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夢に手を伸ばす

この話を更新する時は大体病みに片足突っ込んだ時

生きていても何も楽しくない。生きる理由なんてきっと見つかることは無い。確か中学生の頃には既に思っていたことだったと思う。


子供の頃から、不思議となんでもそつなくこなせて、学校での成績もほとんど勉強しなくてもまぁまぁ良いところを保っていた。


だけど中学三年のとき、成績が落ちた。まぁ当たり前だろう。勉強していなかったのだから逆に点が今まで良かったのがおかしいんだ。


そんなことを考えて、次のテストはちょっと勉強しよう、なんて気楽に考えていた。だけど……


結局、僕は何一つ勉強をしていなかった。結果はまた前回と同じくらい。その時も確か反省して、次こそは……なんて考えていたはずだ。


まぁ、その勉強しない悪癖は高校生になった今でさえ直っていないのだけど。 途中から親に塾に放り込まれたことで一気に成績が上がり、近辺では結構いい高校にいけた。


それもきっと今の状態に影響しているのだろう。 高校二年、再び僕の成績は下がった。 間違いなく原因は勉強不足。だが僕のやる気は全くと言っていいほど勉強に向くことは無かった。


やる気がない時にやっても効率が悪いだとか、明日にだってできるだろうだとか考えながら、結局いつまで経っても勉強は始まらず、試験前日に慌てて詰め込むのがいつも通りになってしまった。


きっと高校に入った時と同じように、勉強時間さえ増えれば成績も上がるのだろう。そう思いながら今日もゲームや、何かのイラストを描くことに邁進してしまう。


そうして表面上は普通の学校生活を送って、家ではネガティブな考えを打ち消すように何かにのめり込んだ振りをする。そんな日々が続いていた。



そしてついに、僕は意図的に提出物を出すのをサボった。ただ、やるだけの気力がなくて、面倒くさくて、ちょっとだけ手をつけて、すぐに止めてしまった。


その前にその教科の先生に怒られていたこともあったかもしれない。まぁ、とにかく僕はついにその時サボりというものに手を出してしまったのだ。


一度行ってしまえば、二度、三度と続いていって、どんどんと負債が増えて行った。 それでも表面上は平穏に過ごし、たまに呼び出されても無視して帰った。


そんな不良のような生き方をしだしても、僕は良心は捨てきれなかった。


生きていることに意義が感じられないだとか、もう死んでしまいたいだとか、色々とネガティブな思考が永遠と脳みその中に漂うようになって行ったのだ。


悩むだけで脳みそが発熱しているかのようになって、吐き気と、全身の気だるさ、頭痛、それに自殺願望が際限なく高まっていく。それでもそんな時が何故か居心地がいい感じがしたんだ。


悩みは人に話せば楽になるだとかよく聞きはするが、人に話したくないし、理解もして欲しくない。ただ一人で悩み続けて、病み続けるのが楽だった。


ずっと自問自答して、自分を傷つけて、自業自得だと自嘲して、頭痛に顔を歪めて、それでも悩み続けて。

そんなどうしようもなく救われない行動をずっとしているのが、停滞している感覚が好きだったんだ。


だけどある日、中学時代の友達から連絡が来た。内容は、趣味で動画投稿をはじめてみた、というもの。

なんて馬鹿らしいと内心で冷笑しながらも、添付されてきた動画を見る。内容は酷くつまらないもので、再生数も二桁にギリギリ届いた、と言った程度。


ただ、それを見て純粋にすごい、なんて思っている自分もいた。 その友達は恥ずかしそうにしながらも将来の夢はこれで食って行けるようになること。なんて言ってのけた。


まるでまだ世間が見えていない子供のような言葉で、でもそこには確かな決意を感じて。何となく、輝いて見えた気がした。



そして今、幼い頃に捨ててしまった夢を拾い上げている。絵を描いて生きていたいという夢を。


そうしたところで今までに抱えた負債は消えないし、どうしようもない自問自答もなくならないのだけれど、生きる理由として絵がある。それだけで何となく前を向けた気がした。


そして、今日も絵を描いている。中間テストの裏側に、学校の中庭にある大きな木の絵を。


「うん、まぁまぁいい出来だ」


画材を持ち込むのは面倒だったので鉛筆で。折り目が着いていたりして少し描きにくかったけど、とりあえずまぁまぁ良いかなって程度には仕上げられた。


「さて、じゃあそろそろご飯でも……あっ」


その紙を傍らに置いて弁当を手に取ろうとしたその瞬間、大きな風が吹いた。それに絡め取られて僕の木の絵が飛ばされてゆく。


それを追いかけて、モチーフにしていた木の方まで走る。確かこの木の下にはベンチがあったような……なんて思いながら近づいていく。


すると、そこには僕の木の絵を眺める女の子が一人座っていた。

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