第6話 実験
「さてと、必要なものは揃ったわね。早速始めましょう」
この日、ルマドエルは大図書館にある自室の、更に地下の部屋で実験を行っていた。
「空間魔法で大きくした部屋は便利だわ。これが成功すれば、能力は魂に宿るってことが証明されるわね。」
ルマドエルはさっそく実験を開始した
「あの村の三割の魂を回収できたのだから少し失敗しても大丈夫よね?七割近くを取り損ねてしまったから次からはしっかりと回収できるように考えないと」
「魂を回収した人間の中から能力持ちは三人だったわね。この魂の状態でも、能力がわかれば成功ってことね。」
「これで魂に能力が宿るってことを証明出来たわ。そういえば、なんで魂だけなのに怨嗟が響くのかしら?」
魂に耳を澄ませば絶望の声や恨みなどの負の感情が聞こえてくる。
「これを利用できないかしら?」
「それにしても、この血はどうしましょう?」
ルマドエルは魂を回収した人間の血を集めて持って帰っていたのだ
「もったいないから飲んじゃいましょう。……苦しめて殺した人間の方が美味しいわね」
「この魂には怨嗟が響いてるのだから血と一緒に入れれば美味しくなるのかしら?だったら血が腐らないようにしないとね。……そうだ、固めちゃいましょう。そうすれば保存の魔法を掛けられるわ。
まだ、個体のものにしか付与できないのだから不便よね。もっと、頑張らないとね」
「血を固めると綺麗ね。結晶みたい。
名前は
ブラッドクリスタルにしましょう」
「あとは、この中に魂を入れて
…………【魂縛 ソウルプリズン】
……【血界】
これでよし、と」
「他の魂も、
…………【魂縛ソウルプリズン】
これで魂を保存できるわね」
「あと少しで御姉様の能力を掻い潜れる物が作れるわ。もう少しであの二人を殺せるわ。待っててね、御姉様。
フフフフフフ、アハハハハハハハハハ…」