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誰かの口癖  作者: でぃごとてぃーだ
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2.【ぐーぱんち】って凄い

クッキー食べたいです。

女王良いなー

「準備出来た?」


「バッチリよ。でも実体化って面倒くさいのよね〜 っていうかあなた…フィーネよね?」


「何が?」


「どこからどう見ても別人よ」


そうだったら良いけど…目の色は青空ソラ色から桜色へ、髪の毛はよくある金髪にしたんだけどこれ、魔法研究の賜物なんだよね〜


「そういえばあの子の容姿、ほとんど変わっていなかったわ」


「もういいから!はい、これクッキー! 」


「やったー♪ チョコチップだ!」



本当にこの人精霊女王…? 



♦︎♢♦︎♢


「よっこいせ」


「掛け声がおばあちゃんよ」


「別に良いでしょ」


魔法研究の賜物、「転移魔法玉」を使い私達は教会の地下室にやって来た。

すると予想していた通りあいつがいた。


「うわっ めっちゃ綺麗だね!お姉さん達! なんでこんな所に来たのぉ?」


おぇ 本当にいたの? クソクソ息子…


「いいじゃない。今日のオークション楽しみにしてたのよ〜 」


クイーン凄っ! 



「そうなんだ! 今日はとっておきがあるから楽しみにしててよ」

その目今すぐ閉じて


“このとっておき、ルイのことよ”


〈気〉を使ってクイーンが言ってきた。


“まだ【ぐーぱんち】しないでよ  合図出すから”



“了解”


♢♢♢



始まりと同時に出てきたのは魔力の強い子供。その買い人は同じ髪色の女性だった。多分親子だろう。 


「…では次の物です! こちらは見ての通りケモ耳です! こちらは100リルから!さあどうぞ!」


ちょっとお〜さっきから何?人を物扱いぃ? こいつ頭狂ってんじゃないの?


「200」


「500」


「700」


「これと交換!」


え?


そう言ったのは深くフードを被った黒髪の女性だった。手に持っているのは…は? 待ってあれドラゴンの鱗じゃん! え! 凄い! 綺麗〜




「えーと、みなさんちょっと待ってて下さいね。」


そう言ってクソクソ息子は壇上から降りてその女性の所まで行った。


そして…


「ちょっとお〜 これ本物ですか〜 私はお金の話はしましたけど紛いもんの話はしてないんですよ〜」




祭司よ、お前の孫はどんだけ馬鹿なの?


「違う…それ…は本物です…!」


うん。その虹色の輝き、本物だよね。


「ほんとお〜?」


はぁ 面倒くさ



“ちょっと言ってくる”


“OK”



カタッ


「本物よ」


「なんだって?」


「だからそれが本物だっていうことよ。12000ルクってとこね。安心して、私これでも元Sランク冒険者だったから」


まあ、結構昔の話なんだけどね。


「1200ルク?! OK  ではこの物は1200ルクで! 」


金か



“良かったわね。ケモ耳ちゃん。”


“ええ。 あの二人多分親子だし”


“あら、気付いてたのね。”


“そりゃあね。あぁ、アイツ、私も殴りたい”


“だめよ〜 あれは ()()()の”


“はいはい”


“気をつけて 次よ”


“うん”



「さあそれでは最後の者です!」


ガラガラガラガラ


私の大切な人は檻の中で死人のような目をしていた。



「ご覧下さい! この綺麗な瞳! さあ、こちらは500リルから!」




“行ってくる”


“援護するわ”


“お願い”



「すみません、これと交換ってだめでしょうか?」


クソクソ息子の横にいた宝石商みたいな人に近づいた。


こっちの方が手っ取り早い。


「ちょっと何を言って…ん? 待て待て待てそれってまさか」


「そのまさかよ。これはサファイア。綺麗な雫の形でしょう?」


と言ってもいつもと違って透明度高めではないが…


「素晴らしい! どこで見つけたのですか?!」


「この前、可愛い子猫ちゃんが私にくれるって言ってくれてね、それで私はこんなの趣味じゃないしどうかな?って」


「お姉さんお姉さん、何やってるのお〜 だめだよコレは大切な売り物なんだからあ〜」


はぁ? おめえそのセリフ覚えとけよ…


“クイーン”


“はいはい”


「お坊ちゃん、このサファイアいくらすると思う〜? 2600ルクよ」


「は? そんな石ころが?」「なんと!」


「だ〜か〜ら〜 」


やべ


クイーンが怒った


「その辺で日向ぼっこして寝てろって言ってあげてるんだよ〜」


「なんで僕にお姉さん達が命令しているんだよ 嫌に決まってるだろ!」


「そう、残念だわ。もう少しこの喋り方が良かったんだけど…まっ良いよね? 悪いのは君だもんね!」


「え」


そこからは一瞬だった。

クイーンがクソクソ息子に向けて拳を振り下ろすと同時に突風が吹き、クソクソ息子を壁に貼り付けた。



「なーにが『次のモノ』なのかしら〜  全員どっかのスラムとかから誘拐してきたんでしょ!」



「…」



「クイーン、これ気絶してる」


“後で存分にやっていいから、あの檻の鍵、どこにあるのか知らない?”


“そんなのとっくの昔に開けといたわ”


“ありがとう”


“当然でしょ〜早く行ってきな。後はやっとくから”


“うん”



♢♦︎♢♦︎♢


認識阻害の魔法をかけて檻に近付いていった。


クイーンの言っていた通り鍵は掛かっておらず、精霊が音をしないように開けてくれた。


「フィー?」


小さな声でルイが言った。


“分かる…?”





“うん”




“ちょっと待ってて”




“うん”





収納ボックスから持ってきた毛布を出してルイを包んだ。




ルイはスヤスヤと寝息をたてていた。


可愛すぎる…






♢♦︎♢♦︎♢



クイーンのいる所に戻ってくるとクソクソ息子が土下座していた。


“サファイアと交換して良いって”


“良かった。でも人とブツを交換ってイラつくね”




“そう〜ね〜 あ、あと後ろにいた子供達も逃がしといたわ。

今頃、精霊達が怪我とか直してると思う…ハァ 殴り甲斐なくてガッカリなんだけどー”



“あはは…”



“じゃ、帰りましょ”




「…待ってくれ」


足元で声がした。



「なあに、坊ちゃん」


クイーン、怖っ!




「可笑しいだろ」



「「は?」」




「なんで僕がこんなことしなきゃいけないんだよ!!


 大体、お姉さん達人間じゃないでしょ!?」




「「あら、よくお分かりで」」



“ハモったね”


“私達やっぱりサイコー”



「何なんだよ! 悪魔かよ!」


少年! それ、言っちゃイカン! もう遅いけどクイーンにそれは禁句だ….°(ಗдಗ。)°.




“どうする? 言う?”


“どっちでも良いわよ〜”


“じゃ、景気付けに一発”


“おっけー”


クイーンはフードを、私は認識阻害を解除。



「「教えてあげるわ」」



ブワッ



風が巻き上がると同時に私達の魔法は解けていく。



そして次に彼らが見た光景は…




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