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星の架け橋は、こころの河を渡って

作者: 逢乃 雫

街角を吹きゆく


風のピアノが



季節の第四楽章の


始まりを奏でて



樹々の枝が描く


アーチの下を


ゆっくり歩きながら




夕陽に透けて輝く


色づいた葉たちの



一枚一枚はまるで


ステンドグラスのよう



舞い降りる葉の


ひと葉ごとに



地上を潤す雨の


ひと降りごとに



聴こえてくる


冬の旋律




河面(かわも)に映る夕陽が


ゆれる ゆれる



いくつもの


オレンジ色の


カケラをちりばめて



かわたれ時の


薄紫に染まりゆく空



その先の明日へ


続く篝火(かがりび)のように



シクラメンの


紫色の花びらが


道を照らして





言の葉はきっと


星の架け橋のように



夜空を流れる


二つの河と河を


繋ぐように浮かぶ


うお座の星々



やさしい光を


辿りゆくその先


繋がる(そら)に煌めく


アルレシャの星



星と星を繋いで


双魚の絆をつないで



その星座は


うお座と呼ばれて




言の葉はきっと


心の架け橋のように



見えない心と心の


河をつなぐ橋となって



言の葉を紡ぎ


言の葉と言の葉を繋ぎ



心と心という


星と星をつないで



その星座は


絆と呼ばれて




 

地上では


冬へと灯りゆく


イルミネーションに


光り出す木立



その光をそっと


見守る星に


想いを馳せつつ



かたちのないものに


かたちを与えていく



言の葉にはきっと


その力が


あると信じて



心の枝から


葉の一つひとつに


願いをこめて



褪せることのない


あたたかな色を





そして


橋を描けたら


星の河と河を繋いで


宙に架かる


アルレシャのように



心と心の、


河をつないで















シクラメンは、寒い時期も鮮やかな花が咲き、紫色の花言葉は「想いが響き合う」「絆」です。その姿から和名は「篝火花かがりびばな」です。


黄道十二星座の一つ、うお座は、11月下旬が見頃でVの形で南の空にあります。光はささやかで街中からは見えにくいですが、古代メソポタミアが起源とされ、チグリス川とユーフラテス川を模したともいわれます。


二つの川が繋がる場所にある星が、アルレシャです。神話では、怪物に追われた二人の神が魚になり川に逃げた際、互いを紐(アラビア語で『アルレシャ』)で繋いだとされ、双魚の星座絵で知られます。


季節の星や花をモチーフに、詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
冬の始まりがピアノでいう最終章、第四楽章という表現がとても良いなぁと思いました。 紅葉した葉がステンドグラスのように光を通している様もとてもステキです。 逢乃さまの詩は一日の流れが空にある雲のように流…
[良い点] こちらの詩も素敵ですね! 心と心を繋ぐ……。 神秘的で奥が深い……でもその中には絆があって……。 素晴らしい詩です。とても素敵です。 素敵な詩を読ませていただきありがとうございますm(_…
[良い点] 色づいた葉一枚一枚が、まるでステンドグラスのようと言う所が、本当にその通りだと思いました。 何故もっと早く読まなかったのかと今猛烈に後悔しております。 もっと早く知っていたら、紅葉時期に素…
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