにやしていて本当に気持ちが悪いですが…。さぁ、やりましょうか。力を抜いた拳を相手にぶつけます。あぁ…やはり、盗賊は蘇生されません!

「ふぅ…やっとたどり着いたんだね」

「もしかして…貴方はわたくしを煽って…わざとこの展開にするために?」

「そうだね、俺の名前に由来しているらしいんだ。俺の名前はサイキ」

「サイキ…とは何でしょうか?」

「さぁね?それは分からないけど、良いの?目の前にはまだ盗賊がたくさん居るけど?」

「えぇ、もちろんすべてを倒しつくしますよ?」

 早く報告しなくてはなりません。きっと健一さんなら知っているかもしれないです、このサイキという言葉の意味を。試練を終えて、サイキと一緒に健一さんの元へ戻って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ