この汚い世界に罪と罰を。
「汚い色だな」
「その色にしたのは僕らだけどね」
「俺は関係ねぇな」
「いいや関係あるよ。僕らはみんな同罪さ」
「だが俺は何もしちゃいない」
「直接的にはね」
「間接的にもだ」
「それは違うね。人は生きてるだけで世界を汚していくんだ」
「じゃあ俺たちだけでも綺麗にしていこうぜ」
「無理だね。少なくとも今の僕らには無理」
「なぜ言い切れる?」
「君こそどこに根拠がある? この現状を作り出したのは僕らなのにその自信はどこからくるの?」
「俺が新たな技術でも開発してやるよ」
「それを開発する過程でまた世界を汚すんだろ?」
「そんな事はない!」
「言っただろ。人は生きているだけで罪なんだ」
「・・・それはお前の勝手な言い分だろ」
「そうかも知れないね。でもこれだけは確かだ。この世界は自然こそがあるべき姿だったと。人が生まれ、新たな技術を開発しては世界を汚す。これを罪と言わずして何と言う」
「それでも中には緑化に尽力する人達も居るし、節電でも何でも自分達の出来る限りを尽くしてる!」
「よく分かってるじゃないか。そう「中には」なんだよ。そもそも、そうやって行動しなきゃいけない事自体がおかしい事だって気付かないのかい?」
「それはっ・・・!」
「いや、頭の中では分かっていてもそれを理解する事を拒否しているんだね。」
「・・・ッ!」
「核で汚染された大地。人の手を加えた事で絶滅した動植物。生きてるだけで溜まる一方のゴミの山にそれを宇宙に放棄する。オゾン層の破壊に酸性雨で枯れた木々。砂漠化した土地。溶ける氷山。いくら尽力しても手遅れ。全て人の罪だ」
「そこまで言うならお前は人がどうすれば良いと思ってるか言えよ・・・」
「言ったろ?何度も「罪」だと。人は罪を犯したらどうなるんだ?」
「・・・罰を受ける」
「そうだ。罰だ。僕らは罰を受けなければならないんだよ」
「ふん。誰が裁くんだ。人が皆罪なら裁く人が居ないじゃないか」
「存在するだろ。僕らは何処に居るんだ?」
「地球だろ。まさか地球が人を裁くとでも言いたいのか?」
「そうだよ」
「そんな馬鹿な話があってたまるか。意思も無いのに出来るわけない」
「意思の有無なんて関係無い。地球はね、もうすぐ終わりを迎えるんだ」
「・・・それは本当か!?」
「少なくとも僕らが生きている内にその時が来るだろうね」
「もうどうしようも・・・ないのか?」
「言ったろ、手遅れだって。星の寿命を縮めたんだ。言うなれば僕ら人類は・・・「星殺し」だね」
「そうか。だから罪なのか。重い・・・罪だな」
駄文を読んでくださりありがとうございます。
環境破壊どうこう除いても星には寿命があるようなので、どちらにせよこの世界にも終わりはきますね。
そう考えると、子孫繁栄を含む後世に残す的な行動って無意味なのかも知れませんね。