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34話 蘇らせたい人

「はっはははははは」


ジークはその瞬間、狂ったように笑った。


「な、なんですか?突然」


「ジーク皇子?ど、どうしたのですか?」


突然笑い出したジークを見て動揺するミッジとヘンゼル。


2人だけではない、ジークの部下もシウォンも皇弟も、そして私もその異常な笑いに恐怖を感じていた。


「はー...まさかお前らがそこまでたどり着くとはな」


そう言ってジークはおもむろに席を立った。


「兄上、どこに行くんですか?」


「ついてこい。面白いものを見せてやる。護衛はそれぞれ3人まで許可する」


「面白いもの...?」


私達はお互い顔を見合わせた。

ジークはこちらのことなど気にせず、ずかずかと先に向かって歩いていく。


連れてこられたのは城の最上階だった。

大きな吹き抜けになっていて、さっきまでいた2階が上から見える。

私は天井に吊るされている大きなシャンデリアに目を奪われながらも、必死に皆の後をついて行った。


ジークが角部屋の一室に入る。

続けて私たちもそのあとを追った。


「暗い、ですね。誰かカーテンを...」


「あ、じゃあ僕が」


そう言ってシウォンがカーテンを開けると、暗かった部屋が一気に明るくなった。

窓から差し込んだ太陽の光が、部屋の中の1枚の大きな絵画を照らす。


「「!」」


「お二人共、この絵画がどうかしたのですか?この女性は...」


シウォンとスワムが何故かその絵を見た瞬間、とんでもないものを見たかのような顔で驚いた。


絵画には微笑みながらこちらを見る女性が描かれている。

ドレスを着ているところを見ると、恐らく貴族...というか王族の肖像画ではないだろうか?


「兄上、どうしてこれを...」


「ジーク、どういうことだ...」


その瞬間、今まで黙っていたジークが口を開いた。


「知っているか?聖女が先の戦いで、どんな風に戦ったか」


「えっ...さあ...」


ミッジとヘンゼルはお互い顔を見合わせ、困った顔をした。


「太陽石は導き、統制、破壊の力を持つのものだ。その石の威力は国1つを1人で滅ぼせるほどのものだったらしい。しかし、聖女は死んだ。何故だ?」


「な...なぜ?」


「月石が無かったからだ。月石は、治癒、 再生、無限の力を持つ。太陽石は圧倒的な力を持つがそれだけでは真の力を発揮できない。そして聖女は暴発した太陽石に殺された、哀れにもな」


「...では、まさかジーク様はその石達で世界征服でもしようと言うのですか?」


「ははっそれも良いな。だが太陽石は600年前の戦いで粉々になった」


「では、何の為に月石を...?」


「ここにある、俺の全てを返してもらうためだ」


次の瞬間、ジークはおもむろに絵画の後ろから白い箱を取り出した。


「月石の再生の力、それは死者をも甦らせる」


「それは...前女王の...?なぜお前がそれを持っている!」


「まさか、兄上が月石を欲しがる理由って...」


「...母上を生き返らせる。それが俺の望みだ」


ジークは、不敵な笑みを浮かべてそう言った。

















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